4/17/2017 鹿鳴荘便り／難波先生より

　少し温かくなったと思ったら4/6~7と雨になった。夜、仕事場から表に出ると書庫玄関の照明灯が点灯し、母屋に近づくと母屋の照明灯が点灯するのだが、スリッパ状の人工皮革の突っ掛けでは、足下の濡れた芝で滑る恐れがあり、注意が必要だ。
　早朝に配達される新聞が、雨の日にはポリエチレンか何かの、燃える半透明の薄い袋に半折りにして詰められて、郵便受けに入っている。袋は台所用か工作用のハサミで耳の長い方の縁を切り開け、ゴミ袋として利用している。２日で８枚も溜まったから、当分ゴミ袋に不自由はない。裏庭にあるゴミ焼き場で、ダンボール箱などと一緒に焼却できるから便利だ。

　新聞配達の仕事は、昔は高校生のアルバイト、ついで軽自動車が運転できる農家の主婦のアルバイトだった。今は販売店の店主が自分で配っている。「このあたりは、積雪の多いところだから危ないでしょう」と言ったら、「なに大したことは、ありません。竹仁(たけに)（福富町の奥まったところ。ここにも小規模の団地がいくつかある）はもっとひどいです」と返事があった。あそこは峠越えの県道と町道しかない地区だ。今もスタッドレスを装着しているという。

　米映画ではカーチェイス場面がよく出てくる。断崖絶壁の一本道で先回りした敵が、向こうからやって来る。主人公が車をスピンさせて、来た方向に向かって逃げる。
　マリーランド州ベテスダの住居は、日本でいう「高層マンション」の一室で、冬には雪が降ったり凍結したりがあった。すぐ隣がゴルフ場で、マンション脇の小公園には行き止まりになったサービス道があった。
　その頃はまだスタッドレス・タイヤもなく、ベテスダでスノータイヤを付けている車を見たことがない。それで「絶好の機会」と思い、雪道でスピンの練習をした。あれは猛スピードを出し、サイドブレーキを引きながら廻したい方向にハンドルを切れば、簡単にできる。１時間くらい練習したらマスターできた。
　映画ではスピンのシーンはスタントマンが演じているので、俳優が演じることはない。
　雪道でも、ノーマルタイヤでスリップしない方法も知っているが、それは別の機会に書こう。ヒントは「無念無想」の境地にある。

　4/7（金）の夕方17:30頃から、濡れた地面からの蒸発が盛んになり、濃霧が発生した
国道を行き交う車はヘッドライトかフォグランプを点灯しているはずだが、真横からは見えない。濡れ落ち葉を踏んで、サンサーラとの間にある林を抜けるのは「年寄りの冷や水」だと思いあきらめた。
　自宅脇から車で国道に出るには、しばらく横に砂利道が続く。向こうにある家が霧に霞んでいる。（写真1）
（写真１）
　砂利道の両脇は他人の土地だから、勝手に舗装するわけにもいかず、「福富町最後の砂利道」として残っている。右下端に我が家の前庭に通じるコンクリートの階段がある。家内は持ち主の許しをえて、隣の林でシイタケの栽培をやっている。
　生シイタケの大きな笠はステーキにして食べるととても美味しい。
　田舎暮らしは、芹洋子の「四季の歌」みたいに、移り変わる季節毎に違った楽しみがあるのがよいと思う。

　4/16(日)は久しぶりの快晴で、食後バルコニーで日向ぼっこをしながら、本を読んでいたら、モンシロチョウ、モンキチョウ、ハナアブなどの他にトンボが木の手すりに止まった。梅は散り、桜が五分咲きになっている。気温は25度くらいに上昇した。
　仕事場に戻り、デスクワークをしていると、北側の窓の外につがいのウグイスが二羽止まり、しきりに若葉をついばんでいた。小さな緑色をした小鳥だから、ウグイスだと思う。

　裏庭のカエデが、赤い若葉と同じく赤い蕾を付けている。「紅葉は気温が急激に下がると、葉緑素が作られなくなり、赤く発色するためだ」とウナギの生態が専門の動物学者に聞いたことがあるが、この赤い新芽を見るとどうも違うんじゃないか、と思う。
　今回は、
　1.献本お礼など
　2. オーバーブッキング
3. MOAB
　4. 映画「市民ケーン」
　5. ホテルの老朽化
　6. 修復腎移植：国際的な救援
　7. 崩れる街
という７つの話題を取り上げました。

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