【科学と観察】観察(オブザヴェーション)は科学にとって基礎をなす重要な行為である。
ノーベル賞級の大発見は、ミスや偶発的な事象を見逃さない注意深い観察者に訪れる。
メチニコフによる「マクロファージ」の発見、フレミングによるペニシリンの発見、下村による発光クラゲのタンパク質の発光にナトリウムが必須であることの発見、あげてゆけばキリがないだろう。
そういうわけで、クモや霜etc.の観察を楽しんでいる。
12/5は朝7:00に2階から見下ろすと、仕事場の屋根に霜が降りていた。(添付1)
霜が全部に下りたらわからないのだが、暖房してある部分が元の黒色だから、屋根の縁に霜が下りたのがすぐわかる。
さっそく裏庭に出て、葉の霜を観察した。(添付2)
驚いたことに、この葉っぱでは表にも気孔があるとみえて、霜柱ができている。
手前は同じ葉の裏側。ここは柱にならないで、一面に小さな霜ができている。やはり葉縁に霜柱の形成が目立ち、ここに気孔が集中しているのかもしれない、と思った。
問題のジョロウグモだが、やはり上に向いていた。(添付3)
腹部の辺縁に前回と同様に、霜が付着している。
今回気づいたのだが、この姿勢はおかしい。4本の脚のうち前の2本が、後の2本よりも下側の糸をつかんでいる。腹面を上にしているのは同じだが、これはクモが日中の頭を下にした状態から、身体を180度回転させたためにこうなったのではない。それならこういう脚の位置にはならない。
これは前の二組の脚を固定させたまま、頭を軸に身体を180度回転させたアクロバット状態なのである。なるほど、霜が下りる時はこうやって腹部を上に向けるのか、と納得したが、これがいつ行われるのかはわからない。
それで昼間14:30頃、昼食後に観察したら、夏のジョロウグモとこしきにいる姿勢が違う。
脚を前に2対、後に2対ピンと伸ばしているのが普通の姿勢だが、前の脚を曲げ後の脚も縮めて、網に対して体軸を45度にしている。(添付4)
この状態で後の2対の脚を伸ばせば、胴は自動的に重力によって半回転し、添付3の写真の姿勢になれるのである。もし、この仮説が正しければ、クモは今夜も身体を回転させるだろう。霜が下りるのは早ければ夜の10時頃だ。昨夜がそうだった。
それで夜、夕食しながら「報道ステーション」を見終わって、仕事場に戻る途中にまた観察した。肉眼ではよく見えないので、勝手口の電灯を背景にシルエットを望遠撮影した。
写真撮影後、画像をよく見ると、頭が見えず、腹部が曲がって下に垂れているのがわかる。
太い脚は第1肢である。つまり午後11時には、「霜よけ」体勢に入っている。(添付5)
たぶん死んだのではなく(死んだら落下するはず)、明日の朝も生きているだろう。これがクモに霜の予知能力があるためかどうかはわからない。
たった1匹のジョロウグモを観察できただけなので、「ジョロウグモは12月に入っても生きていることがある。このクモには霜が下りることがある。霜が下りる際には、身体の軸を180度回転させ、腹部を上に向ける」ということがどこまで一般化できるかどうかわからない。
しかし、こういうことは、「クモ学」の教科書に書いてないことは確かである。
こんなことが何の役に立つのかはわからない。すぐに役に立つことをやるのが、工学、エンジニアリング、医療で、医学や物理学、生物学は知的好奇心を満足するためにやるのである。
観察もとに仮説を立て、少しずつ謎を解いて行く。それが科学というものである。
ノーベル賞級の大発見は、ミスや偶発的な事象を見逃さない注意深い観察者に訪れる。
メチニコフによる「マクロファージ」の発見、フレミングによるペニシリンの発見、下村による発光クラゲのタンパク質の発光にナトリウムが必須であることの発見、あげてゆけばキリがないだろう。
そういうわけで、クモや霜etc.の観察を楽しんでいる。
12/5は朝7:00に2階から見下ろすと、仕事場の屋根に霜が降りていた。(添付1)
霜が全部に下りたらわからないのだが、暖房してある部分が元の黒色だから、屋根の縁に霜が下りたのがすぐわかる。
さっそく裏庭に出て、葉の霜を観察した。(添付2)
驚いたことに、この葉っぱでは表にも気孔があるとみえて、霜柱ができている。
手前は同じ葉の裏側。ここは柱にならないで、一面に小さな霜ができている。やはり葉縁に霜柱の形成が目立ち、ここに気孔が集中しているのかもしれない、と思った。
問題のジョロウグモだが、やはり上に向いていた。(添付3)
腹部の辺縁に前回と同様に、霜が付着している。
今回気づいたのだが、この姿勢はおかしい。4本の脚のうち前の2本が、後の2本よりも下側の糸をつかんでいる。腹面を上にしているのは同じだが、これはクモが日中の頭を下にした状態から、身体を180度回転させたためにこうなったのではない。それならこういう脚の位置にはならない。
これは前の二組の脚を固定させたまま、頭を軸に身体を180度回転させたアクロバット状態なのである。なるほど、霜が下りる時はこうやって腹部を上に向けるのか、と納得したが、これがいつ行われるのかはわからない。
それで昼間14:30頃、昼食後に観察したら、夏のジョロウグモとこしきにいる姿勢が違う。
脚を前に2対、後に2対ピンと伸ばしているのが普通の姿勢だが、前の脚を曲げ後の脚も縮めて、網に対して体軸を45度にしている。(添付4)
この状態で後の2対の脚を伸ばせば、胴は自動的に重力によって半回転し、添付3の写真の姿勢になれるのである。もし、この仮説が正しければ、クモは今夜も身体を回転させるだろう。霜が下りるのは早ければ夜の10時頃だ。昨夜がそうだった。
それで夜、夕食しながら「報道ステーション」を見終わって、仕事場に戻る途中にまた観察した。肉眼ではよく見えないので、勝手口の電灯を背景にシルエットを望遠撮影した。
写真撮影後、画像をよく見ると、頭が見えず、腹部が曲がって下に垂れているのがわかる。
太い脚は第1肢である。つまり午後11時には、「霜よけ」体勢に入っている。(添付5)
たぶん死んだのではなく(死んだら落下するはず)、明日の朝も生きているだろう。これがクモに霜の予知能力があるためかどうかはわからない。
たった1匹のジョロウグモを観察できただけなので、「ジョロウグモは12月に入っても生きていることがある。このクモには霜が下りることがある。霜が下りる際には、身体の軸を180度回転させ、腹部を上に向ける」ということがどこまで一般化できるかどうかわからない。
しかし、こういうことは、「クモ学」の教科書に書いてないことは確かである。
こんなことが何の役に立つのかはわからない。すぐに役に立つことをやるのが、工学、エンジニアリング、医療で、医学や物理学、生物学は知的好奇心を満足するためにやるのである。
観察もとに仮説を立て、少しずつ謎を解いて行く。それが科学というものである。
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