ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【電子メディア】難波先生より

2013-01-22 12:06:38 | 難波紘二先生
【電子メディア】民主主義国だったマリ北部に反政府のアルカイダが台頭し、同国政府と協力して、テロリスト集団を撲滅するためにフランスが軍隊を派遣したら、隣国アルジェリアで天然ガス開発に関与している諸国の企業民間人が人質に取られた。
 報道はNYTがもっとも詳しい(日本人にのみ集中していない)ようだ。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323284004578248243256847554.html
 日経は英紙ファイナンシャル・タイムス(FT)の社説を翻訳紹介し、「仏軍介入が不可避だったこと」を説明している。
 事件は「起こるべくして起きた」ともいえる。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGV15001_V10C13A1000000/


 マリは古の「黄金の王国トンブクツー」だ。イブン・バツータが「三大陸周遊」をした頃は富み栄えていた。
 今は世界の最貧国のひとつだろう。イスラムの貧困とアルカイダは切っても切れない関係にある。


 同じような人質事件は、9.11のテロ後に米軍がイラクに侵攻した際にも起きた。2004年には日本人ボランティアや韓国人牧師まで人質に取られ、後者は殺害された。日本政府が「法人退去命令」を出した後も現地で活動していた、北海道出身の高遠菜穂子さんは非国民扱いされ、「自己責任だ」という非難の嵐に曝された。
 高遠菜穗子
http://ja.wikipedia.org/wiki/高遠菜穂子
 彼女の著書『愛してるって、どういうの言うの?』(文芸社, 2002)を読むと「私がテレビを見ない理由」という、メディア批判があるから、それが気に入らず「非国民」にされたのであろう。


 善意の民間人なら見殺しにし、金儲けの会社員なら大騒ぎする。自己の利益がからんでいるとはいえ、おかしな話だ。


 だいたい日本のメディアは国際報道が弱すぎる。マリがアルカイダ系に乗っ取られそうになっていて、やむなくフランスが派兵したこと、隣国のアルジェリアも危ないこと、同国の南東部にあるアハガル山地に「イナメス天然ガス田」があり、日系企業が進出していることなど、これまでちっとも報道がなかった。日本の特派員なんているのか?
 マリノ北部にあるイフォラ山地はアハガル山地につながっていて、あの辺は国境などあってないのも同然だから、事態は当然予想できただろうに…


 昨夜のテレビ朝日「報道ステーション」の騒ぎ方は何だ。ショーではないのだ。
 人質解放についてもNYTは「この報道は確認されていない」と明記している。
 まことに理不尽な人質事件だが、どうか「ショー化」することなく、確認事実に基づいた報道をしてもらいたい。


 永年愛読した紙版のニューズウィーク(NW)が昨年末で廃刊になり、今年から電子版に移行した。1/31/2012号が「Last Print Issue」で、新年から電子版がメールで配達されている。これも大きなニュースなのに新聞は報道しなかった。


 最終号はニュース報道ではなく、1937年創刊以来の主な出来事とその報道についての懐古となっている。これは保存するつもりだ。「ライフ」も「リーダースダイジェスト」もなくなったし、紙雑誌が消えて行く…
最終号は電子版でも無料公開されているようだ。
 http://www.thedailybeast.com/newsweek-web-reader-library.html


 「That Day of Infamy」という見出しのページがあり、「え、まだ真珠湾攻撃を根にもっているの?」と一瞬思った。インファミィは「名誉famaousでないこと」をいうが、「汚辱、屈辱」の意で、パールハーバーの後、議会でトルーマン大統領が行った対日宣戦布告演説に登場した有名な言葉だからだ。


 が、隣に9/11の第一報を、大統領専用機「エアフォース・ワン」の中で見た瞬間の、報道関係者の反応をカメラマンが撮った写真が載っていて、ある意味でほっとした。手で顔を覆った黒人女性記者、手帳を片手に口をぽかんと開けた白人男性記者などが写っており、貴重な写真だ。9/11事件に際してNWが特別号を出した際の、記者の懐古記事だった。


 普通、NWは50ページだがこの号は80頁あり、後半はすべて広告。「教育」という特集広告があり「Universities in Japan」というのがある。「日本のベスト大学」という項では「日本には700の大学があり、タイムズの調査で世界のトップ200大学に11大学が入っていること、日本の大学は工学、医学、日本文学、エレクトロニックス、国際ビジネス管理で質の高い教育が受けられること、毎年10万人の外国人留学生を受け入れていること」などの概説に続いて、関西大学と明治大学の紹介と別枠での広告が載っている。


 マレーシア、シンガポール、香港、韓国、ベトナム、オーストラリア、英国、米国の大学についても紹介広告がある。
 これは今年4月に出る「アジアのベスト大学」という、紙版特集号についての広告募集を兼ねているようだ。


