走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

子供の声

2015年04月19日 | 仕事
前回書いた母息子の息子が新患としてやってきた。学校で問題を起こしていると。

母親は随分落ち着いたようだ。前回のように感情的になることはない。

息子のダニエルは小学校一年生。授業中に落ち着きがなく、課題をこなさないので居残りを命ぜられる。腕組みをして取り組もうとせず、先生が声をかけるとクレヨンの箱を壁に向かって投げつけた。

家では問題的な行動はないのになぜ学校では、、、、と母親は首をかしげる。それに学校の送り向かいで毎日のように母親はしばらくの間居残りをしなければならない。ダニエルが母親を離そうとしないから。

自分の息子と重なる。彼もそうだった。ADHD?と言いたくなるがそれは早とちりというもの。子供の診断は簡単ではない。それにダニエルは便秘やアトピーもある。身体的な症状をコントロールして、その後精神的なことや行動的なことを観察していかなければ。

どうして学校で母親にしがみつくの?と聞くと、

ママが心配だから
ママが迎えに来てくれないかもしれないから

母親が暴力を受けるのを見ながら育ったダニエル。離婚後父親とは会っていない。

子供は子供なりに考え、それなりに想いを行動に表す。

長~い付き合いになりそうだ。




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