走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

息の長い働き方

2023年03月30日 | 仕事
田村さんのセッションで筑井さんも、儀宝さんも、私も質問や意見した働き方について書きます。


なかなか休みが取れない、先月から休みをとっていない


これら全て赤信号だと私は受け取ります。これは田村さんだけではなく、医師にも多い言葉。もちろん企業のオーナーやブラックと呼ばれる企業で働く方にも多い。カナダの医師だって同じです。でもカナダでは積極的に働き方改革を進めて、現に状況は確実に変わってきています。


私の働く地域のAPNは?看護師時代は厚く労働組合によって守られていましたから、超過勤務には報酬がしっかりついている。超過勤務は強制ではなく断る権利があり、断っても誰もそれを咎めることはできない。そんな環境で働いてきた看護師たちがAPNになる。


正直言います。社会に必要とされる仕事、人に重要視される、頼りにされると言うのはとても気持ちの良いことで、妙な使命感も生まれます。私はNPになり自分の患者を持ち、患者を共有してケアするチームメイトもいないので、1人でケアをしていかなければなりません。責任もあります。患者の病状の変化は平日や日中も待ってくれません。よってNPになりたての頃は働きすぎがありました。しかしそれは長くは続かず、時間内にできることに集中し、自分が長く働くことより、組織的にどうすれば患者のケアがコンプラマイズされずに提供できるか?システム的な取り掛かりをしてグレーな部分を明確化させ、自分の心の切り替えもするようになりました。


人間の腕は2本、頭は一個、時間は124時間。やれることには限りがあり、自分の健康管理は自分でしかできない。自分が倒れたら職場は別のNPを連れてくるだろうけど、私の家族や自分にとって自分の代わりはいない。これを呪文のように言い聞かせるようになりました。


後輩の育成は重要です。せっかく築いたケアシステムを一代で終わらせるのは残念ですから、自分の意思を受け継ぐことのできる知識と使命感を持ったNPを育てます。実習を受け入れ、オリエンテーションもレジデンシーNPも受け入れます。NPの育成に力を入れているので、看護学部から授業の依頼や実習の受入を申し込まれても断ります。実際、私が退職したらポジションに就きたいと言ってくれているNPが既にいます。育てた甲斐があったと思います。


息の長い活動をしようと思うなら、無理をせず、労基の中で働き方を工夫をする。それも腕の見せ所です。自分の命を大切にしましょう。



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