ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【15歳の機関助手】難波先生より

2013-07-13 09:30:17 | 難波紘二先生
【15歳の機関助手】愛知県春日井市にお住まいの川端新二さんという方から、『15歳の機関助手:戦火をくぐり抜けた記者と少年』(交通新聞社新書, 2012/12)の献本をいただいた。
 私の「覚悟としての死生学」(文春新書)がすでに絶版となり、名古屋の大きな書店を廻っても、版元に注文しても入手できず、どうしても読みたいと伝手をたどって、著者蔵本の分与依頼があったのでお送りしたら、お返しに送ってこられた。


 著者は1929(昭和4)年1月生まれだから、現在執筆時83歳、いま84歳である。川端少年は福井市に住んでいた小学生の頃から機関車が好きで、同級生の機関士の息子の影響もあり「機関士になりたい」と決める。昭和18(1943)年名古屋市の熱田神宮近くの小学校高等科を卒業して、憧れの国鉄に就職し、機関助手となる。それ以後、機関士になり停年退職するまでのさまざまなエピソードが、戰争・敗戦・戦後の混乱に国鉄とその職員がどう対応したかという歴史の流れとともに描かれている。


 中でも興味あるのは初の「飛び込み自殺」とバラバラ遺体の回収と野犬から護るために遺体番を置く話。病理の遺体解剖でさえ、遺体の顔が浮かんできて「夢でうなされた」という技師さんがいるくらいだから、機関士、機関助手につぐ見習いの「添乗者」として乗っていた新米にとっては大ショックだったろう。(実際、記述は70年前のこととは思えないほど、詳細で細部が書き込んである。)


 私は「機関車は動輪の数をA, B, C, Dに換えて、その後にD51のように型式番号をつける」というくらいしか、機関車についての知識がないが、この本には写真や機関車の図が沢山含まれている。鉄道ファンには見逃せない1冊だろう。

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