それは9月16日の事であった。この日はまだまだ残暑も残るが、その中にもふと秋風を感じられる、そんな日(・・・?)。仕事で池袋の駅前をモケモケと歩いていたみすきは女性の声に呼び止められた。
「あの~、ちょっとよろしいですか?」
あれれ・・・今、みすきの周りに人はいないし、それじゃあもしかして自分かな・・・ああ、そうか、たぶん何かの勧誘だろう・・・勧誘されても何も買わないし、そんな金はないぞ!でも街頭アンケートなら図書券がもらえるかも・・・あ、宗教の勧誘だったらイヤだな・・・「あなたの血をキレイにさせて下さい」なんて付き合ってられないからな!・・・いやいや、もしかして昼間から「逆ナンパ?」ど、どうしよう!ワクワク(笑)・・・などと、どうしようもない事を一瞬の間に巡らせつつ、後ろを振り向くと、唐突にマイクが向けられた。
そのマイクの向け方と言ったら・・・よくワイドショーで芸能人とかが、マイクを何本も口元に向けられているのを見るが、たぶんその時の気持ちはこんな感じなんだろうな・・・とも思えるスムーズさと、向けられた相手に対して、これは容易には断れないぞ・・・と思わせる迫力を兼ね備えていた。
その迫力と、マイクを持つ女性に圧倒されつつも話を聞いてみると、どうやら勧誘の類ではなくいわゆる「街角インタビュー」なのだそうだ。
そう言われてみると、なるほど隣で男性がカメラを回しているし、これはどう見ても「勧誘」よりは「撮影」だろう。
その「街角インタビュー」。昔は「ヒゲ剃り」が有名だったが、今日はその「靴クリーム版」を撮りたいとの事。そしてそのための「汚い靴を履いている男性」を探していたのだそうだ。
ちょうど2日ばかり前に「そろそろ靴を磨いておかないとなあ・・・」と思っていたみすきの靴は、靴クリームの街頭インタビューにピッタリの汚れ方だそうなのだ・・・。
この池袋の駅前を行き交うたくさんの人たちの中から、その基準で見付けられてもあまり嬉しくはないのだが、次の仕事まで時間もあるし、せっかくなのでそのインタビューを受ける事にした。
「出演料代わりに、この商品を一つ差し上げます」とも言うので、どんな事を聞かれるのかな・・・と構えていたところ・・・
インタビューの女性(以下 女)「この商品を知ってますか?」
みすき(以下 み)「なんか・・・聞いた事あるような・・・」(ホントは聞いた事もない!)
女「使った事はありますか?」
み「いいえ、ありません」(商品あまり知らない位だから、使った事ないの当たり前ジャン!)
女「使ってみたいと思いますか?」
み「ええ、ぜひ使ってみたいですね♪」(この流れで「いらない」とは言えないでしょう)
するとその女性は、またまたおもむろにその場に屈み込み、みすきの靴にクリームを塗り始めた。片手でスポンジを持ち靴を磨いていて、もう片方の手にはマイクが相変わらず握られ、靴を磨いている状態でもマイクの先はみすきに向き、女性は「いかがですか?」と聞いてくるので「はあ、キレイになるモンですね~」(でも実際キレイになっていて、靴のキズも消えていた)と答えた。
それから「撥水」の具合を見るためコップの水をその靴にかける・・・おお!なかなか水をはじくじゃないか。これは・・・悪くないぞ♪と思い始めたところでインタビューは終了。最後にそのクリームで磨き終わった靴を、9月の残暑の陽に写しながら30秒ほど足下の静止画像を撮っていた。
これで撮影は終了。
突然の事だったので、みすきは素人丸出し。写真のように半分眠そうな顔をしながらインタビューを受けていた。上記のやりとりも、今考えるとまるで棒読み・・・思わず「TAKE-2」を求めたい気分である。
当初の話通り、ギャラ代わりに商品を受け取ったが肝心な事を聞くのを忘れていたので「これは何かのCMですか?」・・・もしかしてヒゲ剃りのCMの様にキー局で頻繁に放映されるのか・・・と思いきや「ショップチャンネル用のCMです」との事。
なるほど、24時間通販番組の、あのチャンネルか!う~~ん、なんか照れる。
