というわけで、
博多港に向かうバスに乗り込みました。
このバスの中には、
もちろん、大の海上自衛隊・海軍好きが集結しているわけですから、
バスの中ではあちこちから、
熱い想いを語るオジサン(orおじいさん)の話声が聞こえてきました。
もちろん、ほとんどが毎年この洋上慰霊式に参加されている方のようで、
あちこちから、
「ほら、去年はいせが来たよな!」
と、「いせ」「いせ」と聞こえてきていて、
私は話に混ぜてもらいたくてうずうずしていました(笑)
で、うずうずしているうちに、
博多港に到着し、バスを降りると…
いたぁ
今回乗せて頂く、掃海母艦うらがです
でかい
この前、佐世保で掃海艇の一般公開に行った時に、
今度は掃海母艦に乗りたいなぁ~と思っていたのですが…
またしても、こんなに早々に叶ってしまいました(笑)
にしても、思ったよりだいぶでかいですね。
甲板の位置も高いし。
でかい、と思ったら5000トン以上あるんですね。
乗艦すると、通路も広くて、練習艦かしまを思い出しました。
いろんな作業があるので、広くなっているんでしょうね。
まぁ、それにしても、この1年…1年で結構いろんな艦艇に乗りましたねぇ…しみじみ
2DDH、潜水艦、ゆき型、多用途支援艦、きり型、練習艦、つき型、イージス艦、掃海艇、ミサイル艇
そして今回は、掃海母艦。
乗った種類だけなら、現役の海上自衛官に勝てるんじゃないかと(笑)
しかも、3つは動いてますからね~。
1年で3回の体験航海、かつ2回は洋上慰霊式。
どうですかこれ
ところでこの掃海母艦うらがは、掃海母艦の1番艦(つっても2隻しかないけども)
ですが、
もう1隻のぶんごとは大きな違いがあります。
それは、武器を搭載していないことです。
ぶんごには速射砲がありますが、うらがにはありません…
なんで???なんでですか?(←雷蔵さ~ん)
ってことで、武器を搭載していない艦には、初めて乗りました。
さて、乗艦しましたら、もちろん私がすぐに行ったのは、
そう、艦橋です。
入出航時は絶対に艦橋にいる、でなければ、動く艦に乗っている意味がないじゃん、
と思うのです。
やっぱ、出航喇叭も艦橋で聞きたいしね~。
きっと込むだろうからその前に、と思って艦橋に行ったら、
まだほとんど民間人なし。
なので、しばらくウロウロすることに。
実は、うらがには顔見知りの方が数名いらっしゃいまして~。
その人達がいるかな~?と思っていたら、
存外すぐに見つかりました(笑)
知人アルファは、イケメン海士くん
初めて会った時に、
「何の艦に乗っているの?」
と聞いたら
「掃海母艦うらがです。日本で唯一の実戦部隊です!」
と、力強く答えた様子がとても印象的でした。
掃海母艦に乗っていること、そこでの仕事を心から誇りに思っていることが、
まっすぐに伝わってきました。
素晴らしいです
彼と話をしていると、優しそうなおじさん…失礼、海曹さんが来られて、
「お知り合いですか?私、コイツ等をまとめておりますので、
なんかありましたら何なりと仰ってください」
と声をかけてくださいました…んっ?ってことは、
「先任伍長さんですか」
「はい、そうです」
おっと、失礼しました~。
「あっ、先任伍長さんのメダルですよね、それ!」
「そうです」
せっかくなので、名刺を出すと、
「あっ、名刺・・・!ちょっと取ってきます!」
しばらくして、息を切らしながら戻って来られた先任伍長さん。
名刺を交換すると、
「せっかくですから、これ、乗艦記念にどうぞ」
と、
コチラをくださいました
わぁい
「…先任伍長というと、やっぱりあれですよね。亡国のイージス」
「あ、仙石さんですね」
「ですね。…あんな先任伍長って…どうなんですか?!」
「昔は、実際に使えるかどうかは別として、艦全体のことを把握していた人はいたようです」
「そうなんですか?」
「ええ。仙石さんはいろんな機器を使いこなしていましたが、あれはさすがに(笑)
ただ、一応いろんなことを知ってはいました。
ですが、もっと艦の構造を一番知っていたのは、昔は給養員でした」
「えっ?どうしてですか?」
「戦闘中に、おにぎりを各員に運ばないといけなかったからですね。
どこを通れば早いか、どこかが通れなくなるとどこを通れば行けるか、とか」
「あ~!なるほど~!!」
こんなお話を聞かせて頂きました。
ありがとうございます
そうしていると、
知人ブラボーさんとお会いしました(笑)
こちらはベテランの海曹さんで、
制服姿を初めて見ましたが、
