【台風】サンディが東海岸を襲った。どうもこれはオバマ大統領にとって「神風」だったようだ。被災地を訪れ、握手して廻れば確実に支持率はあがる。
日本の天皇が国民と握手するなど、とうてい考えられないが、米国の大統領は(SPがそばについてはいるが)、平気で握手する。スポイルズ制があるから、NCI(国立癌研究所)所長の任命など、ホワイトハウスからヘリで飛んできて、研究所内で任命式をする。
私はニクソンの後のフォードが来たとき、終わって所内から玄関に出て来たときの職員の歓迎ぶりを目撃したことがある。
さてハリケーンに女性の名前をつけるのがアメリカの風習で、戦後間もなくは日本の台風にも、「キジア」、「ジェーン」、「キティ」などという女性名がつけられていたが、いつの頃からか「台風◯号」という味気ない名前に変わった。「災厄に女性名をつけるな」と、アメリカではフェミニストが騒がないのだろうか?
「サンディ」というニックネームを生むフルネームはそう多くない。サンディという愛称をもつ女性をひとりだけ知っている。アレクサンドラ・レヴィーンである。
1982年に、ロサンゼルスにエイズ実態調査に行ったとき、病理のブハラート・ナソワニ教授が紹介してくれた。
当時内科部長で医学部長もしていた、血液内科医である。背が高く、色が白く、愛嬌のある女性だった。
Levineという姓が示すようにユダヤ系である。だいたいアメリカで血液病理・血液内科で最先端を走っている人の大半はユダヤ系である。日本の「病腎移植」騒動の時にフロリダ大学から駆けつけてくれた移植外科のハワード教授もユダヤ人だし、病理のラウル・ブレイラン(私の旧友)もユダヤ人だ。NIHのエレーヌ・ジャフィも、ベルリンのハラルド・シュタインもユダヤ人だ。だから私にとってユダヤ人とは「優秀」の代名詞で、とてもヒトラーのように「ユダヤ人は劣等」とはいえない。
そのアレクサンドラはアレクサンドロス(アレキサンダー)の女性名詞である。「サンドラ」という語は、「カッサンドラ」(ギリシア悲劇の登場人物)のように用いられることはあるが、サンドラ自体で固有名詞として用いられている例は寡聞にして知らない。
レヴィーン教授の場合は、Alexandraの後半部分の音「sandra」と陽気で明るくて、思いやりのある彼女の性格から、同僚、看護師、患者などから「サンディ」という愛称で呼ばれるに至ったものである。何しろエイズ患者のほっぺたキスするところから、彼女の診察は始まるので、これには度肝を抜かれた。
このサンディも70歳過ぎて、いいおばあさんになっているはずだが、どうしているかしらん。夫は胸部外科医で、自家用機でサン・ディエゴの近くにある病院に通勤しているという話だった。ジョンズ・ホプキンス大の病理の教授になったリサ・マン(これもユダヤ系:トマス・マンに同じ)はバルティモアからワシントンまで毎日150キロ近くを通勤していた。高速道が完全無料で、しかも渋滞がないからこれができる。あれから40年近く経っても、日本の道路状況はまだアメリカ並みになっていない。
ハリケーンのニュースを観ていて、連想が30年前の南カリフォルニア大学病院にとんでしまった。
日本の天皇が国民と握手するなど、とうてい考えられないが、米国の大統領は(SPがそばについてはいるが)、平気で握手する。スポイルズ制があるから、NCI(国立癌研究所)所長の任命など、ホワイトハウスからヘリで飛んできて、研究所内で任命式をする。
私はニクソンの後のフォードが来たとき、終わって所内から玄関に出て来たときの職員の歓迎ぶりを目撃したことがある。
さてハリケーンに女性の名前をつけるのがアメリカの風習で、戦後間もなくは日本の台風にも、「キジア」、「ジェーン」、「キティ」などという女性名がつけられていたが、いつの頃からか「台風◯号」という味気ない名前に変わった。「災厄に女性名をつけるな」と、アメリカではフェミニストが騒がないのだろうか?
「サンディ」というニックネームを生むフルネームはそう多くない。サンディという愛称をもつ女性をひとりだけ知っている。アレクサンドラ・レヴィーンである。
1982年に、ロサンゼルスにエイズ実態調査に行ったとき、病理のブハラート・ナソワニ教授が紹介してくれた。
当時内科部長で医学部長もしていた、血液内科医である。背が高く、色が白く、愛嬌のある女性だった。
Levineという姓が示すようにユダヤ系である。だいたいアメリカで血液病理・血液内科で最先端を走っている人の大半はユダヤ系である。日本の「病腎移植」騒動の時にフロリダ大学から駆けつけてくれた移植外科のハワード教授もユダヤ人だし、病理のラウル・ブレイラン(私の旧友)もユダヤ人だ。NIHのエレーヌ・ジャフィも、ベルリンのハラルド・シュタインもユダヤ人だ。だから私にとってユダヤ人とは「優秀」の代名詞で、とてもヒトラーのように「ユダヤ人は劣等」とはいえない。
そのアレクサンドラはアレクサンドロス(アレキサンダー)の女性名詞である。「サンドラ」という語は、「カッサンドラ」(ギリシア悲劇の登場人物)のように用いられることはあるが、サンドラ自体で固有名詞として用いられている例は寡聞にして知らない。
レヴィーン教授の場合は、Alexandraの後半部分の音「sandra」と陽気で明るくて、思いやりのある彼女の性格から、同僚、看護師、患者などから「サンディ」という愛称で呼ばれるに至ったものである。何しろエイズ患者のほっぺたキスするところから、彼女の診察は始まるので、これには度肝を抜かれた。
このサンディも70歳過ぎて、いいおばあさんになっているはずだが、どうしているかしらん。夫は胸部外科医で、自家用機でサン・ディエゴの近くにある病院に通勤しているという話だった。ジョンズ・ホプキンス大の病理の教授になったリサ・マン(これもユダヤ系:トマス・マンに同じ)はバルティモアからワシントンまで毎日150キロ近くを通勤していた。高速道が完全無料で、しかも渋滞がないからこれができる。あれから40年近く経っても、日本の道路状況はまだアメリカ並みになっていない。
ハリケーンのニュースを観ていて、連想が30年前の南カリフォルニア大学病院にとんでしまった。
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