走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

真剣に対応

2023年08月19日 | 仕事

昨日の彼。巷で有名なやんちゃな方ですが、診察に来る時はいつもニコニコ。私のことを日本語で先生!と呼び、カタコトの日本語を喜んで使うような人です。


私が書類に署名をするのを拒否して、説得もできない、とわかると彼の表情はみるみる変わりました。誰にでも暴力を振るう冷たい彼の側面を垣間見た気になりました。


彼は続けます。


社会から拒否されるとはどんな意味かわかるか?どっちを向いても壁にぶち当たる、先へ進めない意味を


ととても低い声で。殴られるかな、、、と思いました。助けを呼ぶべきかな、とも。


美加だけは分かってくれるといつも思っていたのに、、、



かー!!!落とし文句を知ってますな〜と言いたくなる。この方ジゴロでも有名。

他の人と一緒にしないでちょうだい。ちゃんとした理由があって断っているし、条件が揃えば考えるとも言っている。見てくれとか、ホームレスだから、とかそんな理由で拒絶しているのではない。自分の行動は棚に上げて何を言っているの!!!!と怒鳴りたくなる気持ちをグッと抑えて、こちらも淡々んと感情を交えず伝えます。


彼は自ら部屋を出ていきました。


他の患者にも言われたことがあります。美加の言うことはいつも筋が通っていて腹が立つ。腹が立つけど後からいつも美加は正しいと否が応でも知る。ありがたいと思ってるよ。だからずっと世話になりたいって思う、と。


誰であろうと手は抜かない。利用もしないし利用もされない。対人間として向き合い、真剣に対応しますよ。私はそう言う医療者なんです。


冒頭写真: 20212022年、そして2023年と3年連続の噴火したエリア(噴火口はずつずれている)。しかし今年が一番短期間。写真のように山もできないうちに終了。私たちがヘリコプターで飛んだのが728日。83日には終息。最初ヘリコプターを探していた時最初の2社はすでに満席で810日まで空きがないと言われた。必死に探して小さな会社を発見して28日に飛ぶことができた。こんな偶然もあるもんだ。たまたま旅行期間に噴火が始まり、旅行前半か後半かで飛ぶチャンスがあって、前半を選んだから大パノラマを見ることができた。偶然の偶然。ラッキーだった。



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