やっぱり、艦上で制服着てると…カッコイイですね
いや~、ズルイっ、ズルイよ、海自(笑)
こちらは、艦橋にいらっしゃるとのことで
「ってことは、2分隊ですね?」
「…そうです。もう一人(知人チャーリー)は、
5分隊ですので格納庫にいます」(←これで通じると思われた。わかるけど)
まぁ、なんかいろいろお久しぶりですね~的な話をして、
しばらくして知人ブラボーはお仕事にもどられました。
せっかくなので、外に出て、一緒に来た*とみちゃんに、
とりあえず、旗の説明などしておりました。
ちなみにこの時は、まだ式典から艦長が戻られていないので、
艦長不在旗が揚がっていました。
そうこうしているうちに、外はものすごく暑いので、
艦橋の中に戻りました。
まだ人は少ない。
今のうちにベストポジションをキープしておかないと…。
と、思って隊司令の席を見ると、民間人のおっさんがえらそうに座っている。
なに様だ、テメ―
と思いつつ、
ココから先は入っちゃダメよ、のロープギリギリのところの方が
実はおいしいかもしれないと思い、そちらに目をやると、
カメラを持って構えている方が。
ちょっとだけ悩んで、
「あのぅ、すみません~。ココにちょっと入れて頂いてもよろしいですかぁ?」
とずうずうしくも横入りを申し出てみた…ら、
「いいですよ。男性ならお断りですが、女性なら(笑)」
と気さくにOKしてくださいましたぁ
お礼を言い、ふとみると、その方の頭には、
「いせ」の識別帽が
「それは、いせですよね」
ここから、もう、話が盛り上がって、
おかげで楽しく、出航までの時間を過ごすことができました。
海自話を熱く語り合っていると、
艦橋に乗員の方たちが集まりはじめ、ちょっとづつ艦橋の人口密度が上昇。
ほどなく、艦長もご帰艦され艦橋にお越しになりました。
うらがの艦長は、高木征教二等海佐です。
隊司令のお席で写真を撮っていらしたご夫婦に、ちょっと嫌味を言ったあと(笑)
いろいろお話しているうちにやはりそこは海自ファン同士、
うちとけてアレコレ話している時に、奥様が、
「あちらは艦長さんの席なんですね?どうしてツートンカラーなんですか?」
と質問されたので、
「あ、艦長って二等海佐、昔で言う中佐からなれるのですが、二等海佐の方が艦長の場合は、
赤と青のツートンカラーなんです。一等海佐、昔の大佐が艦長の場合は赤一色です」
とえっらそうにお答えさせて頂きました(笑)
まぁ、でもあの赤青のツートンは、見慣れないとなんか変な感じするよね(笑)
ってことで、艦橋です。
一番奥に、かなり拡大しないと分からないと思いますが、
艦長がいらっしゃいます。
やはり、サングラスをかけておいでです
場所を譲ってくださった方とも言っていたのですが、
なんですかね?サングラスって、艦長特権なのかな(笑)
ちなみに、高木艦長はとっても笑顔が…失礼ながらカワイイ感じの方です
人懐っこい感じの親しみやすい笑顔の素敵な艦長さんです
…しかし、この時の艦橋ウォッチングで、私の…いや、
艦橋にいた女性たちの視線を総なめしていたであろうお人がいらっしゃいました。
それは…
艦橋でただ一人、第一種夏服をお召しの副長さん
いや~、副長、それは反則ですって…。
すらっとした長身で、いかにも海の男といった感じの日焼けした精悍なお顔、
テキパキと、厳しく無駄なく部下たちに指示をだすその姿に、
もう、メロメロです(笑)
やはり、仕事している男性の姿っていいですね
もうね、ほんっとに、目が離せなかったよ、私は。
指示を出す時は厳しいのに、
民間人が横から(くっだらない)質問をすると、
ちょっと声が優しくなって、笑顔でお答えの姿に、もう再度メロメロ
いやぁ、ひさびさにキュンキュンしました。
第一種夏服…つまりあの白詰襟で艦橋にいて海を見つめる姿は、
まさしく連合艦隊って感じです…(涙)
ほらっ
ちょっと、もう…私、ホントにわがまま言って来てよかったよ~
ってことで、ベストポジションをキープするために、
かれこれ1時間半くらい艦橋にいた私ですが、
この日の乗艦者の皆さま方は、ど素人が多かったのか、
艦橋に上がってきた方は少なかったですね。
いや~、素人が多くてよかったわ。
と思いながら、副長を見つめたり、
甲板での作業をみたりして、今か今かと出航喇叭を待ちます。
ラッパを手にしてからが、結構長かった…。
出航ラッパと出航用意は、動画での撮影をと、スタンバっておりました。
ちなみに、私が今回、
艦橋で絶対に聞こう!!
