【ミノムシ】ふと気づくと書庫に入る前のコンクリート台の壁にミノムシがたくさん張りついているのを見つけた。蓑を被ったまま這っているのもいたから、芝生の上をつたって雨のかからないコンクリート台や書庫の壁に移動したものであろう。(写真1)
(写真1)
よく見ると、尻尾の先に緑色の苔をくっつけたものがいた。ミノムシは尾部を30度くらい持ち上げて壁からぶら下がっているので、接写で焦点を合わせるには斜め横から撮影するしかない。
(写真2)
写真2はそうやって撮影したもので、左が壁の上方、右が下方である。蓑の大部分は細い枯れ草の葉や茎を噛み切ったもので出来ているが、尾部の先端に淡い緑色の苔がまとわり付いている。緑色が褪せたのは、発見してから写真撮影まで3,4日経っているからだ。
それにしても周囲の芝生にはこういう苔は生えていない。裏庭で苔が生えているのはテーブル状の平たい岩2個だけで、そこまでは10mくらいある。そこで蓑を製作して、えっちらおっちらと蓑を被って書庫の外壁まで移住してきたのであろうか?
こうしてみるとミノムシの蓑ひとつにしても、こっちの知らないことばかりだと感じる。
「蓑虫の父よと鳴きて母もなし」(高浜虚子)
これは
「蓑虫、いとあはれなり。…八月ばかりになれば、「ちちよ、ちちよ」と、はかなげに鳴く、いみじうあわれなり」(「枕草子」第40段)
を踏まえての句だが、ミノムシは鳴かないので、どちらも誤解の産物である。
ミノムシはミノガの受精卵から生まれるので、動物学的に父も母もいる。
昔の人は生物学に無知でもすんだから、幸せだったかもしれないな。
ミノムシは枯れ草を身にまとって雨露を防ぐのだが、その蓑をちゃっかり利用する他の虫がいた。雨もよいの日に、コンクリート壁のミノムシを観察していて、蓑の下に隠れている小さな甲虫を見つけた。雨宿りのつもりだったのだろう。頭からまっすぐに蓑の下に身体を突っ込んでいるので、初めはよくわからなかったが、脇から観察し、甲虫だと分かったので蓑を指先で動かしたら外に出てきた。(写真3)
(写真3)
腹節背部の甲に小さなこぶが多数あり、胸節よりも頭部の方が大きいという特徴があるが、この昆虫の種名が私にはわからない。ご存知の方があったらご教示願いたい。
このミノムシ(最初に掲げたものとは別の個体)も、やはり尾部の先端に苔をつけている。
それにしてもミノムシの蓑を傘に借用する昆虫がいるとは知らなかった。
「記事転載は事前にご連絡いただきますようお願いいたします」
(写真1)
よく見ると、尻尾の先に緑色の苔をくっつけたものがいた。ミノムシは尾部を30度くらい持ち上げて壁からぶら下がっているので、接写で焦点を合わせるには斜め横から撮影するしかない。
(写真2)
写真2はそうやって撮影したもので、左が壁の上方、右が下方である。蓑の大部分は細い枯れ草の葉や茎を噛み切ったもので出来ているが、尾部の先端に淡い緑色の苔がまとわり付いている。緑色が褪せたのは、発見してから写真撮影まで3,4日経っているからだ。
それにしても周囲の芝生にはこういう苔は生えていない。裏庭で苔が生えているのはテーブル状の平たい岩2個だけで、そこまでは10mくらいある。そこで蓑を製作して、えっちらおっちらと蓑を被って書庫の外壁まで移住してきたのであろうか?
こうしてみるとミノムシの蓑ひとつにしても、こっちの知らないことばかりだと感じる。
「蓑虫の父よと鳴きて母もなし」(高浜虚子)
これは
「蓑虫、いとあはれなり。…八月ばかりになれば、「ちちよ、ちちよ」と、はかなげに鳴く、いみじうあわれなり」(「枕草子」第40段)
を踏まえての句だが、ミノムシは鳴かないので、どちらも誤解の産物である。
ミノムシはミノガの受精卵から生まれるので、動物学的に父も母もいる。
昔の人は生物学に無知でもすんだから、幸せだったかもしれないな。
ミノムシは枯れ草を身にまとって雨露を防ぐのだが、その蓑をちゃっかり利用する他の虫がいた。雨もよいの日に、コンクリート壁のミノムシを観察していて、蓑の下に隠れている小さな甲虫を見つけた。雨宿りのつもりだったのだろう。頭からまっすぐに蓑の下に身体を突っ込んでいるので、初めはよくわからなかったが、脇から観察し、甲虫だと分かったので蓑を指先で動かしたら外に出てきた。(写真3)
(写真3)
腹節背部の甲に小さなこぶが多数あり、胸節よりも頭部の方が大きいという特徴があるが、この昆虫の種名が私にはわからない。ご存知の方があったらご教示願いたい。
このミノムシ(最初に掲げたものとは別の個体)も、やはり尾部の先端に苔をつけている。
それにしてもミノムシの蓑を傘に借用する昆虫がいるとは知らなかった。
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例えば、体長の情報は重要です。常にスケールを入れて撮影するように心がけられるといいのではないかと思います。
写真からは、コブゴミムシダマシ科の昆虫に見えますが、種までは同定できません。