こうして、あっという間に、みすきの唐突な「CMデビュー」は撮影を終えたのである・・・でも、あのド素人振りは・・・あまり見せたくないなあ・・・と思うみすきでした。
「あの~、ちょっとよろしいですか?」
あれれ・・・今、みすきの周りに人はいないし、それじゃあもしかして自分かな・・・ああ、そうか、たぶん何かの勧誘だろう・・・勧誘されても何も買わないし、そんな金はないぞ!でも街頭アンケートなら図書券がもらえるかも・・・あ、宗教の勧誘だったらイヤだな・・・「あなたの血をキレイにさせて下さい」なんて付き合ってられないからな!・・・いやいや、もしかして昼間から「逆ナンパ?」ど、どうしよう!ワクワク(笑)・・・などと、どうしようもない事を一瞬の間に巡らせつつ、後ろを振り向くと、唐突にマイクが向けられた。
そのマイクの向け方と言ったら・・・よくワイドショーで芸能人とかが、マイクを何本も口元に向けられているのを見るが、たぶんその時の気持ちはこんな感じなんだろうな・・・とも思えるスムーズさと、向けられた相手に対して、これは容易には断れないぞ・・・と思わせる迫力を兼ね備えていた。
その迫力と、マイクを持つ女性に圧倒されつつも話を聞いてみると、どうやら勧誘の類ではなくいわゆる「街角インタビュー」なのだそうだ。
そう言われてみると、なるほど隣で男性がカメラを回しているし、これはどう見ても「勧誘」よりは「撮影」だろう。
その「街角インタビュー」。昔は「ヒゲ剃り」が有名だったが、今日はその「靴クリーム版」を撮りたいとの事。そしてそのための「汚い靴を履いている男性」を探していたのだそうだ。
ちょうど2日ばかり前に「そろそろ靴を磨いておかないとなあ・・・」と思っていたみすきの靴は、靴クリームの街頭インタビューにピッタリの汚れ方だそうなのだ・・・。
この池袋の駅前を行き交うたくさんの人たちの中から、その基準で見付けられてもあまり嬉しくはないのだが、次の仕事まで時間もあるし、せっかくなのでそのインタビューを受ける事にした。
「出演料代わりに、この商品を一つ差し上げます」とも言うので、どんな事を聞かれるのかな・・・と構えていたところ・・・
インタビューの女性(以下 女)「この商品を知ってますか?」
みすき(以下 み)「なんか・・・聞いた事あるような・・・」(ホントは聞いた事もない!)
女「使った事はありますか?」
み「いいえ、ありません」(商品あまり知らない位だから、使った事ないの当たり前ジャン!)
女「使ってみたいと思いますか?」
み「ええ、ぜひ使ってみたいですね♪」(この流れで「いらない」とは言えないでしょう)
するとその女性は、またまたおもむろにその場に屈み込み、みすきの靴にクリームを塗り始めた。片手でスポンジを持ち靴を磨いていて、もう片方の手にはマイクが相変わらず握られ、靴を磨いている状態でもマイクの先はみすきに向き、女性は「いかがですか?」と聞いてくるので「はあ、キレイになるモンですね~」(でも実際キレイになっていて、靴のキズも消えていた)と答えた。
それから「撥水」の具合を見るためコップの水をその靴にかける・・・おお!なかなか水をはじくじゃないか。これは・・・悪くないぞ♪と思い始めたところでインタビューは終了。最後にそのクリームで磨き終わった靴を、9月の残暑の陽に写しながら30秒ほど足下の静止画像を撮っていた。
これで撮影は終了。
突然の事だったので、みすきは素人丸出し。写真のように半分眠そうな顔をしながらインタビューを受けていた。上記のやりとりも、今考えるとまるで棒読み・・・思わず「TAKE-2」を求めたい気分である。
当初の話通り、ギャラ代わりに商品を受け取ったが肝心な事を聞くのを忘れていたので「これは何かのCMですか?」・・・もしかしてヒゲ剃りのCMの様にキー局で頻繁に放映されるのか・・・と思いきや「ショップチャンネル用のCMです」との事。
なるほど、24時間通販番組の、あのチャンネルか!う~~ん、なんか照れる。
こうして、あっという間に、みすきの唐突な「CMデビュー」は撮影を終えたのである・・・でも、あのド素人振りは・・・あまり見せたくないなあ・・・と思うみすきでした。