走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

もったいないお言葉

2015年04月18日 | 仕事
昨夜は遅くまで地区の医師とNPとゴルフクラブで夕食会だった。最近出席していないからと参加した。

会場で声をかけられ即興で患者の話をすることに。先週の出来事はいいことだから他とシェアするべきだと。え?良い話?そうかなあと思いながら話した。

それはマイクとのこと。マイクの以前の記事はこちら

マイクはあれから2度入院している。両方とも膝の関節炎から敗血症。10日前に退院している。膝は2ヶ月後に再感染していなければ手術をすることになっている。膝に体重をかけることは許されず、膝をサポートするブレースを付けて車椅子生活。痛み止めが切れて困っていると。

問診、診察、入院中の記録を読み、薬剤師に処方箋薬の悪用がないか処方歴を確認。痛み止めのためにヘロインを使っていたので夏からは使っていないという。
怪しいところはどこにもない。彼は未だにホームレス。入院前にいた家は車椅子では出入りが大変で次が見つかるまでシェルターにいることにしたと。

んんん~ならば一週間ごとの処方が一番。それを話すとすんなり納得。NPはまだ麻薬の処方が出来いないので、私をサポートしてくれる医師にメッセージを電子カルテを通して送る。患者は処方箋がもらえた。

私をサポートする医師は下調べと準備をした私のおかげでスムーズに患者のケアが行えたと感謝する。前にも書いたがこの2日間で似たような患者が彼を含めて4人きた。その中で麻薬処方箋をサポート医師にリクエストしたのは彼一人。他の患者のことを書いた記事はこちら。処方薬の悪用防止のスクリーニングはとても時間がかかる作業。

会が終わってから他の用事で主催者と話をしていた。とても良い話を聞かせてもらったわと彼女からも感謝されたが、私はまだそんなに良い話なのかねーと疑問視。彼女からもそばに立っていた人からも、

ミカはいつも謙虚で誰に対しても敬意を払っている態度が伝わるのよ。それから仕事を頑張っているってすぐ分かるの。そういう人がチームの一員としていてくれることを私たちは本当に嬉しいのよ。私たちがそう感じていることをちゃんと知っていてねと、お褒めの言葉をもらってしまった。

何処かで誰かがちゃんと観ていてくれる。いい仕事場で働かせてもらってるわーと感謝の夜でした。



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