【蛭(ひる)とヒルジン】
講談社現代新書の「第三の移植」の原稿執筆の下調べをしていて、面白い事実を「発見」した。今、日本の慢性腎不全治療法としては、32万人の患者が利用している「血液透析」が圧倒的多数であり「腹膜透析」は約4%(約1万3000人)程度しかおらず、このことからまず「血液透析」が開発され、その後で「腹膜透析」が発明されたものと思い込んでいた。
ところが「透析の歴史」を調べて見ると、確かに「糸球体の血液濾過機能」を体外で「血液透析」により代償するというアイデアは早かったが、血液型を合わせる(血液型の発見は1910年)という知識がなく、蛭(ひる)から抽出したヒルジンという抗凝固剤を用いていたため、その毒性が強くて。初期の血液透析は失敗の連続だったとわかった。
蛭は動物から血を吸う時に、唾液腺から抗凝固剤を分泌し、胃に入る血液が固まらないようにしている。この性質を利用して、日本でも西洋でも蛭による吸血が治療目的で利用された。
「御堂関白記」(1015年条)に「足の具合がよくないため<蛭喰い>をさせた」という記事があるという。蛭を瀉血目的で利用するのは、日本では平安初期からのことで、「チスイビル」を用いたとある(梶島孝雄「資料・日本動物史」、八坂書房)。
蛭の抗凝固成分ヒルジンは分子量約1万の熱耐性タンパク質で、蛭の頭を切断し、熱水で抽出するという。ヒルジンは血中のトロンビンの活性部分に結合して、血液凝固をストップさせる。「ヒルから抽出したのでヒルジンか…」と思った。
が、「ヒルは日本語ではないか。すでに古事記に<蛭子>という言葉が出てくる」と不審に思った。「日本で抽出されたのか?」と思い、各種辞書を調べたら違った。
ラテン語で蛭をHirudoといい、瀉血と並んで医用に用いられた蛭がHirudo medicinalisという種。(リンネの命名による。)1884年に、英国の生理学者J.B.ヘイクラフト(1859-1923)がHirudoの抗凝固成分を発見し、hirudin(ヒルジン)と命名した。
https://en.wikipedia.org/wiki/John_Berry_Haycraft
というわけで、たまたま日本語の「ヒル」とラテン語の「ヒルド」の音が類似していただけだった。
ヒルは英語では「リーチ(Leech)」という。ついでにこのLeechの歴史的用例を「American College Dictionary」で調べたら面白い用例があった。1)何かを得る目的で他人に付きまとう人物、2)古語:医師、3)古語:治癒させる、治す。2と3の古語は「古代英語で医師を意味するlaeceが中世英語でヒルを意味するlicheと混同されたため」とあるが、どうも中世の医学が瀉血と並んでヒルによる吸血療法を多用したために、「ヒル(leech)」と「医師(liche)」との混同が起こったのではないかという気がする。
それにしても、歴史にはこういう偶然の名前の一致ということがある。
講談社現代新書の「第三の移植」の原稿執筆の下調べをしていて、面白い事実を「発見」した。今、日本の慢性腎不全治療法としては、32万人の患者が利用している「血液透析」が圧倒的多数であり「腹膜透析」は約4%(約1万3000人)程度しかおらず、このことからまず「血液透析」が開発され、その後で「腹膜透析」が発明されたものと思い込んでいた。
ところが「透析の歴史」を調べて見ると、確かに「糸球体の血液濾過機能」を体外で「血液透析」により代償するというアイデアは早かったが、血液型を合わせる(血液型の発見は1910年)という知識がなく、蛭(ひる)から抽出したヒルジンという抗凝固剤を用いていたため、その毒性が強くて。初期の血液透析は失敗の連続だったとわかった。
蛭は動物から血を吸う時に、唾液腺から抗凝固剤を分泌し、胃に入る血液が固まらないようにしている。この性質を利用して、日本でも西洋でも蛭による吸血が治療目的で利用された。
「御堂関白記」(1015年条)に「足の具合がよくないため<蛭喰い>をさせた」という記事があるという。蛭を瀉血目的で利用するのは、日本では平安初期からのことで、「チスイビル」を用いたとある(梶島孝雄「資料・日本動物史」、八坂書房)。
