【シキミとドングリ】10/23「廃用性萎縮」の記事に、
<毒 (花職人)2014-10-24 02:49:ドングリの実によく似たシキミの実(猛毒)にご注意ください。 劇物指定の実です。非常によく似ています。北日本にはシキミは自生していないそうですが、関東以西の日本の山林でドングリ風に落ちていることがあります。>
というご指摘をいただいた。
シキミについてはWIKIに記載がある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%AD%E3%83%9F
シキミの毒については「シキミ酸」とあるが、これは『薬科学大辞典・第2版』(廣川書店 )には載っておらず、『Merck Index, 11 ed.』(1989)に「マウスでLD50が1000mg/Kg」とあった。ヒトに換算すると体重20Kgの子供の場合、20グラム摂取すると半分が死ぬということになる。20グラムというと、成人におけるアスピリンのLD50とほぼ同じだ。アスピリンの方が、よほど毒性が高い。
シキミ酸 (Shikimic acid)はベンゼン核の1の位置にカルボキシル基が、2の位置に反応する水酸基が、3と4の位置に反応しない水酸基がそれぞれ付いたものだ。ちょうどグリセロール(グリセリン)から複雑な脂肪酸が合成されるように、ほとんどの植物アルカロイド合成の基礎物質になる、とある。
私見に間違いがあれば、根拠を示してご意見をお願いします。医療に必要なのはEBM(Evidence-Based Medicine)ですが、建設的なネット論議にはEBD (Evidence-Based Description/Discussion)が必要だと思います。
『原色植物図鑑』(集英社, 1964)には「有毒」とだけあり、『原色日本植物図鑑:木本編Ⅱ』(保育社, 1979)には「果実はアニサチンを含み有毒」とあるが、このアニサチンは学名のIllicium anisatum リンネ、に由来すると思われる。しかし上記『薬科学大辞典』にも『メルク・インデックス』にもアニサチンという言葉がない。
WIKIにもあるように、シキミは、昔「モクレン科」(『原色植物図鑑』)で、いま「シキミ科」(『原色日本植物図鑑:木本編Ⅱ』)になっている。常緑のツバキやモクレンのような、厚い光沢のある葉をしており、樹下に落ちている実を拾う場合に、ドングリと間違える人はあるまい。
私はドングリでもキノコでも、見つけたらまず生で少しだけ囓って、味わうことにしている。苦ければ有毒アルカロイドなどがあるのだから、ペッと吐き出せばよい。ニコチンは口腔や気道からの粘膜吸収が起こるが、他のアルカロイドは胃でしか吸収されない。
私はそう理解しているから、自分の味覚を信用している。今日もサルトリイバラの赤い実を囓ったが、味がないので食うのは止めた。
10/26、山口県萩市の旧武家屋敷の庭でドングリに似た木の実を見かけた。でもこれは両緑樹で、実は幅1cmほどしかなく、子供でさえ拾いそうにない。これがシキミではないかと思う。食えるドングリとはヘタの形が違う。(写真2)間違っていればどなたかご指摘あれ。
(写真2)
裏庭に紫色の筒状の花が咲き残っている。(家内の話だとメドウ・セージの花という。)それを目当てに時おり、スズメ蛾が飛来する。夏場によく見るのは、羽が透明なオオスカシバだが、これは中型で羽が透明でない。(写真3)

