ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【ヤモリの捕食】難波先生より

2015-07-20 12:43:36 | 難波紘二先生
【ヤモリの捕食】
 仕事場の東側窓はヤモリが餌をあさるには絶好の場所らしい。周囲は木立に囲まれているので、夜は真っ暗になり、明かり目がけて沢山の白い蛾が飛んでくる。窓枠に貼りついてじっとそれを待っているだけで、たっぷり餌にありつける…。

 6/29の夜、またヤモリが白い蛾を捕らえるのを目撃した。(写真1)
(写真1)
 ヤモリの指にも腹にも吸盤のような構造があり、ガラスにピタリと貼りつくようになっている。ヤモリは左斜め上から蛾にアプローチして、右の羽をくわえ込んだ。

 フラッシュで光っているのは、蛾の眼であり、前回「ヤモリの眼」と考えたのは私の観察まちがいだとわかった。
 これ(写真2)は、蛾を頭から呑みこみつつある同じヤモリだが、大きな丸い眼はフラッシュを反射していない。蛾の複眼が「赤目現象」を起こしているのと、大きな違いがある。
 (写真2)
 で、見ているとこの姿勢のままで、上手く蛾の頭を口中にいれ、首を上げることなく下向きのままで呑みこんだ。おそらく舌をうまく使ったのであろう。爬虫類では不完全ながら口蓋があり、口腔と鼻腔が分かれているので、食べ物が口を塞いでも窒息することはない。

 その前の晩は、2匹のヤモリが捕らえた蛾をめぐって取り合いをするのを認めた。(写真3)
(写真3)
 この二匹のヤモリは、まず最初に、下側のヤモリが大きな蛾を口に捕らえた。

 すると遙か上の方にいた、左側のヤモリが寄って来て、スキをねらってパクッと蛾を横取りした。餌を盗られた下のヤモリは、その場にじっとしていたが、やがてそろりそろりと近づき、呑みこむのに手こずっている蛾に食らいついた。上のヤモリは蛾の尻尾をくわえているので、羽の付け根と頭部は口の外にある。
 2匹がしばらく獲物の引き合いをしていたが、解剖学的に無理のないくわえ方をした、下のヤモリがついに餌を奪い返した。獲物を取り返したヤモリは向きを変えて、下の窓枠の方に移動し蛾を呑みこんだ。

 強盗に失敗したヤモリも、すごすごと向きを換えて窓枠左側に移動し、姿を消した。
 こうしてガラス戸の外に展開される「ヤモリ劇場」の光景は、今夜は閉幕した。時刻は21:50分だった。
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