走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

辛いって

2015年05月30日 | 仕事
今の仕事をしていて何が辛いって、、、患者が体験した虐待の問診をする時。

興味本意で聞いているのではなく、診断や治療がそれに左右されるから聞かなければならない。

話している本人も思い出したくない過去だろうから辛いだろうと思う。私が最もつらく思うのは、幼少期にそれが当たり前だと我慢していた、とか誰にも相談することができなかったと孤立している子供が存在していたこと、それを再確認する時だ。

今日も14歳の時に家を飛び出し、それ以来友達の家やホームレスをし続けた女性を診察した。

離婚した両親。母親に殴られ、母親の恋人に性的いたずらをし続けられ、父親と一緒に住めば父親にも殴られと、そんな両親間を行ったり来たりした幼少期。

彼女が鬱っぽくなり不安症が強くなるときは、人に裏切られたり、別れを告げられる時。

絶対的な愛をたくさんもらって安定した家庭環境で成長していくのが幼少期と言うもの。その時期に愛をもらえず体と心の痛みに震え、最大限に孤独を感じて育てば、鬱や不安症にもなるでしょう。

初めての恋人にも同様のことをされ、自分はダメなんだと、ふられる度にそう思う。恋人運にもついてないと苦笑する彼女。

まだ20代が始まったばかり。将来について前向きだ。男に頼るのではなく、家を見つけて、仕事を見つけて生きていきたいと言う。鬱や不安症のセラピー、薬物療法にも積極的だ。応援していきたい。



夏日が続き裏庭で過ごすのが気持ち良い時期になりました。

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