走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

真実味のある言葉

2016年10月25日 | 仕事
週末の学会のプレゼンターのスライドも話し口調もユーモアに飛び抜け、楽しいものばかり。

腰痛のセッションの一番初めのスライドが腰に何本ものナイフが突き刺さっている方の写真。

痛みというのは個人が感じているもので私たち治療者はそれを客観的に評価しなければならない。よく使うのが0ー10のスケール。0は全く痛みがない状態で10は今までに感じた事のないような痛み。手が吹っ飛んでなくなった時の痛みぐらい。

で、痛みが主訴で来る人は大概7ー10あたりを言う。私は今と最悪の時と一番良い時の3つ分を聞きますがそれでも、今8です!と言われる事が多い。

プレゼンターは言う。しかし身なりもキチンとして手にはファンシーなラテを持ち、椅子に深々と座り足を組んでいる人から8と言われても説得力に欠ける、と言った時は飲んでいた紅茶を吹き出しそうになった。

そうなんです。客観的に見てどーみたって痛そうな表情も仕草もない人に限って高い数字を言うんです。確かにオーバーに症状を報告する人は大勢います。痛みに関しては特にそれが飛び抜けているようなシニカルな気持ちになります。長い間緩和で働き、どう見ても痛そうなのに痛くないと痛み止めを拒否する人の反対です。

プレゼンターはこの写真のようにナイフがここまで刺さっていたら信じられるんだけど、と。みんな同じ経験をしてるんだ!とニヤニヤしてしまいました。



すっかり秋色


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