【STAP騒動:報道検証5】
朝日の「ウェブ論座」が今になってこういうことを述べている。
「”STAP細胞”報道とジャーナリズムのいま(1) 最初から感じた違和感の正体」だと。
http://astand.asahi.com/magazine/wrnational/special/2014051300004.html
その違和感を大事にして徹底的に調査報道を行うのが、「第四の権力」としてのメディアの役割ではないか。今回の報道は「大本営発表」をそのまま報じた戦争中の朝日とちっとも変わらない。今になって弁解しているのが,以下のジャーナリストなど。
≪尾関章(おぜき・あきら)≫科学ジャーナリスト。1951年生まれ。77年、朝日新聞社に入り、83年から科学記者。科学医療部長、論説副主幹などを務め、2013年に退社。WEBRONZA筆者。著書に『量子論の宿題は解けるか』(講談社ブルーバックス)、『量子の新時代』(共著、朝日新書)。
≪亀松太郎(かめまつ・たろう)≫1970年静岡県生まれ。東京大学法学部卒。朝日新聞記者として3年勤務した後、2006年からJ-CASTニュースの記者・編集者を経験。ニコニコニュース編集長として、政治・報道番組の企画・制作とニュースサイト運営に携わる。13年1月独立。
≪堀潤(ほり・じゅん)≫ジャーナリスト。 1977年生まれ。文学部卒業後、2001年NHKに入局。 「ニュースウォッチ9」、「Bizスポ」などの報道番組を担当。2013年NHKを退局。
ここには生物学の基本が分かる人がいない。朝日は人材不足か。
傍観者的な意見の吐露で読む価値もない。
中部大学の武田邦彦教授(特任)がブログでこういう発言をしている。
http://takedanet.com/2014/04/post_511f.html
<STAP論文が掲載されたのが1月29日。ネットで最初の「欠点の指摘」があったのが、確か2月4日で6日しかたっていない。これが2月14日でも16日だから、「出てすぐ」には変わりはない。…このネイチャーの論文に注目し、掲載された日に論文を読み、80ケもある画像をすべてチェックし、ビデオを検査し、文章にコピペがないかを見て、論文引用(40ケほど)、図表の説明、その他の記述を全部読み、理解するだけでも2,3日はかかる。…
STAP論文は、2012年に若山先生の指導の下で小保方さんが書いてネイチャーに投稿し、拒絶(リジェクト)されている。そこからのものだから、小保方さん、若山先生、笹井さんという一流の当該研究の研究者が2年ほど見ていて、さらにこれも世界一流の査読委員(複数)でやるネイチャーで10か月ほどの査読を経ている。
つまり世界でもっとも「間違いに気が付きそうな4,5人」が10か月から2年、綿密に見て、修正している時に気が付かなかった欠点をわずか、6日から16日程度の間にわかることは不可能である。…
つまり、1月29日にSTAP論文が掲載されることをあらかじめわかっていて、またこの論文の不備や小保方さんの研究の欠点もわかっていて、あらかじめ指摘する準備を整えていたとしか考えられない。
そうすると、指摘したほうが何らかの犯罪を犯している可能性が高く、犯罪を犯して指摘したことを無批判にマスコミが拡大したということになると、またまた取材の信頼性を調査せずに国民をだますことになった佐村河内氏の事件と類似になる。…
せっかくの素晴らしい論文をここまで貶めるのは、単に「善意」とは思えない節が多すぎる。この際、STAP事件を報道し、小保方さんを非難したマスコミは自らのプライドをかけて、「ソース」と「組織」を徹底的に取材してもらいたいものである。…
疑念は小保方さんではなく、理研の委員会、ネットで指摘した人、それに損害をうけていないのにでたらめを言ってまで徹底的に批判している京都大学の先生などにある。>
驚きましたね、「論文捏造」を指摘した方が「犯罪者」だという倒錯した主張をしている。
この人は元原発推進派(原子力安全委員会専門委員など)で3・11以後は「手のひら返し」で批判派に転じた。「エネルギーと原発のウソをすべて話そう」(産経新聞出版, 2011/6)を出しながら、同時に「放射能と生きる」(幻冬社新書, 2011/6)で「放射能に害はない」と主張するという無節操な人物だ。1943(昭和18)年生まれの「全共闘世代」だ。東大教養学部で資源材料学を学び、旭化成に入社、燃料ウランの濃縮研究をしていた。生物学も医学も全くの素人だ。早とちりで「小保方、素晴らしい」という主張をしまくって、引っ込みがつかなくなっての発言だろう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E7%94%B0%E9%82%A6%E5%BD%A63
