ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【第三の大久保】難波先生より

2012-11-08 23:48:53 | 難波紘二先生
【第三の大久保】今の日本は「第三の敗戦」だとか、「第三の開国」だとかいわれ、明治維新以来の大きな時代の転換点に差しかかっていることは、間違いないだろう。都知事をやめた「暴走老人」石原慎太郎と橋下徹大阪市長の「日本維新」党がどうなるか、大いに注目に値する。


 小沢一郎が一番尊敬する政治家は、明治の元勲大久保利通である。西南戦争の後に、1878(明治11)年5月14日、今の清水谷公園にあった自宅から紀尾井坂を赤坂見附方面にむけて、馬車に乗って出勤するところを、テロリストに襲われ暗殺された。
 大久保は、佐賀の乱で江藤新平を殺し、台湾出兵で木戸孝允を辞職に追いやり、西南戦争で西郷を死なせた男として、一般の評判はよくない。
 どうして小沢が、大久保をそれほどまでに尊敬するのか。


 AMZONに大久保関係の評伝、史料の類をさしあたり何冊か注文した。2冊が今日届いた。
 堺屋太一:「日本を創った12人」(PHP文庫, 2006)には、明治以後の人物として5人(大久保、渋沢栄一、マッカーサー、池田勇人、松下幸之助)があげられている。池田は大蔵官僚出身だから、純粋な政治家としては大久保利通だけ、ということになる。
 これは通産官僚出身の作家堺屋ならではの人選であろう。


 堺屋は「近代日本の官僚制度は、大久保が作った」と主張しているが、説得力のある史料や根拠を呈示できないでいる。
 村松剛は「醒めた炎」で木戸孝允の評伝小説書いたが、どうも私の知る限り、大久保を扱った小説はないように思う。
 ひょっとして、大久保利通の人物像は、作家の理解能力を超えているのではあるまいか。


 佐々木克(監修):「大久保利通」(講談社学術文庫, 2004)は興味深い史料である。
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