地下鉄では駅から駅へと運ばれながら
人と時のあわいに
貝のように剥き身になる
近すぎる距離には明るすぎて
つり革に絡まり
青白い炎を窓に並べて
目をつむれば海がある
わたしはことこと揺れている
わたしの降りない駅で降りていく人たち
発車してホームが後退すると
電車をのんびり歩いて追いかけている
さようなら
心の中で誰にともなく手を振ってみる
改札を出たら階段を上り
右に左に折れていくひとりひとり
いろんな行き先があるのだろうな
糸で結んで少しだけ追いかけて
力を抜いてぜんぶ手放すと
夢想が散った
ペースを守って海藻をいただいて
水門に寄せる声紋を聴いている
楽譜には海の生物が溢れている
音楽は海のように
わがままになれる広がりを飾るものだから
耽りたい水と戯れたい水を
淀みなく巡らせる
じぶんでは決して見えない場所に
美しい模様を寄せている
そのように思いたい
と思っていると
地下鉄はいつのまにか夜を飛んでいて
車窓の闇の広がりの奥
こぼれた真珠がいくつも光っていた
地上に出ればあと数駅で終点になる
人と時のあわいに
貝のように剥き身になる
近すぎる距離には明るすぎて
つり革に絡まり
青白い炎を窓に並べて
目をつむれば海がある
わたしはことこと揺れている
わたしの降りない駅で降りていく人たち
発車してホームが後退すると
電車をのんびり歩いて追いかけている
さようなら
心の中で誰にともなく手を振ってみる
改札を出たら階段を上り
右に左に折れていくひとりひとり
いろんな行き先があるのだろうな
糸で結んで少しだけ追いかけて
力を抜いてぜんぶ手放すと
夢想が散った
ペースを守って海藻をいただいて
水門に寄せる声紋を聴いている
楽譜には海の生物が溢れている
音楽は海のように
わがままになれる広がりを飾るものだから
耽りたい水と戯れたい水を
淀みなく巡らせる
じぶんでは決して見えない場所に
美しい模様を寄せている
そのように思いたい
と思っていると
地下鉄はいつのまにか夜を飛んでいて
車窓の闇の広がりの奥
こぼれた真珠がいくつも光っていた
地上に出ればあと数駅で終点になる
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