武田説によると私も「犯罪者」ということになる。私は、2/3のメルマガ【STAP細胞】で1/30以後の各紙報道を読んで疑念を表明した。これが「武田元介ブログ」に載ったのが2/4だ。2/7のメルマガ【独創?】では、さらに踏み込んで「論文の疑惑」を指摘した。その後、ネイチャー論文を読み2/14のメルマガ【STAP細胞2】で、「体細胞が初期化した」という証拠として使われているT細胞受容体(TCR)遺伝子の再構成を示す、電気泳動の写真にみられる重大な矛盾を指摘した。理研が内部調査を始めたのが2/14だ。これら一連の発言は「武田元介ブログ」にリンクしている「泉ブログ」で追うことができる。
http://blog.fujioizumi.verse(リンクの際は小文字に).jp/?eid=247
私の批判は当初から今に至るまで公開資料のみに基づいており、違法性はまったくない。教養にもとづく知性と論理的思考という理性があれば、論文発表後「6日から16日程度の間に」、小保方論文の内部矛盾や図表の捏造を指摘することは「不可能」ではない。それが出来なかった自分の「知性と理性」を棚に上げて、他人を批判するとは驚くべき御仁だ。武田教授には、同じ東大教養学部基礎科学科卒の後輩(1954生)で、日本の優れた論理哲学者である野矢茂樹(東大教授)の名著「論理学」(東大出版会, 1994)の熟読をお薦めしたい。この本は横書きで索引も充実しており、文科系の本とはちがう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E7%9F%A2%E8%8C%82%E6%A8%B9
論理と倫理が密接にからんでいることはすでに20世紀の初頭、O.ワイニンガーが「性と性格」(村松書館, 1980)で指摘している。彼の言葉、「論理と倫理は基本的に同じものであり、それらは自分自身に対する責務以外のものではない」は、論理哲学者ウィトゲンシュタインの評伝、L.モンク「ウィトゲンシュタイン」(みすず書房, 1994)の扉にも掲げられている。
厳密な査読制度があっても捏造論文が世に出ることは、W.ブロード&N.ウェイド「背信の科学者たち」(講談社ブルーバックス, 2006:原著は1982年に出版)が30年も前に指摘している。御用学者、電波芸者という言葉があるが、こういう人を利用するテレビ芸能番組の製作者の見識を疑う。視聴率が取れればそれでよいのか?日本人の科学リテラシーは驚くほど低いから、多くのひとが簡単に騙されてしまうのだ。
これらの点にも報道検証が必要だろう。
朝日の「ウェブ論座」が今になってこういうことを述べている。
「”STAP細胞”報道とジャーナリズムのいま(1) 最初から感じた違和感の正体」だと。
http://astand.asahi.com/magazine/wrnational/special/2014051300004.html
その違和感を大事にして徹底的に調査報道を行うのが、「第四の権力」としてのメディアの役割ではないか。今回の報道は「大本営発表」をそのまま報じた戦争中の朝日とちっとも変わらない。今になって弁解しているのが,以下のジャーナリストなど。
≪尾関章(おぜき・あきら)≫科学ジャーナリスト。1951年生まれ。77年、朝日新聞社に入り、83年から科学記者。科学医療部長、論説副主幹などを務め、2013年に退社。WEBRONZA筆者。著書に『量子論の宿題は解けるか』(講談社ブルーバックス)、『量子の新時代』(共著、朝日新書)。
≪亀松太郎(かめまつ・たろう)≫1970年静岡県生まれ。東京大学法学部卒。朝日新聞記者として3年勤務した後、2006年からJ-CASTニュースの記者・編集者を経験。ニコニコニュース編集長として、政治・報道番組の企画・制作とニュースサイト運営に携わる。13年1月独立。
≪堀潤(ほり・じゅん)≫ジャーナリスト。 1977年生まれ。文学部卒業後、2001年NHKに入局。 「ニュースウォッチ9」、「Bizスポ」などの報道番組を担当。2013年NHKを退局。
ここには生物学の基本が分かる人がいない。朝日は人材不足か。
傍観者的な意見の吐露で読む価値もない。
中部大学の武田邦彦教授(特任)がブログでこういう発言をしている。
http://takedanet.com/2014/04/post_511f.html
