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症例集 【肩関節周囲炎(いわゆる四十肩・五十肩)のお話】

2015-12-28 17:11:06 | 症例集
中年以降、特に40~50代に発生する肩関節の痛みです。疼痛 「とうつう」(ずきずきする痛み、うずき)と拘縮「こうしゅく」(関節の動きが制限された状態)を伴う総称です。肩関節とその周辺組織に炎症を来すため、炎症を起こしている部位、炎症の程度によりさまざまな症状を起こします。関節を構成する骨、軟骨、靭帯「じんたい」や腱「けん」などが老化して肩関節の周囲組織に炎症が起きることが、主な原因と考えられています。症状と時期によって急性期(疼痛が最も強く現れる)、慢性期(疼痛は軽快しているが運動制限(拘縮)が残っている)、回復期(関節拘縮が改善する)に分類されます。急性期では、炎症の痛みで肩周辺のかなり広い範囲に疼痛を感じます。安静時、特に夜間痛が特徴です。夜間痛は起き上がって座位で腕を下げておくと痛みが軽減することもあります。急性期が過ぎて慢性期になると、安静時痛は消失します。しかし、腕を挙げていく途中で痛みを感じ、肩関節の動きが制限されます。回復期になると運動制限も徐々に改善して、運動時痛も消失します。治療としては痛みが強い急性期には、三角巾、サポーター、テーピング等で安静を図り痛みを感じない肢位をとることが大切です。急性期を過ぎたら、電気療法、温熱療法(ホットパック、入浴等)や運動療法で拘縮予防や筋肉の強化を行います。肩を動かせばいいと思われている方が多いのですが運動療法は炎症症状が治まってから行います。肩関節周囲炎は放置すると日常生活が不自由になるばかりでなく、関節が癒着して動かなくなることもあります。急性期は安静が原則です。無理に動かすと肩周辺の炎症によりはれている組織は摩擦で損傷され、ひどくなると腱板(肩にある筋肉の束で腕を上げたり、ねじったりするときに働く)が損傷することもあります。
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