みなさん こんばんは。
大河ドラマ「光る君へ」3334では
まひろも中宮彰子も 新しい目覚めの時を迎え
ドラマのストーリーも大きく動き出しましたね。
まひろの書く「源氏物語」の 最初の大きな山場である
女主人公の紫の上が初めて登場する「若紫」(わかむらさき)の巻。
紫の上という女性は 光源氏最愛の女性で 光源氏と苦楽を共にする女性。
才色兼備で 気立てもよく 家庭もよく切り盛りする まさに理想の女性として描かれています。
幼いときに源氏に引き取られ 育てられ そして正妻となりました。
源氏によって多くの喜びを与えられた紫の上。
その反面新しい恋を常に求める源氏に 苦しさ 嫉妬 不安も与えられた女性でした。
源氏は紫の上の死によって 初めて自分の身勝手さを知り 涙にくれる後半生を送るわけですが
時すでに遅し。大切な人はもう自分のそばにはいないのです。
物語の女主人公「紫の上」が 最初に源氏の目に留まる場面が「若紫」の巻に描かれています。
↑ 泣いて祖母に訴える女児を垣間見る光源氏。
走り来る女子 美し気なる容貌なり。
顔はいと赤くなして立てり。「雀の子を犬君が逃がしつる。伏籠のうちにこめたるものを。」
とて いと口惜しと思へり。 「源氏物語 若紫」
走ってきた女の子は美しい容貌で 顔を涙で赤くして立って
「雀の子を犬君がにがしてしまいましたの 伏籠の中にいれておいたのに」
といかにも残念そうである。
父親は親王でありながら 母親を亡くし祖母に引き取られて 都の北山でひっそりと暮らす若紫。
人目を惹く美しい容貌ながら なかなか勝気で活動的な性格らしく
祖母に お付きの女の子が雀を逃がしてしまったと泣いて訴えます。
その様子を たまたま北山に来ていた光源氏が垣間見。
泣いている美しい女児が 思い焦がれている女性にうりふたつなことに驚愕し
この女児を引き取ることを決心します。
思い焦がれている女性とは 父親の帝の后である藤壺。
それもそのはず 若紫の父親と藤壺は兄妹の関係で 若紫は藤壺の姪に当たるのです。
それはそうとこの若紫の部分 有名なくだりで 高校の古典の教科書にも載っていました。
長い長い源氏物語の女主人公の幼き美しい姿を 私たち読者はこの巻で心にきざむことになります。
雀を逃がして追いかけ ひとりの男性と知り合うといえば
この「光る君へ」ドラマのはじめ リンクする場面がありましたね。
いなくなった雀を追って 道長に初めて出会うまひろ。
その初めての出会いを道長は忘れず まひろにその時の情景を描いた扇を贈ります。
扇を抱いて涙ぐむまひろ。
変らぬ道長の愛情を感じ 感無量のまひろ。
初めての出会いから恋をし お互いの思いを確かめ合った でもその恋は成就しなかった
この恋が実っていたらどうなっていただろう どんな人生を送っていただろう
かなわぬ思い 届かぬ夢 しばしまひろは過去の自分に思いを馳せます。
やがてまひろは目覚め 自分の経験を源氏物語に落とし込み
若紫の巻を一気に書き上げます。
思いや夢を物語に昇華させるところは さすが作家ですね。
源氏物語「若紫」に似たストーリーが この大河ドラマの最初に伏線として描かれています。
この伏線をはり まひろの目覚めとして描いた脚本家の大石静さん さすがのひとことです。
さて目覚めを迎えたといえば この方 中宮彰子。
本来なら恋敵の遺児である親王を 引き取り可愛がり
機転を利かせて 女房たちの目を盗み そっとお菓子を親王に渡す彰子。
奥ゆかしくありながらも 優しく子ども好きな性格が読み取れます。
まひろが仕えるようになってから 彰子の自我が少しずつ現れ始めます。
好きな色は緋色ではなく 青色が好きとまひろに打ち明けたり
まひろのもとを訪れたときに お付きの女房を自分の意志で下がらせたりします。
源氏物語の面白さがわからないと 素直にまひろに思いを伝える彰子。
寝殿奥深く 大切に育てられたお姫様育ちの彰子には 人心の機微
ましてや男女の心の綾というものが いまいちわからない様子。
そんな彰子を受け入れ 優しく語り導いていくまひろ。
「殿御はかわゆきもの。帝も殿御です。しっかり帝の眼を見て 思いをご自分の言葉でお伝えください。」
まひろのアドバイスに 次第に彰子の心は温かくほどけていきます。
帝の前では委縮して 頑なな表情 帝の問いに返事もできない彰子。
一方親王の前ではにっこりとほほ笑み お茶目な面を見せる彰子。
どうか帝の前でも 彰子本来の良さが表現できますように・・・
次回に期待です!
画像は全て美術展ナビ「光る君へ」からお借りしました。
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