足元から突き上げられるような振動があると
機内誌をめくっていた手がとまり
思わず窓の外に目を遣る
翼がバタバタと揺れている
自分の顔が
不安げに外を見ている
それを小さく閉じ込めている窓
その窓がいくつも並んでいる小さな飛行機
乱気流に揉まれている
天上から吊り下げる命綱もなしで
遠ざかると雲の中に隠れて見えなくなった
胸が乱高下して
飛行機を墜落させてしまいそうで
慌てて機内の自分の席に戻った
空想の雲の上に
仮置きされた床を踏み締め
まるで仮想現実のような
わたしたちの現実を思う
きっと見慣れた本や人や景色に囲まれ
今日も明日もあさっても
同じ毎日
と思う日々がバーチャルで
白い雲の中にぽつりと浮ぶ
信じられないほど心許ない在り様が
現実のわたしたちの姿
でもここでこそ
雲を抜けて
窓の外は光っている海が
丸みのわかる水平線まで見渡せる
輪郭が削がれて震えている自分を見つけられる
人へと向かうシナプスが果てまでひろがっていく
機内誌をめくっていた手がとまり
思わず窓の外に目を遣る
翼がバタバタと揺れている
自分の顔が
不安げに外を見ている
それを小さく閉じ込めている窓
その窓がいくつも並んでいる小さな飛行機
乱気流に揉まれている
天上から吊り下げる命綱もなしで
遠ざかると雲の中に隠れて見えなくなった
胸が乱高下して
飛行機を墜落させてしまいそうで
慌てて機内の自分の席に戻った
空想の雲の上に
仮置きされた床を踏み締め
まるで仮想現実のような
わたしたちの現実を思う
きっと見慣れた本や人や景色に囲まれ
今日も明日もあさっても
同じ毎日
と思う日々がバーチャルで
白い雲の中にぽつりと浮ぶ
信じられないほど心許ない在り様が
現実のわたしたちの姿
でもここでこそ
雲を抜けて
窓の外は光っている海が
丸みのわかる水平線まで見渡せる
輪郭が削がれて震えている自分を見つけられる
人へと向かうシナプスが果てまでひろがっていく