ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【中国の臓器移植】難波先生より

2013-11-07 12:33:07 | 修復腎移植
【中国の臓器移植】日本語版には載っていないが、11/2付のBBCとロイターが「中国が2014年半ばを目途に、死刑囚の臓器を移植に利用するのを中止する」と報じている。
ライブドアが邦訳したものは、ここにある。
 http://news.livedoor.com/article/detail/8219104/
 これはReuter情報が一旦中国語ロイターに訳され、それをRecord Chinaが拾っている。
 <今年2月の試行以来、中国国内のドナーによる臓器移植手術は増加しており、11年の245件だった手術が、今年は7カ月間で900件を超えたと説明。しかし、臓器移植を必要とする患者は中国で年間約30万人いるとされ、そのなかで実際に移植手術を受けられるのは約30人に1人の確率だという。>


 これもレコードチャイナの情報だが、肝不全患者が30万人、腎不全が100万人いるという。これは年間新規発生なのか、累積患者数なのか、記載ではよくわからないが、人口が日本の10倍ある国だから、腎不全患者100万人というのは少なすぎると思う。しかし、統計数値に信頼がおけない国なので、何とも言えない。


 今、中国は全国的な「臓器移植ネットワーク」の設立を突貫工事で急いでいる。来年7月までに死刑囚の臓器を移植に利用するのを中止すれば、肝臓で約5000個、腎臓で1万個が不足し、その分を親族からか脳死体からの臓器提供で補わなければならない。
 日本の腎臓待ちは17年といわれるが、中国では100年になっているのが現状だ。


 しかし、方針を転換したら新しい方式を作るのも早い。
 2011年の任意臓器提供(脳死体)は245件だったが、2013年は最初の7ヶ月で900件を超えたという。もう絶対数の上では、日本は乗り越えられてしまった。


 近い将来、中国は死刑制度を廃止する計画があり、今の死刑囚臓器への依存体勢をやめておかないと、国際的非難をかわせないし、死刑廃止へ軟着陸ができないと判断しているようだ。Reuterの英文の方にはこうある。
 <Huang later told Reuters, noting a trend in China anyway for fewer executions. "China has meted out fewer and fewer death sentences, so reliance on death-row inmates' donations will become a dead end.> (中国の死刑執行数は減少している。「死刑判決も減少しているので、死刑囚からの臓器に依存していると行き止まりになる。」>


 死刑制度そのものが、いまや国際的非難の対象になっている。国連はとっくの昔に、死刑制度廃止の決議をしている。トルコはUE加盟条件に「死刑廃止」があるので、死刑制度を廃止したが、それでもまだEUに入れてもらえない。アジアで死刑制度を残しているのは、シンガポール、中国、北朝鮮、日本くらいのものではないか。


 死刑囚の臓器利用が非難されるようになったので、中国の死刑執行件数は急速に減少しているという。
 そうなると、臓器不足は非常に深刻になるわけで、恐らく「修復臓器」移植にも関心が高まるだろう。ヨーロッパやアメリカで、これがすんなり受け入れられたのは、「片田舎の医者」だとか、腎臓売買と関係があるというような偏見がなかったからだと思う。
 論文に発表された成績だけを客観的に見たからだろう。


 中国の場合もそうで、日本移植学会の理事長が誰だとか、大島副理事長が厚労省の局長と密約をしていただとか、監査に来た厚労省調査官がコンタクトレンズ販売業者からの収賄で懲役刑をくらっただとか、そんなことは知りもしないし、興味もないだろう。


 早く、「先進医療」としての認定を受け、さらに保険診療になるように実施施設数を増やし、余力があれば中国からの研修医を受け入れる、という方向を模索すべきだろう。
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