「噛みあわない会話と、ある過去について」辻村 深月
4編の短編集。1編は既読。ぞわぞわ、ざわざわ、なかなかのざらつき感で
面白かった。
「ナベちゃんのヨメ」
これは、最も苦手な女集団がでてきた。
ナベちゃんの嫁もどうかと思うけど、この悪口ばっかりで盛り上がる女子達の
想像力のなさが悲しい。
ナベちゃんがいいならいいじゃないか。
「ママ、はは」
これは既読。
現実とファンタジー入り乱れる感じでこういうのはあまり好きでないタイプのお話。
「パッとしない子」
人が大人になるまでに多くの教師に出会うけれど、
自分にとっていい教師というのはほんの数人なのではないだろうか。
親として教師を見ていたときは、教師は3年くらい民間企業で働いてから
教職につくという規定をもうけてほしいと思ったかなぁ。
教師でなくてもってことなんだろうけど、教師の一言は結構残るからなぁ
言われたほうが覚えてるよ、ずうっと。
「早穂とゆかり」
これが一番好きかなぁ。
ざらつき感抜群だけど、理詰めでやり返されるってのはなかなかのもんだなぁ。
「こわっ」とも思ったけれど「おおー、ゆかりやるじゃん」とも思った。
私も、誰かを傷つけ、誰かに傷つけられている。
覚えているのは傷つけられたことが多い、人間って怖いね。
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辻村 深月 | |
講談社 |