(写真3)
オオスカシバは空中静止(ホバリング)時間が長いが、これはチョコマカと動き回るから撮影が難しい。苦労して長い吸い口と後羽の状態、尾部が開いている状態を撮影できたが、ISO800でも、前羽が2枚に写った。手ぶれでなく、被写体の運動のせいだ。
で『原色昆虫大図鑑・蝶蛾編』(北竜館)を見たら「スズメガ科ホシホウジャク」(Macroglossum pyrrhostica)という蛾が、頭胸部の茶褐色縦縞、後羽の黄色い帯、腹部の黄色いバンドが存在し、尾部が尻すぼみになっていない点などからよく似ている。
説明には「成虫は7〜11月に出現、幼虫はヘクソカズラの葉を食べる」とある。このカズラは近辺に沢山ある雑草だ。
属名の「マクログロッスム」は「大きな舌」という意味で、たぶん口吻が太くて長いところに由来するのであろう。だが日本語の学名はもうメチャクチャだ。和名を見ただけでは科も属もわからない。植物学もそうだが、動物名はもっとなんとかならないものか…
このホシホウジャクの羽の運動は目にとまらないくらい早い。きっと体重を支えるのに筋肉は激しく運動し、多量のATP分子を消費するだろう。電子顕微鏡でミトコンドリアがどうなっているか、調べたら面白いと思う。
手元に今、標本保存用のグルタールアルデヒドがないが、研究する人がいれば協力します
<毒 (花職人)2014-10-24 02:49:ドングリの実によく似たシキミの実(猛毒)にご注意ください。 劇物指定の実です。非常によく似ています。北日本にはシキミは自生していないそうですが、関東以西の日本の山林でドングリ風に落ちていることがあります。>
というご指摘をいただいた。
シキミについてはWIKIに記載がある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%AD%E3%83%9F
シキミの毒については「シキミ酸」とあるが、これは『薬科学大辞典・第2版』(廣川書店 )には載っておらず、『Merck Index, 11 ed.』(1989)に「マウスでLD50が1000mg/Kg」とあった。ヒトに換算すると体重20Kgの子供の場合、20グラム摂取すると半分が死ぬということになる。20グラムというと、成人におけるアスピリンのLD50とほぼ同じだ。アスピリンの方が、よほど毒性が高い。
シキミ酸 (Shikimic acid)はベンゼン核の1の位置にカルボキシル基が、2の位置に反応する水酸基が、3と4の位置に反応しない水酸基がそれぞれ付いたものだ。ちょうどグリセロール(グリセリン)から複雑な脂肪酸が合成されるように、ほとんどの植物アルカロイド合成の基礎物質になる、とある。
私見に間違いがあれば、根拠を示してご意見をお願いします。医療に必要なのはEBM(Evidence-Based Medicine)ですが、建設的なネット論議にはEBD (Evidence-Based Description/Discussion)が必要だと思います。
『原色植物図鑑』(集英社, 1964)には「有毒」とだけあり、『原色日本植物図鑑:木本編Ⅱ』(保育社, 1979)には「果実はアニサチンを含み有毒」とあるが、このアニサチンは学名のIllicium anisatum リンネ、に由来すると思われる。しかし上記『薬科学大辞典』にも『メルク・インデックス』にもアニサチンという言葉がない。
WIKIにもあるように、シキミは、昔「モクレン科」(『原色植物図鑑』)で、いま「シキミ科」(『原色日本植物図鑑:木本編Ⅱ』)になっている。常緑のツバキやモクレンのような、厚い光沢のある葉をしており、樹下に落ちている実を拾う場合に、ドングリと間違える人はあるまい。
私はドングリでもキノコでも、見つけたらまず生で少しだけ囓って、味わうことにしている。苦ければ有毒アルカロイドなどがあるのだから、ペッと吐き出せばよい。ニコチンは口腔や気道からの粘膜吸収が起こるが、他のアルカロイドは胃でしか吸収されない。
私はそう理解しているから、自分の味覚を信用している。今日もサルトリイバラの赤い実を囓ったが、味がないので食うのは止めた。
10/26、山口県萩市の旧武家屋敷の庭でドングリに似た木の実を見かけた。でもこれは両緑樹で、実は幅1cmほどしかなく、子供でさえ拾いそうにない。これがシキミではないかと思う。食えるドングリとはヘタの形が違う。(写真2)間違っていればどなたかご指摘あれ。

裏庭に紫色の筒状の花が咲き残っている。(家内の話だとメドウ・セージの花という。)それを目当てに時おり、スズメ蛾が飛来する。夏場によく見るのは、羽が透明なオオスカシバだが、これは中型で羽が透明でない。(写真3)

(写真3)
オオスカシバは空中静止(ホバリング)時間が長いが、これはチョコマカと動き回るから撮影が難しい。苦労して長い吸い口と後羽の状態、尾部が開いている状態を撮影できたが、ISO800でも、前羽が2枚に写った。手ぶれでなく、被写体の運動のせいだ。
で『原色昆虫大図鑑・蝶蛾編』(北竜館)を見たら「スズメガ科ホシホウジャク」(Macroglossum pyrrhostica)という蛾が、頭胸部の茶褐色縦縞、後羽の黄色い帯、腹部の黄色いバンドが存在し、尾部が尻すぼみになっていない点などからよく似ている。
説明には「成虫は7〜11月に出現、幼虫はヘクソカズラの葉を食べる」とある。このカズラは近辺に沢山ある雑草だ。
属名の「マクログロッスム」は「大きな舌」という意味で、たぶん口吻が太くて長いところに由来するのであろう。だが日本語の学名はもうメチャクチャだ。和名を見ただけでは科も属もわからない。植物学もそうだが、動物名はもっとなんとかならないものか…
このホシホウジャクの羽の運動は目にとまらないくらい早い。きっと体重を支えるのに筋肉は激しく運動し、多量のATP分子を消費するだろう。電子顕微鏡でミトコンドリアがどうなっているか、調べたら面白いと思う。
手元に今、標本保存用のグルタールアルデヒドがないが、研究する人がいれば協力します
シキミの毒性成分はアニサチン(anisatin)と書いてある。半数致死量は約 1 mg/kg。
詳しい方は間違えないです。
「非常によく似ています」とコメントしましたのは間違いです。小保方氏が美人アナウンサーに似ていると騒がれた程度の「似ています」です。誇張表現をしてすみません。大きさも丸みも全然違いますし、どこをどう見たら間違えるの?と思いますが、それでも、たまに間違えて拾って帰ってパンケーキやスープに入れて食べる事故があるので注意喚起の為にも劇物指定になったのでしょうか。
私は難波先生が見間違えると考えた訳ではなく、コメント欄を見る方にお伝えしたい気持ちがありました。目の前に注意の貼り紙があっても見ていない人が多い世の中ですから。(私も含めて)
根拠を示すのが科学的態度ですね。失礼しました。シキミについては、Wikipediaは記載が足りないようです。
葉のギザギザは「鋸歯」と呼びますね。スダジイの葉について調べてみると、アラカシ同様に葉の先端半分にあるようなので、難波先生の萩市の写真の植物はスダジイで間違いないようです。
スダジイのドングリは昔大学構内で拾って食した事がありますが、あくがほとんどないので、フライパン等で煎るだけで美味しく食べられます。ツブラジイ(コジイ)とくらべると歯ごたえがあるのが難点です。