蛭の抗凝固成分ヒルジンは分子量約1万の熱耐性タンパク質で、蛭の頭を切断し、熱水で抽出するという。ヒルジンは血中のトロンビンの活性部分に結合して、血液凝固をストップさせる。「ヒルから抽出したのでヒルジンか…」と思った。
が、「ヒルは日本語ではないか。すでに古事記に<蛭子>という言葉が出てくる」と不審に思った。「日本で抽出されたのか?」と思い、各種辞書を調べたら違った。
ラテン語で蛭をHirudoといい、瀉血と並んで医用に用いられた蛭がHirudo medicinalisという種。(リンネの命名による。)1884年に、英国の生理学者J.B.ヘイクラフト(1859-1923)がHirudoの抗凝固成分を発見し、hirudin(ヒルジン)と命名した。
https://en.wikipedia.org/wiki/John_Berry_Haycraft
というわけで、たまたま日本語の「ヒル」とラテン語の「ヒルド」の音が類似していただけだった。
ヒルは英語では「リーチ(Leech)」という。ついでにこのLeechの歴史的用例を「American College Dictionary」で調べたら面白い用例があった。1)何かを得る目的で他人に付きまとう人物、2)古語:医師、3)古語:治癒させる、治す。2と3の古語は「古代英語で医師を意味するlaeceが中世英語でヒルを意味するlicheと混同されたため」とあるが、どうも中世の医学が瀉血と並んでヒルによる吸血療法を多用したために、「ヒル(leech)」と「医師(liche)」との混同が起こったのではないかという気がする。
それにしても、歴史にはこういう偶然の名前の一致ということがある。
場所 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター A棟2階 会議室
議事項目 (1) 平成23年度研究実施報告
(2) 審議事項 ヒト由来試料を用いる研究計画に関わる審査
(新規及び変更〉
(略)
6. 審議事項について
1) ヒト由来試料を用いる研究計画に関わる審査(新規)
受付番号 : KOBE-IRB-12-04 「ヒト末梢血からの幹細胞の作製」
研究実施責任者 : ゲノム・リプログラミング研究チーム
チームリーダー 若山照彦
(続く)
【概要】
研究実施者の小保方研究員より、ヒト由来試料を用いる研究計画の項目に沿って説明があり、ヒト由来試料の採取場所及び提供者の選択方法について質疑応答の後、審議が行われた。審議では同意説明文書の同意撤回にかかる文言等についての確認がおこなわれ、研究計画が妥当であり、また、同意説明文書についても適正であると認められ承認とされた。
質疑応答等詳細は以下のとおり
【質疑応答】
* 材料(血液)は医療機関で採取する方法も考えられるが研究室で採血することに関し何か考えがあるのか。KO
説明者: 材料を迅速に実験に供するという意味で採血は研究室の医師が実施し、何かあれば、常駐する医師の判断に従って、迅速な対応を取るということで、安全性を担保することを考えている。
委員長 : インフォームドコンセントには健常者から採る場合と、患者から採る場合があるが、健常者から採るという研究か。
説明者 ; そうである。
(略)
*計画書に研究室が来年移転することが書かれているが。
*移転先の施設が完全にできてないため、一年間は兼任を認め、理研で実施する。
委員長 ; 移転の際は、もう一回、共同研究計画を見なければならないが、いまの時点では
理研で実施すると言う事で審議すればよい。
では、委員会としては、申請を承認してよろしいか。
《受付番号: KOBE-IRB-12-04 「ヒト末梢血からの幹細胞の作製」について、申請書のとおり承認された 》
常駐する?
笹井さんは後に其れを知った。
若い研究者の育成にも熱意を持っておられた。
NHKに内部試料を送り穿った解釈をさせた者。
STAP細胞の真実を知って居ながら善意の人を装う偽善者。
嘘の告発をさせ私憤を晴らす者。
皆共犯者
電車の中で大きな筒を抱えた綺麗なお嬢さんの二人連れが、
「こんなの持ってると怪しまれるかな」とお喋りしていた。
学会用のポスターのよう。
確かに、見ようによっては、、、
若い研究者の邪魔をする、老害たち。
自分にも若い時があった事を忘れたのだろうか。