【朝日の思い出】
「文藝春秋」10月号に、平川祐弘東大名誉教授(比較文化史)が「朝日の正義はなぜいつも軽薄なのか」という論評を載せている。この人は「産経」の「正論」欄によく論評を載せている。10/2「産経」には「両翼と闘う河合(栄治郎)精神と朝日の差」というコラムが掲載されている。
竹山家は戦前からの「朝日」読者だったが、1984年にある事件をきっかけにやめたそうで、その理由がるる書いてある。この人は谷沢英一のような文章家でも毒舌家でもないが、論理的で説得力のある文を書く。
私も長い間「朝日」の読者だったが、1980年代の終わりにとるのを止めた。その後は地元紙と他紙をいろいろ変えながら併読している。
1982/6/26に「教科書誤報」事件が起きた。文部省の教科書検定により日本軍の「華北への侵略」が「華北への進出」と書き換えられたという事件だ。これは各社とも誤報で、文部省記者クラブの記者たちが手分けして各教科書会社を取材する過程で、「書き換え」誤報(日本テレビの担当)が生じたものだが、私はすっかり信じ込んだ。たまたま、大学で「文藝春秋」の新刊号記事を読んだ教授がいて、「朝日の誤報」だというので、「朝日」を信じていた私が大いに反論して、論争になった。が、後に誤報と確定して面目を失墜した。
その次が1984/8/4「朝日」の「南京事件の生首写真」報道だ。この写真は満州で処刑された匪賊のものと確定しているが、朴慶植『朝鮮人強制連行の記録』(未来社,1965)では、日本軍により殺された朝鮮人のものとされ、「朝日」により「南京大虐殺の証拠写真」とされて、使い回しされている。が、朝日の訂正・謝罪は1986/1/23まで遅れた。
その次が1984/10/31の「日本軍による中国での毒ガス使用」の証拠写真である。これは後に「洞庭湖付近の渡河作戦」で煙幕をはった写真だと判明した。(「正論」11月号、石川水穂「朝日新聞解体新書No.1」によると、同じ場所を撮影した写真が毎日『決定版昭和史9』にあるという。)これについての明白な訂正と謝罪は当時なかった。
それから1989/4/20の「KYサンゴ礁」事件である。沖縄の珊瑚にKYというイニシアルの傷をつけ、それを写真入りの記事にして、「環境保全」の重要性を訴えたのだから悪質だ。
「この新聞はウソばかり書いているな。読んでいるとろくなことがない」と思い、とるのをやめた。もうそれから25年になる。
もっとも他紙も誤報と無縁というわけではない。毎日の『決定版昭和史』シリーズは蔵書にあったな、と調べたら『一億人の昭和史・全15冊』(毎日新聞社, 1975)だった。で、その「第二巻 2・26事件と日中戦争」を見ると、千田夏光「<従軍慰安婦>という悲しい存在」という3頁記事が載っていて、「十数万いたと推定される従軍慰安婦の8割以上が朝鮮の農村からつれだされた未婚の朝鮮女性であった」と書いてある。
千田夏光(1924-2000)は1957年までは「毎日」の記者で、以後フリーの作家となったが、この内容の記事を載せた責任は「毎日」にもあるだろう。
「文藝春秋」10月号に、平川祐弘東大名誉教授(比較文化史)が「朝日の正義はなぜいつも軽薄なのか」という論評を載せている。この人は「産経」の「正論」欄によく論評を載せている。10/2「産経」には「両翼と闘う河合(栄治郎)精神と朝日の差」というコラムが掲載されている。
竹山家は戦前からの「朝日」読者だったが、1984年にある事件をきっかけにやめたそうで、その理由がるる書いてある。この人は谷沢英一のような文章家でも毒舌家でもないが、論理的で説得力のある文を書く。
私も長い間「朝日」の読者だったが、1980年代の終わりにとるのを止めた。その後は地元紙と他紙をいろいろ変えながら併読している。
1982/6/26に「教科書誤報」事件が起きた。文部省の教科書検定により日本軍の「華北への侵略」が「華北への進出」と書き換えられたという事件だ。これは各社とも誤報で、文部省記者クラブの記者たちが手分けして各教科書会社を取材する過程で、「書き換え」誤報(日本テレビの担当)が生じたものだが、私はすっかり信じ込んだ。たまたま、大学で「文藝春秋」の新刊号記事を読んだ教授がいて、「朝日の誤報」だというので、「朝日」を信じていた私が大いに反論して、論争になった。が、後に誤報と確定して面目を失墜した。
その次が1984/8/4「朝日」の「南京事件の生首写真」報道だ。この写真は満州で処刑された匪賊のものと確定しているが、朴慶植『朝鮮人強制連行の記録』(未来社,1965)では、日本軍により殺された朝鮮人のものとされ、「朝日」により「南京大虐殺の証拠写真」とされて、使い回しされている。が、朝日の訂正・謝罪は1986/1/23まで遅れた。
その次が1984/10/31の「日本軍による中国での毒ガス使用」の証拠写真である。これは後に「洞庭湖付近の渡河作戦」で煙幕をはった写真だと判明した。(「正論」11月号、石川水穂「朝日新聞解体新書No.1」によると、同じ場所を撮影した写真が毎日『決定版昭和史9』にあるという。)これについての明白な訂正と謝罪は当時なかった。
それから1989/4/20の「KYサンゴ礁」事件である。沖縄の珊瑚にKYというイニシアルの傷をつけ、それを写真入りの記事にして、「環境保全」の重要性を訴えたのだから悪質だ。
「この新聞はウソばかり書いているな。読んでいるとろくなことがない」と思い、とるのをやめた。もうそれから25年になる。
もっとも他紙も誤報と無縁というわけではない。毎日の『決定版昭和史』シリーズは蔵書にあったな、と調べたら『一億人の昭和史・全15冊』(毎日新聞社, 1975)だった。で、その「第二巻 2・26事件と日中戦争」を見ると、千田夏光「<従軍慰安婦>という悲しい存在」という3頁記事が載っていて、「十数万いたと推定される従軍慰安婦の8割以上が朝鮮の農村からつれだされた未婚の朝鮮女性であった」と書いてある。
千田夏光(1924-2000)は1957年までは「毎日」の記者で、以後フリーの作家となったが、この内容の記事を載せた責任は「毎日」にもあるだろう。
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