ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【ロケット】難波先生より

2013-01-09 12:59:00 | 難波紘二先生
【ロケット】フランスのSF作家ジュール・ヴェルヌの「月世界旅行」(1865)では、南北戦争中のアメリカに誕生した「大砲クラブ」のプロジェクトとして月ロケットが計画され、その発射基地としてフロリダが選ばれている。


 理由は、
 1)月が天頂に来る地域は合衆国では北緯28度以南であり、東海岸ではフロリダしかない、
 2)ロケット(小説では砲弾)が地球の引力圏を脱するには、初速12キロ/秒が必要であり、発射には地球の東への自転速度を利用して、フロリダから東の海に向けて行うしかない、
 という点にあった。(ヴェルヌ「月世界旅行」、ちくま文庫)
 ヴェルヌは該当する町としてタンパをあげているが、100年後、アメリカの宇宙基地ケープ・カナベラルはそこからあまり離れていないところに設けられた。


 砲丸投げにしろ、槍投げにしろ、選手は身体を回転させたり、走ったりして加速させ、その速度を投げる砲丸や槍に転化する。
 原理は、宇宙ロケットが地球の自転力を利用して、ロケットの推力が足りないところを補うとの同じである。


 その点、15年くらい前の北朝鮮の最初のロケット「テポドン1号」は、東側の日本海に向けて発射され、本州を飛び越えて太平洋に落下したが、あれは推力不足を地球自転力で補っていたのだと思う。


 12月12日のロケット発射は南に向けて行われ、成功したようだから、これは「地球自転力」をまったく利用していない。それどころか、自転による西への進行方向のズレを補正しているのだから、技術的には立派なものである。つまり北朝鮮は、自国製のミサイルが地球自転力に依存しなくてもよい推力をもち、自転による影響を補正し、地球のあらゆる方向に発射が可能であり、核弾頭を搭載すればICBMとして利用可能であることを、完璧に証明したといえよう。


 この点、立て続けにロケット発射に失敗し、「北朝鮮のロケット解体、発射延期」という偽情報を世界に流した韓国政府とのコントラストが際だっている。
 伝えられる情報によれば、北朝鮮の一般民衆の生活は極度に圧迫されているのに、これだけ軍事力のみが強化できるのも不思議だが、北の脅威に対してこれだけノホホンとした、南の政府や民衆の態度も不思議である。大統領選は1週間後か…
 (韓国の大統領選挙の前に書いた文章です。韓国、日本とも選挙結果はわたしが予想したとおりになりました。)
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