走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

薬物教育の新風

2015年10月26日 | 仕事
知識の伝達が脅しにとられる現代。そして薬物が身近に存在する今。

私たちが教えていかなければならないのは、短絡に薬物は悪いものと教える事ではない。何故と聞かれ、体に悪いからと事実を伝えるだけではない。

子供達が自身にとって薬物がどういう意味をもたらすのか考える力、自信を持って自分の選ぶ道を決められる強い意思力を育てる事だ。自分と言うミクロのレベルから社会全体のマクロまで広く視野に入れ自分の価値観を形成する。

こう言う教育を行ってくことに重点が置かれている。薬物といった時、違法薬ばかりではない。タバコ、お酒、カフェインも含まれている。これらも人間の体にもたらす因子が立派にある薬物だ。なので教育にはそれらも含まれている。

形式はグループで話し合いをする形が主流だ。ここのサイトには学年別のセッションのガイドラインがある。末娘が小学5年生なので、5年生の題材を読んでみた。

砂糖の題材から始まる。砂糖がどこに使われ、どんな目的で使われているのか、から始まり薬物と対比させていく。身近なものから考えていく。娘にも十分できるアクティビティだと思った。

学年が上がるにつれ、題材も複雑なものになっていく。毎年取り組むようになっている。

薬物が体に悪いという事を知らずに使用している私の患者は一人もいない。わかっていてもこれしかなかったんだ、と言う人が多い。

良いか悪いか。薬物は悪いもので社会の隅に追いやられる。悪いものに溺れた人は助けてくれる人もいないと、正悪の観念から孤立してしまう人の方が多い。孤立は薬物使用を悪化させる。

こう言う現実を目の当たりにしている今の仕事。そうだから言える、新しい教育方法に期待を寄せると。



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