みりんの徒然声

日々、感じたことを日記や詩でお届けします

みりんの徒然声 おしまいのチョコレートケーキ

2016-11-21 21:38:54 | 日記
短い東京の滞在時間であたしが買ったのはトップスのチョコレートケーキだった。ダイエット中なのにケーキなんて、だが、頭痛と吐き気で泣きそうなあたしがお店の前を通り過ぎようとした時、ある小説の台詞を思い出したのだ。「ねえ、トップスのチョコレートケーキ買ってきて、また皆でパーティーしよう。」と。これはおしまいの時間というあたしが若い頃大好きだった恋愛?小説だ。最近さっぱり恋愛小説を読めなくなっていたが思い出した。ごめんなさい、イズミさん、ぼくには無理みたいです。の一文から始まる。自由奔放で何もかも手にしているようなイズミは最後同居人にトップスのチョコレートケーキを買ってきて、と外出させたあと、手首を切り裂き浴槽を真っ赤に染めて発見される。トップスのチョコレートケーキを買ったからと言ってあたしがイズミになれるわけではないが、あたしは何かしたかった。出ていくと決めたものの、それまでの期間が苦しくて何かしたかった。結局チョコレートケーキは食べる事が出来ず冷凍庫に突っ込んである。おしまいのチョコレートケーキ。もう一度小説を探して読み返してみようと思う。しかし小説に影響されるあたしは読む登場人物がやたら死に近い。偏っているのかも知れない。冷凍したチョコレートケーキを食べたらあたしはイズミになれるだろうか?なれるわけないと知ってはいるが・・。剥がした爪の痕が痛む。爪がないとうまく物が掴めないし四六時中指先がピリピリする。こんなみじめなあたしにおしまいの時間は来るだろうか?あたしは変われるだろうか?