みりんの徒然声

日々、感じたことを日記や詩でお届けします

みりんの徒然声 届かぬ手紙

2016-11-02 12:48:18 | 日記
あの日、お揃いだよーとふざけて付けたピアスを今も外していないとあなたが知ったら何て言うでしょう?寒くなってきました。今年も冬がやって来ます。あなたの好きな雪の季節。
目を閉じれば昨日のことのように思い出します。ファンヒーターの匂い、インスタントコーヒーの匂い、大きなソファーに座ったあなたが吐き出すタバコの匂い。安心な空間。
冬なのにあったかい匂いのする部屋。ありがとう、ありがとう、優しさをくれた。
突然の地震は全て崩れ落とした。滅多に雪の降らないいわきでも吹雪になり、空は暗く、風は強く、寒くて寒くてガタガタ震えました。避難区域から数キロ離れていたあたしたちの町に補償なんてなかったね。雪が溶け、やがて少しずつ日常が戻って来てもあなたは帰ってきませんでした。幸せだよって伝えてないし、幸せなのにわがまま言ったこと謝れてませんでした。
ごめんなさい、ごめんなさい、幸せでした。
もしほんの一瞬でよいからあの部屋に戻れるならわがまま言わないのに、全て代えるのに、あなたを引き留めるのに。
何処かに行こう、旅行に行こう、沢山笑って写真をとろう。思い出を残しましょう。
ピアスしか残らないなんてことがないように。
本当にいつまでも一緒に居れると信じて疑いませんでした。会いたい、話したい、あの部屋で眠りたい。叶わない想いに今もとらわれたまんま。