モデリオンのモデのブログ

モデの独り言(寝言・妄想とか)。更新するときはドドッと。しないときはまったくしませんがよろしく。

救いなき映画

2008年05月09日 | 映画
観てきました、映画「クローバーフィールド」

日記タイトルそのままです。この映画は「救いがない」です。いつも通り酷評?と思われたあなた!!そんなことありません。(いつも感想を述べると辛口と言われているけど)
この映画は今年の映画では今のところ1位です!
この映画は正直「怖いです!!」

まあ恐怖のポイントを説明するとしましょう。

1つ目 ハンディカムによる臨場感
この映画はアトラクションムービーです。
全編がハンディカムカメラで撮影された映画です。(ブレア・ウィッチプロジェクトのような撮影法です)
なのであたかも自分がその場にいるかのような臨場感が味わえます。ただし視界がグルングルン回ります。そこらへんもアトラクション!

2つ目 映画のストーリー
簡単に言うとNY(ニューヨークだよ。日本語読めないじゃないよ)に何かが来て、街の人々が逃げる話です。
えぇ、これが全編です。
何もわからず、ただ逃げる!
というパニック映画でもあるんです。
そこで見ている我々は様々なことに襲われますが、この映画の楽しみ方は一切情報を得ずに見ることです。つまり情報を得ると何が起こっているかをはじめから把握していまいますからね。

3つ目 情報の少なさ
この映画を観ていると情報があまりにも少ないんです。ほんとうに。見たモデでさえ憶測でしか語れません。
そう、この映画の恐怖はそこもあるんです。つまり見た後でも「あれは結局なんだったのか?」と考えてしまいます。「アレ」はいったい何のかとわかる人はまったくいません。そこが登場人物たちと一緒なんです。ハンディカメラが登場人物との距離を縮めているだけでなく、そういった「謎」も登場人物たちと同じなのです。
映画終盤主人公がこういいます。「これを見ている人のほうが何が起こったのか詳しいだろう・・・」その言葉ともに見ていた人は現実に返されます。
この「わからない恐怖」というのは現代人にとってかなりの恐怖です。我々は情報に埋もれ生活しています。その情報があるから不安を感じないわけで。
例えば仕事をするにしていてもやり方がわからないのは恐怖ではないでしょうか?物語においてもこういったパニック作品では必ず恐怖の対象の正体(情報)が与えられます。しかしこの映画にはその情報が不鮮明であり、ほとんどわかりません。
実際映画が終わっても席をたてる人はいませんでした。みんなその答えが欲しいために席が立てなかったんじゃないかと思います。
「このエンドロール後にきっとなにかがある」という希望を持っていたのだと思います。しかし待っていたのは暗転と翻訳・戸田奈津子の文字(笑)
こうして見た後見ていた人は放り出されます。これがこの映画の最大の恐怖なんだとモデは思います。
感想を書いている人たちも結構いますが、見た後にツッコミをいれています。ただそんなツッコミは見ているときは気がつかない!それにこの映画に対して突っ込みいれるのは、納得できない部分を補おうという作業でしかないように思える。「ハンディで撮り続けているなんておかしい」というツッコミ自体恐怖に対する抵抗でしかない。


4つめ   冒頭シーン
開始20分間何気ない物語。というよりパーティの映像が流れます。このパーティ場面で登場人物たちの説明やキャラがはっきり判ります。この平和な映像のあとの展開は地獄なわけで。合間に前に撮影された映像も雑じっています。その映像が最後皮肉でしかない。ただその場面があるから「映画」として成立している。そこは見事なバランスなんです。
ただのドキュメンタリー映画ではなく、きちんと映画としても物語はあります。だからこそこの映画は映画として成立しているんです




いろいろネタバレしたいですが、この映画は本当に劇場で見てほしい!映画館だけで見てほしい作品です。正直この映画をDVDやニコ動なんかで見ないでほしい。見るくらいならネタバレしているページへ行って読んでください。

上映期間ものこりわずか。ぜひこの映画は劇場で見てください!!

あと乗り物酔いする人はもちろん、心臓の弱い人は気をつけてね。この映画ショッキングな映像ありますから。そこもまた怖いです。


とまあ今回は褒めてますね(笑)あとこの映画の最後に流れる音楽。あれは完璧「わが国の怪獣」を意識していますね!
かつては怪獣特撮の国といわれた日本。この映画を受けてどう出るか?正直純愛映画とか日本人にしかわからない映画なんかつくってる場合じゃないだろう?
この映画は日本の怪獣特撮においても黒船のような作品。
本当に世界を相手にできるエンターテイメント映画を作ってほしいよ。

がんばれ、日本!!