ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【ES細胞とiPS細胞】難波先生より

2018-02-28 12:57:37 | 難波紘二先生
【ES細胞とiPS細胞】先日、中国が「クローン猿」を作ったと報じられたが、これはES細胞を使ったものである。
 2/21の米誌「ナショナル・ジオグラフッィク」が<人間と羊のハイブリッド胎児の作製に成功>と報じている。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180221-00010001-nknatiogeo-sctch&p=1
<米国では臓器移植待ちリストに連なる人が10分に1人の割合で増加しており、毎日そのうち22人が亡くなっている。米国内だけでも、心臓移植を必要とする人は10万人以上にのぼるが、実際に移植を受けられるのは1年にわずか2000人だ。>

<米カリフォルニア大学のパブロ・ロス氏のチームはテキサス州オースティンで開かれたアメリカ科学振興協会(AAAS)の年次総会において、実験の手法を工夫した結果、ヒツジの胚がもつヒト細胞の数を1万個に1個まで増やすことに成功したと発表した。>
<ロス氏と共同で研究を行っているスタンフォード大学の中内啓光氏は、「今のところ、ヒト細胞の寄与は非常に小さいものです。決して人間の顔や脳を持ったブタができるわけではありません」総会においてそう語っている。また中内氏によると、研究者らは動物の脳や生殖器でヒト細胞が増えることがないよう細胞を特定の場所で増殖させるよう努めているという。>
最初から日本人研究者との共同研究であるのがよい。

これらはみなES細胞を使った研究だろう。キリスト教原理主義のブッシュJr.大統領の時代に「生命倫理上の問題がある」としてヒトES細胞研究へのNIH研究費の支給がカットされた。
これに韓国での「ファン・ウソク教授のES細胞捏造事件」が起こり、ES細胞不信が世界的に高まった。その隙を衝くように登場したのが山中伸弥博士の「iPS細胞」だ。

<米国立衛生研究所は現在、人間と動物のハイブリッドを作る研究に公的資金を投入することを禁じているが、2016年にはこの方針を取り消す可能性も示唆している(これまでの研究費用は、民間からの寄付によって賄われてきた)。>
というから、米国でES細胞を用いた再生医療・臓器移植用の臓器作りが主流になってくると、ヒト網膜の再生医療の臨床試験に2例とも失敗した(理研)、iPS細胞の未来も決して明るくないと思う。


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2 コメント

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遺伝子治療 (花土子)
2018-07-16 22:37:12
遺伝子治療の未来にも期待しています。
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Unknown (さる)
2018-12-02 21:33:01
クローン猿は、体細胞クローンだよ。受精卵を除核して、体細胞の細胞核を注入するのさ。ESは使ってないよ。

中内氏の共同研究は、ニューズウィーク日本版を読んだものと思われるが、「研究チームは、成人の幹細胞(iPS細胞)をヒツジの初期段階の受精卵に注入。」とばっちり書いてあるではないか。どこを読んでいるんですか?

ESCとiPSCのそれぞれの原理と利点・欠点をよく勉強し直された方がいいんじゃないかと思う。
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