<STAP論文が掲載されたのが1月29日。ネットで最初の「欠点の指摘」があったのが、確か2月4日で6日しかたっていない。これが2月14日でも16日だから、「出てすぐ」には変わりはない。…このネイチャーの論文に注目し、掲載された日に論文を読み、80ケもある画像をすべてチェックし、ビデオを検査し、文章にコピペがないかを見て、論文引用(40ケほど)、図表の説明、その他の記述を全部読み、理解するだけでも2,3日はかかる。…
STAP論文は、2012年に若山先生の指導の下で小保方さんが書いてネイチャーに投稿し、拒絶(リジェクト)されている。そこからのものだから、小保方さん、若山先生、笹井さんという一流の当該研究の研究者が2年ほど見ていて、さらにこれも世界一流の査読委員(複数)でやるネイチャーで10か月ほどの査読を経ている。
つまり世界でもっとも「間違いに気が付きそうな4,5人」が10か月から2年、綿密に見て、修正している時に気が付かなかった欠点をわずか、6日から16日程度の間にわかることは不可能である。…
つまり、1月29日にSTAP論文が掲載されることをあらかじめわかっていて、またこの論文の不備や小保方さんの研究の欠点もわかっていて、あらかじめ指摘する準備を整えていたとしか考えられない。
そうすると、指摘したほうが何らかの犯罪を犯している可能性が高く、犯罪を犯して指摘したことを無批判にマスコミが拡大したということになると、またまた取材の信頼性を調査せずに国民をだますことになった佐村河内氏の事件と類似になる。…
せっかくの素晴らしい論文をここまで貶めるのは、単に「善意」とは思えない節が多すぎる。この際、STAP事件を報道し、小保方さんを非難したマスコミは自らのプライドをかけて、「ソース」と「組織」を徹底的に取材してもらいたいものである。…
疑念は小保方さんではなく、理研の委員会、ネットで指摘した人、それに損害をうけていないのにでたらめを言ってまで徹底的に批判している京都大学の先生などにある。>
驚きましたね、「論文捏造」を指摘した方が「犯罪者」だという倒錯した主張をしている。
この人は元原発推進派(原子力安全委員会専門委員など)で3・11以後は「手のひら返し」で批判派に転じた。「エネルギーと原発のウソをすべて話そう」(産経新聞出版, 2011/6)を出しながら、同時に「放射能と生きる」(幻冬社新書, 2011/6)で「放射能に害はない」と主張するという無節操な人物だ。1943(昭和18)年生まれの「全共闘世代」だ。東大教養学部で資源材料学を学び、旭化成に入社、燃料ウランの濃縮研究をしていた。生物学も医学も全くの素人だ。早とちりで「小保方、素晴らしい」という主張をしまくって、引っ込みがつかなくなっての発言だろう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E7%94%B0%E9%82%A6%E5%BD%A63
武田説によると私も「犯罪者」ということになる。私は、2/3のメルマガ【STAP細胞】で1/30以後の各紙報道を読んで疑念を表明した。これが「武田元介ブログ」に載ったのが2/4だ。2/7のメルマガ【独創?】では、さらに踏み込んで「論文の疑惑」を指摘した。その後、ネイチャー論文を読み2/14のメルマガ【STAP細胞2】で、「体細胞が初期化した」という証拠として使われているT細胞受容体(TCR)遺伝子の再構成を示す、電気泳動の写真にみられる重大な矛盾を指摘した。理研が内部調査を始めたのが2/14だ。これら一連の発言は「武田元介ブログ」にリンクしている「泉ブログ」で追うことができる。
http://blog.fujioizumi.verse(リンクの際は小文字に).jp/?eid=247
私の批判は当初から今に至るまで公開資料のみに基づいており、違法性はまったくない。教養にもとづく知性と論理的思考という理性があれば、論文発表後「6日から16日程度の間に」、小保方論文の内部矛盾や図表の捏造を指摘することは「不可能」ではない。それが出来なかった自分の「知性と理性」を棚に上げて、他人を批判するとは驚くべき御仁だ。武田教授には、同じ東大教養学部基礎科学科卒の後輩(1954生)で、日本の優れた論理哲学者である野矢茂樹(東大教授)の名著「論理学」(東大出版会, 1994)の熟読をお薦めしたい。この本は横書きで索引も充実しており、文科系の本とはちがう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E7%9F%A2%E8%8C%82%E6%A8%B9
論理と倫理が密接にからんでいることはすでに20世紀の初頭、O.ワイニンガーが「性と性格」(村松書館, 1980)で指摘している。彼の言葉、「論理と倫理は基本的に同じものであり、それらは自分自身に対する責務以外のものではない」は、論理哲学者ウィトゲンシュタインの評伝、L.モンク「ウィトゲンシュタイン」(みすず書房, 1994)の扉にも掲げられている。
