今月のなら県民だよりに「源九郎ぎつね」の記事。
三大義太夫の「義経千本桜」のお話です。
母の看病で出羽の国に帰っていた佐藤忠信。
母が死に、その後破傷風を患い、ようやく義経の元に戻ってきたのです。
その佐藤忠信に代わって、佐藤忠信の姿に身を変えて、静御前に付き添っていた源九郎狐。
静御前が義経から預かっていた初音の鼓。
実は雨乞いの儀式のため、源九郎狐の両親を狩り、その皮が貼られています。
源九郎狐は両親を慕い、ついてきているのです。
「道行初音旅」で、佐藤忠信に化けた狐の本性の一部が出ますね。
そして「川連法眼館の段」でほんまもんの佐藤忠信がやってきて、彼がとらえられます。
しかし、それと気づいた義経と静。
鼓をたたくと突然佐藤忠信が現れるので、鼓をたたきます。
現れる佐藤忠信に化けた源九郎狐。
突然鼓が鳴らなくなります。本当の忠信に迷惑がかかっている事に両親が怒っているせいだと、帰ろうとします。
しかしその訳を知った義経は自分の生い立ちと重ね合わせ初音の鼓を源九郎狐に与えます。
その鼓と嬉しそうに戯れる源九郎狐の姿が何とも言えないです。