ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【金峰事件】難波先生より

2013-07-30 12:37:51 | 難波紘二先生
【金峰事件】7/29「朝日」の
 <(山口)県警の発表によると、衣類は男性物のズボンとシャツ。25日午後3時ごろ、保見容疑者の家から500~600メートル東にある橋から北東に行った山中の獣道に放置してあるのを、保見容疑者の携帯電話とともに捜査員が見つけた。捜査関係者によると、この衣類に血痕があった。被害者は5人とも鈍器のようなもので頭などを激しく殴られ、死亡していた。県警は、衣類は保見容疑者のものとみており、鑑定して誰の血液なのか調べる。
 木の棒は、保見容疑者が潜んでいた山中で見つかった。保見容疑者は、逮捕後の調べに対し「木の棒で殴って殺した。棒は捨てた」と供述しており、県警は、この棒と被害者の傷痕が一致するかどうか調べる。>
 という報道が意味不明なので、「国土地理院」の1/2.5万地図を見た。
 http://watchizu.gsi.go.jp/oldmap25k.html?meshcode=51312605

 この「鹿野/金峰」地図を見ると、「容疑者の家から東500メートルに橋」などない。地図右下にあるスケールは1センチが100メートルだ。
 容疑者宅から「北東に500メートル」行くと、草地の中に廃屋があり、ここが「携帯、衣類」が置かれていた場所だ。山道はこの北から始まる。
 被害者1宅(2名殺害:放火)=地番5185
 被害者2宅(1名殺害:放火)=地番3946-1
 容疑者宅=地番3941-1
 被害者宅3(2名殺害)=地番3980
 被害者宅4(1名殺害)=地番3913 (YAHOO地図による)
 地番は川下から上流に向けて振られていることがわかる。地番表記のない(従って無住の)家屋が8~9軒ある。まるで半数が無住の団地のようなところだ。


 橋を起点に「北東に行った山中の獣道」はない。地図で分かるようにこの道は県道41号線が整備されるまでは、鹿野に出る近道の通学路だった。地図にある破線は未舗装の間道を示す。「獣道」ではない。今回の事件の特徴は、「6月現在で、29~90歳代の男女14人が8世帯に分かれ、わずか600メートルの道路沿いに暮らし、うち10人(71.4%)が65歳以上の老人であるという「20年後の日本」を思わせる特殊限界集落で起こった事件だ、という点にある。最も若い人でさえ25歳である。YAHOO地図を見ると、現住の8軒以外に廃屋がその倍はある。その意味で、日本の未来を象徴する、普遍性のある事件だ。


 しかもこの場所は、中国山脈の西端で、かつ島根県境に近く、地名にも平家岳、史跡「平家屋敷跡」、鹿野、金峰(みたけ)など、変わったものが多い。鹿野(かの)は「狩り野」ないし「かは(川)野」の転訛といわれるが、「みたけ」を「金峰」と表記する例は、全国でここしかない。金峰山(海抜790m)のふもと金峰川に沿う谷間の小集落だ。この集落の北8キロには「秘密尾」という集落もある。まるで横溝正史の「八墓村」の舞台のようなところだ。


 男は衣類とケータイを捨てた後、裸足になって山道に入り込んだ。普通、履き物を脱ぐのは入水自殺する場合が多い。
 付近に溜池はあるのか?靴はすでに発見されたのか?


 着衣の血痕らしきものは、ルミノール反応を行えばすぐに血液かどうかわかる。しかし6人の血が混じっているので、血液型鑑定は決め手にならない、DNA鑑定なら、被害者の誰と誰のものかを特定できる。警察は「東電OL殺人事件」や「栃木事件」でDNA鑑定を怠り、煮え湯を飲まされたではないか。


 殺害に使用した「棒」を着衣と同じ場所に棄てたのなら、容疑者は丸太ほどもある棒を、最後まで持ち歩いていたことになる。それには肉片と血痕が6人分付着していなければならず、見ただけでそれとわかるはずだ。


 今まで「棒」については、何も発表しなかったのに、まさか警察は凶器がみつからないので、「凶器」を捏造しようとしているのではないだろうな。
 男は2003年に集落の酒席で、刃物で刺され警察に届けている。(7/27毎日)
 20010年には「集落で孤立している」と周南署に相談している。(7/27産経)
 このいずれの場合も、警察は記録をとり、電話番号を聞いたはずだ。2003年にはなくても、2010年には容疑者はケータイをもっていたはずだ。


 それなのに、警察は初めからその電波で位置特定をしようとせず、7/21夜の事件発生後、7/22の容疑者宅の家宅捜査(7/22毎日)をおこなっている。押収物の中にケータイがなかった(725産経)ことは、7/22の時点で明らかになっていたはずだ。
 この辺の農家の人さえ、畑に忘れたケータイの位置を探すのに、別のケータイから電話をかけて音で探している。まして警察にはGPSによる逆探知能力がある。なのに容疑者のケータイを探し当てるのに、なぜ3日もかかったのか?通信記録は再現したのか?山中から市役所へ「滞納した税金を払いたい」と通話したというのは事実か?


 犯行はなぜ7月21日、日曜日の夜に行われたのか?
 事件当夜、旅行中で第4の家では亭主が不在だった。
 この家は、3年前にボヤが発生、大火になる前に消し止められている。(7/24産経)この直後、容疑者は自宅に「つけびして 煙り喜ぶ田舎者」という文言を書いた張り紙をしたという。
 私の解釈が正しければ、この事件は火災保険金目当ての「放火」をほのめかしたものだ。放火したのはむろん容疑者ではない。
 この事件以後、容疑者と他の住民との関係は急激に悪化したという。
 この事件と今回の事件との間につながりはないのか?


 似たような事件がある。6年前、自宅と作業所(いずれも木造)が全焼した。夫婦は家に鍵をかけないで旅行中だった。その2年ほど前に、この家には母屋の居室でボヤがあった。やはり夫婦が不在だったが、道の反対側の民家の主婦が見つけて、消防に通報したためすぐに鎮火した。


 全焼後、この夫婦は火災保険の支払いを受け、新しい団地に家を建て、出て行った。焼け跡は今は更地になっている。


 新聞は旅行中で生き残った亭主が「殺される」と怯えていたという。この人物と容疑者を酒席で刺したという人物は、どういう関係にあるのか?ないのか?
 調査報道すべき点は山ほどある。
 警察発表の矛盾を追及するのが、記者の仕事ではないのか?


 私は過去の冤罪事件には、警察発表を鵜呑みにして流布したメディアの責任が4割はあると考えている。
 

 国土地理院の地図は、昔はダウンロードできたのに、今は閲覧しかできなくなっている。税金で運営されいるのにけしからんことだ。米政府は国民だけでなく、外国人にも無料で医学文献データベースMEDLINEを公開している。なぜメディアは国土地理院の怠慢を取りあげないのか。
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