ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【病原性古細菌】難波先生より(途中稿)

2016-01-12 12:14:29 | 難波紘二先生
【病原性古細菌】
 8/14の日経、中国、産経が「古細菌の感染で起こる脳膜炎、認知症が見つかった」と報じ、8/18毎日も後追い報道した。毎日は脳の電子顕微鏡写真を載せているが、小さくて古細菌を指す矢印が黒く小さくさっぱりわからない。
 古細菌に病原性があるという報道はこれが始めてではないか。
 細胞のレベルではすべて生物は、古細菌、真正細菌、真核生物の3種に分けられる。動物も植物も本物の核をもつ真核生物に入る。真正細菌とはDNAが塊となり膜に包まれた「核」とミトコンドリアを持たない普通の細菌をいう。
 進化の過程において、古細菌と真正細菌はもっとも古く分岐した。前者には高度好塩菌、メタン産生菌、高熱好酸菌などが含まれ、海底熱泉とかイエローストーンの熱泉に多く、「生命の誕生」に近い、もっとも原始的生命体と考えられている。
 古細菌は生物の「ドメイン分類」において、「アーキアドメイン」に属し、「細菌ドメイン」や「真核生物ドメイン」とまったく異なる位置を占める。

 疑問に思うのは、38億年前に誕生した古細菌が10万年前に誕生した現生人類にどうして感染できたのか?ということだ。まさか38億年間、他の動物に接触する機会がなかったとは思えない。なぜ動物の感染症が報告されていないのか。また古細菌を実験室で扱う研究者も多いのに、なぜ今まで事故による感染例が報告されていないのか?
 DNAの選択的増幅に必要な「PCR(Polymerase-Chain-Reaction)」法は、古細菌の一種、好熱菌から抽出した酵素蛋白を利用したものだ。

 これも先日の九大理学部からの「線虫でがんを早期発見」のニュースと同様に、続報が出るか消えて行くかを見守るしかあるまい。


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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-01-16 00:03:34
>疑問に思うのは、38億年前に誕生した古細菌が10万年前に誕生した現生人類にどうして感染できたのか?ということだ。まさか38億年間、他の動物に接触する機会がなかったとは思えない。

同じ論法でいくと、真正細菌も誕生したのは38億年前。
10万年前(←疑問)に誕生した現生人類にどうして感染できたのか?
寄生、共生による共進化によって、生物相は変化してきたのですよ。

>なぜ動物の感染症が報告されていないのか。

もっとも感染症の研究が進んでいる動物種は、ヒトですから。他の動物でも調べれば見つかるでしょう。

>また古細菌を実験室で扱う研究者も多いのに、なぜ今まで事故による感染例が報告されていないのか?

古細菌と一言で言っても、多様ですよ。大腸菌を実験室で扱う研究者は非常に多いのに、なぜ今まで事故によるコレラの感染例が報告されていないのか、といっているのと一緒。

wikipediaによると、「一般的な海洋においては、細胞数当たりで微生物の約20%を古細菌が占めるという」だそうです。極限環境だけに存在するわけではなく、意外と身近な存在なのですね。
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