厳密な査読制度があっても捏造論文が世に出ることは、W.ブロード&N.ウェイド「背信の科学者たち」(講談社ブルーバックス, 2006:原著は1982年に出版)が30年も前に指摘している。御用学者、電波芸者という言葉があるが、こういう人を利用するテレビ芸能番組の製作者の見識を疑う。視聴率が取れればそれでよいのか?日本人の科学リテラシーは驚くほど低いから、多くのひとが簡単に騙されてしまうのだ。
これらの点にも報道検証が必要だろう。
こちらのブログを読ませて頂けたおかげで、専門的な知識のない私が今回の一連のSTAP騒動を俯瞰的にクリアに見ることが出来ました。
ありがとうございました。
もし難波先生の正当な考察に触れずにいたら、STAP細胞があるかもしれない期待(誘惑)に駆られて、日々もたらされるマスコミの情報に右往左往していたと思います。
私は改めて「人は信じたいものを信じる」ということを感じました。
その思いが強くなると、信じるものの整合性を保つために情報や可能性を無自覚に取捨選択/拡大縮小解釈までしてしまいます。
それでも精査された事実を公正に得ることができれば、ほとんどの人は惑わされことなく然るべき結論を見い出せると思います。
その義においてマスコミが真実の追求よりも人々が欲する情報を自らの裁量で歪め発信することに傾倒している責任は大きいと思います。
また今回髪を振り乱して擁護している識者の方々が(彼女を救いたい感情とは裏腹に)結局彼女をより困難な状況へ追いやってしまったのではと思います。
独創的な論法で言い逃れる道(人々が許容し得る可能性)を作ってあげたため、自身の責任に誠実に向き合わう機から逃がれ深みにおちいってしまったように思えます。
自分の非を正直に認めることは容易ではなく強い気持ちが必要になります。
その点で彼女の気持ちを思うと胸が痛みます。
特にその問題が大きくなるほど難しく、言い訳が立てば言い逃れたいと思うのが人の常です。
しかしそれは人々の目に不誠実な人と映り、結果不要な反感や怒りを生み出してしまいます。
発覚当初に「ルール違反は言語同断、誰でも許されない」というシンプルな要件で処理されて、自身が誠実に責任を引き受けていれば、そこで真に彼女の立場や状況を思いやる気持ちが人々の中に生まれたのではないかと思います。
延いては
・謝罪しながら我を通す(論文を撤回しない)
・論文にないコツがある(世界の研究者が既に実験してるのにすぐには公表しない)
・再調査を依頼して協力に消極的
・弁護士を通して都度悲哀を訴える(関係者で泣きたい人は黙して語らず)
こんな混沌とした状況(彼女自身も辛いと思います)になることはなかったのではと思います。
もし、難波先生が彼女の上司の立場であったら今回のことは起きなかったと確信します。
しかし、擁護している識者の方がその立場であっても今と状況は変わらないと思います。
その違いは、科学の真理を求める人と自分の信じたいものを信じる人の思考力です。
理知的な人は前提として個人の感情を意識的に排他し正しさにおいて思考するため、その言動は終始一貫し誠実です。自らに間違いがあっても是正せずにはいられません。
一方どんなに頭が良くても情動的な人は一面では優しい人/面白い人として人を魅了しますがその実は自らの思いを果たすことに思考が引っ張られる(残念なことに無自覚)ため、その論拠は如何様にも変化し無責任な言動になっているように思えます。時に扇動的にもなり、時に責任転嫁もやってのけます。
そう考えると、彼女にとって好人物は擁護/庇護してくれる人かもしれませんが、人生において必要なのは厳しくも難波先生のような人だったのではないかと思いました。
やはり誠実であることが最善策であるかと思います。
最後に難波先生の科学に対する献身的で真摯なお仕事を享受できたことに感謝致します。
ブログを読み始めた頃はその明晰な文章からもっとお若い人だと思い込んでいました。(すみません、これは私の恥ずべき偏見でした)
意義があることされていると思います。
社会的関心の高い問題に著名で自分の考え(しかも否定的な意見)を先駆けて表明することは様々な強い反応があり心労も多いとお察しします。
お体を大切になさって下さい。
今後のご健勝をお祈り申し上げます。
長文駄文にて失礼しました。
(このように書き込むのが初めてのため不適切な内容がありましたら申し訳ありません)
疑う気持ちを持っていなければ、優秀なる人材が何人揃おうとも捏造は見抜けないだろう。
底意地の悪さを持っていた無関係の人であってこそ、論文のミスが見抜けたと思います。