人身売買

こちらカナダ政府が作成した啓蒙ビデオ。人身売買についてです。

人身売買と言うとコンテナとか船で人を密航して人を売りつける、奴隷制度のあった頃を考える人がいるかもしれません。しかし実際はそのような組織的な売買の他に個人が行うものがあります。それも恋人や夫婦間で起こります。その近親間による人身売買はカナダの1/3の人身売買を占めるそうです。

で、このビデオでは幸せそうなカップルがいます。次第に男性が女性に知り合いと寝るように強制します。そしてその知り合いにお金を要求する様になる様子です。このような事象の背景には被害者が逃げられない理由(金銭的に自立していない、弱みを握られている、脅されている)などがあります。

我家の末娘は16歳。高校生らしく伸び伸びと育っていますが、いつどこでこのような被害に遭うかもしれない、と思い。このビデオのこと知ってる？と聞くと知っているとあっさり言います。学校で話し合ったと。

え？クラスで？？？

そうだよ。差別の授業をしている時にそこから派生してクラスでディスカッションが始まったよ、と。

うわー凄い。でも男の子もクラスにいるでしょ。恥ずかしくなかった？こんなこと話すの？と聞くと

あのね人身売買に性別は関係ないの。女性が男性に強要することだってあるし、同性間だって起こるんだから！

おおおおお、なんと真っ当な答えをする16歳。授業で一体他にはどんな事を学んでいるの？と聞くと

虐待(身体的、性的、経済的、精神的)
いじめ、サイバーいじめ
いろんな差別や格差
世の中の公平性に関して

と言います。すすすすごい。でも先日の高校のクリニックで男の子に性的行為を強制された生徒がいて、これはアサルト(傷害事件)と言うと、えええええ！と驚かれた。彼女は娘のような知識はないと感じたので、この教育内容は市や州で決められたものではないのでは？と娘に聞くと

この授業の先生って凄く素敵な人で素晴らしい授業ばかりするから、今年昇進して他の学校の教頭先生になっちゃった。どこまで他の学校で教えてるか知らないけど、私たちのクラスはちゃんと学んだよ。元々の授業はカナダの歴史の授業で先住民の学校のことや戦中の日系人の強制収容を学んでて、そこから人身売買まで発展した、と言う。

虐待、いじめ特にサイバーいじめについては州全体で教育を促している。しかし娘の学校ではそれ以上まで生徒主体で自主的に行われている。大変良いことだと思った。こうして早くから教育を始めることで性犯罪や傷害罪が減ると思う。そして公平性に正しい知識を持った人間が育つと思う。上流で予防策を施すと言うのはまさにこう言うことだと思った。

冒頭写真:週末からまたまた大雨で水嵩が増えています。また通行止めの高速が増えました。近所のクリークはまたもや水位が上がり、低地から水をフレーザー川へ送り出すポンプステーションからは凄い水量の水が出ています。ローカルの政府の車が何台も止まっていて雨の中で作業をしていました。ポンプの修理か何かだと思います。ご苦労様です。洪水がこれ以上起こらないように、、、