 「権力の横顔(Portraits of POWER」では1936年以来の、表紙に掲載された大統領の顔を載せている。(写真または戯画)
 FD ルーズベルト、アイゼンハワー、JFK、ジョンソン、ニクソン、フォード、カーター、レーガン、父ブッシュ、クリントン、子ブッシュ、オバマは表紙に載ったが、トルーマンは載らなかったようだ。オバマは「最初のゲイ大統領」とキャプションにある。


 元ワシントンポスト記者でベトナム戦争批判の『ベスト アンド ブライテスト』を書いたD.ハルバースタム『朝鮮戦争』(文藝春秋)には、朝鮮戦争中にマッカーサー将軍(英語には「元帥」という言葉がない、「五つ星将軍」という)を解任したことで、雑誌タイムズに「これほど不人気な人物が、かくも人気のある人物を解任したのは初めてだ」と書かれたとある。
 トルーマンは在職中は不人気で、後に朝鮮戦争で核兵器を使用しなかったことなどで、評価が高まった。当時のNWの表紙には、だから間に合わなかったのであろう。


 電子版NWをトライした。ほぼA4縦長の従来のスタイルは維持されているが、iPAD、KINDLEなど電子ブック用にレイアウトが少し変わっている。(2列または3列の記事配列が、画面の関係か1列になったものが多い。)
 画面上方に写真または絵、下面が記事になっている。
 よくなったのはクリックすると記事関係の動画に行けること。映画の予告編にもつながっているのがよい。


 老眼鏡なしで文字が自由に拡大できるのもよい。ダウンロードしてSKIMを使えばアンダーラインや書き込みもできる。


 <2012年の最悪10大SCAM>という記事がある。スカムは「だまして悪いことをする」というサギの一種を意味する米俗語。
 上位を紹介すると、
 1)「IDどろぼう」=CC, 銀行口座、社会保障No.などの個人情報を盗み、銀行口座を開設後、CC会社に新たにカードを発行してもらうもの。映画「アイデンティティーどろぼう(Identity Thief)」というのも作られたそうだ。
  年間被害額480億ドルで過去10年以上、トップにランクするという。
 2)「宝くじ・遺産サギ」=買った覚えのないクジにあたった、知らない遠い親戚が相続人がいなくて巨万の富を相続できるようになったという話を持ち込み、事前の「手数料」を要求するもの。「チャリティー募金詐欺」というのも多いそうだ。


 3)「ホームビジネス詐欺」=昨年200万人の被害が出ている。CCの処理業務、HPの管理運営、政府保険の支払い業務などを自宅でできると売りこみ、その手助けをするとお金を騙しとるもの。
 4)「修理詐欺」=自動車修理がらみが多いが、「現金前払いなら大割引」と称して修理代をもらい、そのまま消えるか完全に修理していない車を引き渡すもの。現金支払いは米国ではまれ。
 5)「個人財政・負債詐欺」=資産管理が自分でできていない人をターゲットに、さらに借りさせるもの。大手会社2社が昨年摘発された。


 こうしてみると、21世紀のどろぼう詐欺は20世紀とまったく変わったことがわかる。
 金融・信用がらみが多い。この手のスカムは日本でも今後増えるだろう。
 日本でも振り込め詐欺とか「おいしい話」詐欺はいろいろある。カード詐欺はもう出ている。
 人間に「欲心」があるかぎり、判断力が低下して騙される人はなくならないだろう。
 
 「無料でNW用のiPAD版ソフトをダウンロードできる」とあったので、トライしたが夏に娘に貸したとき、暗証番号を書き換えたとみえて、上手くいかなかった。PC版は自由に読めるが、縦長画面にした方が読みやすいので、至急にiPADで読めるようにしたい。


 電子化されても、執筆者の名前が明示されてあれば記事の信用は落ちない。NWはすべて署名記事で記事末はゴチックでNWとあった。
それに比べて日本の新聞は記事に署名がない。あれを電子化したら今でも低い信用度はもっと落ちるだろう。
 時流に遅れまいと電子化しているだけで、紙名のロゴ脇にメールでの連絡さえなく、電話も「大代表」しかないというクラッシックな新聞もある。(添付)


 電子メーの宛先も書いてない。私は電話で変な応答をされると「激怒」することがあり、これが同じ日に4回重なると、「躁病」を起こすことを体験的に知っているので、電話はしない。
 それに電話だといちいちICレコーダーで録音しておかないと、証拠が残らない。手紙は面倒だ。
 今や読者とのインターアクティブな時代だ。部門毎のメルアドぐらい載せておくのが常識だと思う。
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