数年前、大文字山から蹴上方面に下りたことがあった。日向大神宮の階段を下りて、目の前に現れた浄水場のツツジに見とれたのは、GWの最中だった。
京都観光NaviHPをチェックしたら、今年のツツジは遅めのようだったので、一般公開最終日の今日、出かけてみた。例年なら一般公開は4日間だが、今年は京都市水道創設100周年で、7日間(5/5~11)に延長されている。
地下鉄東西線蹴上駅2番出口脇に浄水場通用門があり、ここが一般公開入り口になっている。といっても南側の正門は完全に閉まっているわけではなく、車が入っていた。
門を入ると「京都の水道 蹴上浄水場」パンフレットと、小さなうちわを配っていた。2~3日前ならうちわは大活躍だっただろうが、今日はかなり涼しい。
その斜面のツツジが、この写真。写真で見ると、結構きれいだが、実際は満開を過ぎ、枯れた花が残っていたりして残念。その上、雨に打たれたからか、薬品のためか、茶色に縁取られた白い斑点が多数、花びらに散っている。とりわけ白花は、無残だった。
斜面を横切るように道路がついていて、「低区」「高区」「最高区」などに分かれた配水池を順に巡ることになる。さきのパンフによれば、地形を勘案して給水区が分かれているようだ。
ゆるやかな上り坂は、ときにかなりの坂になる。
あちらこちらにテントの休憩所が設けられ、湯茶も用意されていた。
ベンチではお弁当を広げる方々も。
「第2最高区配水池」休憩所で、ロゴ発見。
テントの北には「レンゲツツジ」「キレンゲツツジ」が植わっていた(写真下)。
朱色のレンゲツツジが分かりやすいが、つぼみの状態がレンゲの花に似ているのだ。山野に自生する最も大きいツツジと解説版にあった。帰宅して調べると、有毒植物らしい。解説に、一言あっても良さそうなものなのに。
花を見ながら上るうち、いつの間にかずいぶん高いところにいる。下に見えるのは、南禅寺だろうか。
急階段を下りる。
「元気な若いときにあちこち行かなあかんな。こんな階段しんどいわ。」と声がする。全く、階段があるなら上りがいい。
しばらく歩くと「つつじのトンネル」表示が。
下から斜面を見上げたとき、 濃いピンクが美しかったのが、このトンネルだと分かった。入り口高さは170cm程度だろうか。私の身長だと、内部も全くかがまず、出口だけ気をつけて約3mのトンネルを通り抜けた。
浅香山浄水場(大阪)も、ツツジが有名だ。なぜ浄水場にツツジ?ネットで調べてわかったのは、ツツジの根は浅く密に張る、ということ。斜面に植栽することで、地すべり防止になるのだろうか。冒頭の大文字登山で一緒に下りた見知らぬ人は、「ツツジは水を浄化する」と言っていたけれど。
与謝野晶子の歌碑。自筆を刻んだ岩にある文字は、書独特の筆運び、配置ゆえに読みづらい。
向こうに広がる風景を見ながら、坂道を下りる。新緑の中にぽつんとレンガ造りの建物。
浄水場で配布されたうちわ裏面には、100周年のロゴがある。そういえば地下鉄車両ドアにも、ステッカーが貼られていた。