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さあ、またシンポの感想に戻っていきます。今日は筑井さんの講演を聞いて。
脳外科系のNPを夢見ていた彼女がモンゴルNP計画のもと過疎地域医療に関わっていく過程をどう思われましたか?
以前にも書きましたがカナダのNPの勤務先の内訳はこちら。2018年と5年前のブログですが、今もあまり変化はありません。それも急性期病院で働くNPのほとんどがPath care unit(急性期をすぎたが退院先がない患者が集まる)。外科系なら術前術後のケア。術前は麻酔科で術前診療、術後はそれぞれの科の術後管理、そのほかは血管外科、心不全外来、糖尿病外来、あとはICUあたりです(ICU系は元々十分なICU医師がいない状態があり[募集しても人が来ない]、ICU看護師出身がNPになり戻るケース)。しかしICU NPはBC州では稀です。
日本で医師の真似事と診療看護師のことを揶揄している意見を時に見かけますが、まさにその通り。カナダでは最先端の医師と同じ手技をするためにはNPを育ててはいません。病院では医師が嫌がる仕事をNPがやっている、と言っていいと思います。麻酔科の術前診療、術後管理。外科系の医師はほとんどが手術自体が好きで得意で、その他は、、、の人が多い。心不全もそれ自体は好きだけど、指導しにくい患者はちょっと、、、、の人もいる。私の街の心不全外来は医師1人、NP2人とその他の多種職チームで構成されていて、NPは高齢者や社会環境が複雑な人を診る傾向がある。このように医師とチームを組んで取り掛かっているけれど、手術に入って実際手術をするとか、麻酔をかけるとかではありません。
で、他のNPはプライマリーケアをコミュニティーや老年施設で行う形。よって大学で学ぶのはプライマリーケアです。それもどこへ行っても潰しが効く広く浅い知識と、徹底した診療技術を身に付けます(これはBC州の話)。
講演の中で筑井さんは子供の耳も観れなかったと言っていましたが、腹痛や腰痛、中耳炎や咳などを自信を持って鑑別診断ができるような教育を受けているのがBC州のプライマリーケア系の教育です。
続く