詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

計量

2014年10月06日 | 
夢の中で
前髪を切っていた
自転車に乗りながら
帽子をかぶったまま
はみ出す前髪を
前髪の破片が
つぎつぎ目に刺さり
夜道を向かい風を受けて
走る自転車を漕ぐ
私の足が踏む
ペダルがひっかかって
しようもない

明け方に
カサカサコトンと音がして
ポストに朝刊が差し入れられる
暗がりの中でそこだけぼんやりと明るい
はだしでひたひたとフローリングを辿り
下から新聞を引きずり出す
バサリ
廊下はまた闇に沈む

振り返ると白っぽいほこりのようなものが
ベランダのほうからこぼれたミルクのように
忍び入っていた

思い浮かべる映像の
どこまでが本当の夢だったのか
もう思い出せない

昨日、帽子をかぶって
自転車に乗って買い物に出掛けた
帽子でおさえつけられた前髪が目に入り
何度も手で脇によせるのに手間取った

今思い出す映像の
どこまでが昨日の出来事で
どこまでが今朝見た夢の細部なのか
もう見分けがつかない

蛍光灯をつけて
布団の上で
新聞紙を広げる
伸び縮みがとまらない
狂った縮尺が散らばる
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