と意気込んできたのが、出航喇叭と「出航用意」と、
航海長の
「いただきます」(笑)
これよこれ、これがききたかったんです
いろいろ、耳をそばだてていると、
航海長が、
「いただきます」
と言ったのを聞きました~
わ~い
よし、目的1つクリア。
あとは、出航喇叭と「出航用意」を待つだけ。
待ちながら、
舫い作業なんかを眺めますと、
はた、と思ったのが、なんかやけに視界が広いってこと。
ほら。
「あっ!!!そうか、アスロックがないからだ!!」
はるゆきに乗った時は、アスロックがあったので、
ここまで甲板の様子が見えなかったから。
そ~か~、武器がないってこういうことかぁと、しみじみ。
それで、もう1つ気になっていたのが、
艦橋でちょいちょいお見かけした士官で、名札に
「敷設長」と書いてあった方。
たぶんだけど、護衛艦ではお見かけしない「長」ではないかと…。
これって、護衛艦⇒砲雷長 掃海母艦⇒敷設長なのかな?と予想。
いろいろ聞きたかったんですけど、皆さんお忙しそうだったので…。
あと、大抵、副長って何かの長(船務長とか砲雷長とか)と兼務されるのが常ですが、
こちらの副長はたぶんだけど、副長だけっぽい(←ふゆづきの副長がそうです)
艦長と同じ二佐だから?(←ふゆづきがそうです。他にもあるけどとりあえず)
ちなみに、某ゆき型のイケメン元副長さんから伺ったのですが、
副長⇒XO 艦長⇒CO なんだそうです。
艦長のCOは「Commanding Officer」の略だとすぐわかったんだけど、
XOのXって、なんなんだ?と思って調べてみたら、
「executive officer」…なんで、ECじゃないんだろう???(笑)
あ、でもこれだと、イーコマースみたいで、ちょっとイヤだなぁ。
閑話休題。
だけど、この出航準備の風景を見つつ、思った。
私が艦艇が好きな理由が。
もちろん、キレイとかそういうのもあるけど、
なにより、艦を動かす、というただ1つのことに、
たくさんの人が、神経を研ぎ澄ませて、細心の注意を払って
各員が自らの職務に集中して取り組んでいる様子が好きなんだなぁ、と。
だから、その空気を全身で感じられる艦橋が好き。
注意深く進路を取り、全員で息を合わせるように、
指示を伝達する様子が好き。
甲板上では、皆が1つになって舫い作業をしているところが好き。
各員が、それぞれに艦を動かすために、
1つになっている、あの感じが大好き。
艦っていいなぁ…
そう思いながら、海をみていると、
海士くんがラッパを手にしました。
私を含む数人からカメラが向けられています。
さぞかし、緊張するだろうなぁ…かわいそうに。
でも、やめないけど(笑)
動画で狙います。
ゆっくりと、艦が岸壁から離れはじめました。
そして…
喇叭が鳴り響き、
「出航用意!!」
いよいよ、洋上です。