冷たい手
2016年03月12日 | 詩
とても冷たい帰り道を
ゆっくり歩いた
遠くいつもと違うあかりの間
路地の先の先の、その先
十字路の先の先の、その先
ずっと闇の深く落ち着く
このひろがりを
満しているのはわたしのようでわたしでない
わたしとわたしでないものがこの先で
溶け合っている
暗がりの陰影は折り目正しく
ゆるやかに秘密を守る
手袋をぬいで
歩きながら一心に読んだ
顔をあげるとため息が出た
再び手袋をはめてももう
手がぎゅうっと凝縮するように痛かった
それほどに冷えていた手と
わたしの全部がその一点に集まって
こんなにも感じているということが
あなたがほしい
突然、与えられた使命のように
突然、とても美しくて
思わず立ちどまった
この手から始まっている夜が生きている
その呼吸を知りたい
あたりを見回した
通りの向こうはひっそりと神社
いにしえの睦言を
声にならない声に編み込んでいる
千年の怨念も冴え冴えと澄みわたり
わたしも聞こえない響きとなって
ひろがりゆく
ゆっくり歩いた
遠くいつもと違うあかりの間
路地の先の先の、その先
十字路の先の先の、その先
ずっと闇の深く落ち着く
このひろがりを
満しているのはわたしのようでわたしでない
わたしとわたしでないものがこの先で
溶け合っている
暗がりの陰影は折り目正しく
ゆるやかに秘密を守る
手袋をぬいで
歩きながら一心に読んだ
顔をあげるとため息が出た
再び手袋をはめてももう
手がぎゅうっと凝縮するように痛かった
それほどに冷えていた手と
わたしの全部がその一点に集まって
こんなにも感じているということが
あなたがほしい
突然、与えられた使命のように
突然、とても美しくて
思わず立ちどまった
この手から始まっている夜が生きている
その呼吸を知りたい
あたりを見回した
通りの向こうはひっそりと神社
いにしえの睦言を
声にならない声に編み込んでいる
千年の怨念も冴え冴えと澄みわたり
わたしも聞こえない響きとなって
ひろがりゆく
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