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moon

「推し、燃ゆ」宇佐見りん 2020-22

「推し、燃ゆ」宇佐見りん

「小説は私の背骨」と芥川賞受賞の記者会見で21歳の作者は言った。
「まだ受賞する予定ではなかった」とも。

たぶん、こういう人は年齢なんて関係ないんだろうな、
わたしなどよりもよほど深く冷静に様々なことを見つめている。

推しという言葉で作者が若いとわかる
この小説もそうだった。作者は21歳。

主人公あかりの背骨は推しを推すこと。
でも、私生活のあかりはダメダメだった。
推しがバランスを崩すと
一緒にバランスを崩していく。

あかりはどんどんと不安定になっていく。
そしてそれを「もういいか」と
思っているようだ。

推しという他人を背骨などにせず
不動のものを背骨にしてほしい。

四つん這いで綿棒を拾いながらそれに気づくだろうか。
いつか背骨をたてて
生きてほしい。

にしても、帯が幅広すぎやん!


 

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