詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

交差点

2014年10月17日 | 
左側に傾いて
わたしたちは
運ばれていく
じっと座って
声も出さずに

何事かに身を
委ねていたり
自分の裏側を
見に行く等し
互いを知らず

違う矢印を経
一瞬束ねられ
別の方向へと
また飛び散る
その束の間も

四角く刳り貫いた窓がならんで
高架を走る電車の窓外の景色は
通路を通り過ぎて向こう側へと
出ていくほど浸透していること
わたしたちはほとんど外にいる

この一人はずっと前を見ている

大きな風の手のひらで
猫の背中のように撫ぜていきたい
毛足の長い緑の稲穂のカーペット
畦道をインドの修行僧のような姿が
前のめりに足早に歩いていくのが
米粒のように小さく見える
ゴッホの描いた糸杉のように
厳しく立ち向かっている
その鋭利な意志を
焔のようにこの胸にうつせたら
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