ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

8-31-2015鹿鳴荘便り/難波先生より

2015-08-31 12:45:50 | 難波紘二先生
 土曜日、高松での臓器移植研究会に出席して、一泊して日曜日の午後に戻って来た。福山で「こだま」に乗り換え、三原でJR山陽線に乗り換え、西条駅で降りてバスで帰る予定だったが、あまり草臥れていたので予定を変更した「こだま」で東広島駅に下車。初めてタクシーで帰宅した。
 家内に送ってもらったので、駐車はしていない。小型なのにメーターが5,700円もでてびっくりした。駐車しておけば1000円ですんだのに…。これだと年老いて「免許返納」になったら、大変だと思った。


 今回はiPADもPCも持参しなかったので、活字飢餓状態で帰宅したらアマゾンから届いた新書4冊のうち3冊を3時間足らずで読んでしまった。
 1)益川敏英:「科学者は戦争で何をしたか」(集英社新書)
 国策に協力した科学者の道義的、政治的責任を追及したものだ。分子生物学者の柴谷篤弘「反科学論」(みすず書房)を思い出した。柴谷先生の「比較サベツ論」(明石書店)が、解同の無茶苦茶な「糾弾」闘争に終焉をもたらしたことを、世人は忘れている。


 2)樋野興夫:「明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい」(幻冬社)順天堂大教授、病理学者で腫瘍学を専門とする樋野先生は、電球を発明するまでに、エジソンが1万回失敗したということを書き、その後にエジソンの言葉として
 「私は一度も失敗したことがない。ただ1万通りのうまく行かない方法を発見しただけだ」を引用していたので笑った。
 タイトルはマルチン・ルターの言葉を言い替えたものだそうで、本に出て来る人名の種類から見て、この「哲学外来」の主宰者はクリスチャンだと思った。


 高松から土産に買ってきた4個入りの讃岐うどん1個を食した家内が、食べた後で「しまったタレを薄めるのを忘れていた」と箱の説明書きを見ながら言ったので、「失敗率25%だね」とエジソンの話をしたら、大笑いになった。
 2冊とも、すこぶる面白かった。


 3)中辻憲夫:「幹細胞と再生医療」(丸善出版)
 1950年生まれ、京大理学部卒の幹細胞研究者、京大名誉教授なのに「(STAP細胞事件は)残念ながら事件の核心の多くが隠されたままである」としか書かない無責任さにあきれた。お薦めできない本だ。新聞書評で賞めた奴の顔が見たい。
 その点、益川先生は「STAP細胞問題の根っこにある政治とカネ」とズバリ書いている。


 今回は
 1.書評など、
  1)「買いたい新書」の書評No.284に津田敏秀「医学的根拠とは何か」(岩波新書)
  2)MacとMc


 2.ダブル・スタンダード= 腎臓に小さながんがあれば「小径腎がん」と病理学的にはいうが、日本移植学会や厚労省は摘出が治療目的で行われるか、移植用に行われるかでは、異なると主張している。
 だったら死体腎に同じものがあったら、どっちになる?
 子どもでも分かることだ。ダブルスタンダードは自己矛盾のため崩壊するだろう。


 3.科学報道


 4.本の広告とタイトル


 5.一件落着
 という5つの話題を取りあげました。
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