ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【歴史認識】難波先生より

2015-05-20 08:04:05 | 難波紘二先生
【歴史認識】
 前回、<「アジア各国が歴史認識を共有するのは難しいと思う。しかし、歴史資料はお互いに共有できる。その原資料に基づいた歴史対話が必要だ。」
 2001年に発足した「アジア歴史資料センター」の初代センター長の言葉だそうだ。

 これだな、と思う。日韓共通の歴史教科書など、現状ではできるわけがない。
 「歴史認識」をうんぬんする前に、日韓で歴史資料を吟味し共有し、それらに基づいて議論を進めるべきだろう。
 共有するためには「文献批判学」がなくてはならない。古文書はすべて紙線維のC14を測定して、用紙と内容とが時代一致することを確定する。墨も成分を分析して、古紙に新しく書かれたものでないことを確認する。
 要するに自然科学の方法を駆使して、偽書・捏造文書の類を排除して行けば、日韓が共有できる原資料はおのずから限定されてくる。> と書いた。

 「VOICE」6月号のケント・ギルバートの「韓国人こそ歴史を学べ」というインタビュー記事を読んで、私の認識が甘かったことに気づいた。彼は今、カリフォルニアで弁護士をしているが、ユタ州育ちだそうだからモルモン教徒かもしれない。
 19歳で日本語を初めはローマ字で習い始めて、ひらがな、カタカナ、漢字を学んだという。日本語の会話が上手なのはテレビで証明済みだ。
 彼の説だと、日本は韓国を併合後に、朝鮮人のあまりの識字率の低さに驚き、「漢字ハングル混合文」による初等学校教育を普及させた。ところが戦後に独立した大韓民国は「ハングルの優秀性」を強調するあまり、漢字全廃を行ってしまった。根底には漢字熟語を使用する限り、政治・経済・科学用語はほとんどすべてが、「日本人による造語」という問題があった。
 漢字廃止の結果、李朝以前の政治文書や知識階級による文書は、すべて漢文だったから、これらが読めなくなった。ケントはそう指摘している。
 このことは富田有恒『韓国が漢字を復活できない理由』(祥伝社新書, 2012)も述べていた。

 なるほど、現状では「歴史資料の共有と原資料に基づいた歴史的対話」は不可能である。
 つまらぬ見栄で国民が(一部の学者を除いて)、自国の歴史資料が読めなくなるのと、自国資料を誰でも読めて、証拠に基づいて正々堂々と隣国の「歴史認識」の間違いを指摘できるのと、どっちがよいかなぜ考えようとしないのだろうか?
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【STAP事件と神戸生体肝移植... | トップ | 【輸入規制】難波先生より »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

難波紘二先生」カテゴリの最新記事