走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

子供の未来を守る

2015年05月29日 | 仕事
新患のドンは女の子を連れていた。5歳、幼稚園に通っているが今日はお父さんといるためお休みしたと言っている。

ドンは過去にありとあらゆる薬物の使用者で、今はメサドン メインテナンス プログラムの元、依存性をコントロールしている。

額には汗びっしょり、赤ら顔で、舌が回っていない。あっさり朝からビールを飲んでいたことを認める。親としての責任は?

いつもはもっとたくさん飲むが今日はほんの少しだった、と悪びれもしない。

C型肝炎も持っているドン。お酒は厳禁だ。

俺はまだ生きてるぜ、、、、ってそりゃあ飲んだからすぐ死ぬとかではないが確実に肝臓を痛めている。

念のために他の薬を使用していないか尿検査と思いきや、

さっき行ったばかりだから何も出ない。診察中に水を飲むように言っても飲まなかった。ますます怪しい。

アルコール依存症の可能性が非常に高く、それについて話そうとすると、
俺はバーとかではの飲んでない!C型肝炎があるからそんなに飲めないんだよ。だから依存症じゃない!ヘロインをやめたんだぜ、その代わりに酒ぐらい飲ませてよ、、、と。

それより気になるのは親としての責任だ。一人で泥酔なら自業自得だが子供はどうなるんだ?非常に危険。

いつもはこの子のおばあちゃんが面倒を見ている。週末だけ来るが今日はおばあちゃんに急な仕事が入ったとかで、突然連れてきたんだよ。後で公園でも連れて行って遊ばせるから!母親はね今、刑務所にいるの!!!

・・・・・

MCFD(子供や家族を守る政府の機関)に通報しますからと伝え電話を取る。

どーぞご勝手に!とまあ、開き直りにも程がある。MCFDはケースを開いて調べてくれると。


未来のある子供たちをしっかり守っていかなければ、、、、。



絵 青梅こども未来より http://kodomomirai-ome.com/about.html

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