【北山村】難しい話になったので、少し話題を変える。
GOOGLE EARTHでスイスの南側国境を見て行くと、南隣するイタリア国境に向けて指状に突出したスイス領がある。東に「ルガノ湖」があり、湖の西岸に観光地で有名なルガノ市がある。世界地図では湖の東岸もスイス領になっているが、ネット地図の拡大を上げると、ここに「カンピオーネ・デ・イタリア((Campione D'italia=イタリアのチャンピオン)」という町がある。スイスの中にイタリアの飛び地があるのだ。
町といっても、町役場とカジノくらいしか主な建物がない。砂漠の町ラスベガスと似たようなものだ。どうしてイタリアの飛び地がここにあるのかは知らない。
港には税関や出入国管理事務所があるのかもしれないが、手こぎボートで簡単に国境を超えられる。
ヘミングウェイの「武器よさらば」ではもっと東にあるコモ湖が舞台で、主人公と恋人の看護婦がオーストリアからスイスへボートで脱出する。
国に飛び地があるくらいだから、日本の県に飛び地があっても不思議でない。
7/4の「産経」が奈良県内にある和歌山県の飛び地「北山村」(人口481人で本州最小)にコンビニがオープンしたという記事を載せている。
石原慎太郎都知事は、尖閣諸島を東京都の飛び地にしようとしたのだが、野田首相が国有化したので、紛争は国家レベルに拡大した。
北山村は岡本喜八の映画「大誘拐」(1991)の舞台「龍神村」のモデルになった村ではないかと、個人的には思う。
http://ja.wikipedia.org/wiki/大誘拐
ここは奈良県、和歌山県、三重県の県境が複雑に入り組んでいて、山林王で大富豪である北林谷栄の婆さんを誘拐しても、土地勘のない県警単位の捜査には限界がある土地だ。(日本語WIKIには「モデル」と書いてないが、)
婆さんに奨学金を出してもらい、大学を出て和歌山県警本部長になっている緒方拳、誘拐犯「虹の童子」と婆さんの奇想天外な取り引き、いろいろ見所のある映画だった。
北山村から筏を組み、北山川を下り瀞(とろ)八丁を過ぎて、熊野川に合流し、三重県の新宮で熊野灘に出る筏流しは有名である。新宮はこの筏流しが遊ぶお金で栄えた町である。新宮は非差別(「路地」)出身の作家中上健次の故郷でもある。(和賀正樹:「熊野・非差別ブルース」, 現代書館, 2010)
村の西隣は奈良県十津川村で、幕末に勤王の草莽(そうもう)を輩出した村である。北山村は徳川御三家の紀州藩なので、そういうことはなかった。
今まで住民は買い物には、車で30分かかる三重県熊野市か、1時間かかる和歌山県新宮市に出かけていたという。記事が記載している村民の年齢は76歳と78歳だから、高齢化率は推して知れよう。
北山村が「廃藩置県」の時に、三重県や奈良県との合併を拒み、和歌山県の飛び地を選択した理由は、江戸時代に和歌山藩の新宮領だったという歴史にあるらしい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/北山村
「信号機と横断歩道とコンビニがない秘境」がこれまでウリだったらしいが、便利さと安全さには換えられない。
こういった背景事情まで組み込んで記事を書いてくれたら、もっと面白い読み物になっただろうに、と思う。
GOOGLE EARTHでスイスの南側国境を見て行くと、南隣するイタリア国境に向けて指状に突出したスイス領がある。東に「ルガノ湖」があり、湖の西岸に観光地で有名なルガノ市がある。世界地図では湖の東岸もスイス領になっているが、ネット地図の拡大を上げると、ここに「カンピオーネ・デ・イタリア((Campione D'italia=イタリアのチャンピオン)」という町がある。スイスの中にイタリアの飛び地があるのだ。
町といっても、町役場とカジノくらいしか主な建物がない。砂漠の町ラスベガスと似たようなものだ。どうしてイタリアの飛び地がここにあるのかは知らない。
港には税関や出入国管理事務所があるのかもしれないが、手こぎボートで簡単に国境を超えられる。
ヘミングウェイの「武器よさらば」ではもっと東にあるコモ湖が舞台で、主人公と恋人の看護婦がオーストリアからスイスへボートで脱出する。
国に飛び地があるくらいだから、日本の県に飛び地があっても不思議でない。
7/4の「産経」が奈良県内にある和歌山県の飛び地「北山村」(人口481人で本州最小)にコンビニがオープンしたという記事を載せている。
石原慎太郎都知事は、尖閣諸島を東京都の飛び地にしようとしたのだが、野田首相が国有化したので、紛争は国家レベルに拡大した。
北山村は岡本喜八の映画「大誘拐」(1991)の舞台「龍神村」のモデルになった村ではないかと、個人的には思う。
http://ja.wikipedia.org/wiki/大誘拐
ここは奈良県、和歌山県、三重県の県境が複雑に入り組んでいて、山林王で大富豪である北林谷栄の婆さんを誘拐しても、土地勘のない県警単位の捜査には限界がある土地だ。(日本語WIKIには「モデル」と書いてないが、)
婆さんに奨学金を出してもらい、大学を出て和歌山県警本部長になっている緒方拳、誘拐犯「虹の童子」と婆さんの奇想天外な取り引き、いろいろ見所のある映画だった。
北山村から筏を組み、北山川を下り瀞(とろ)八丁を過ぎて、熊野川に合流し、三重県の新宮で熊野灘に出る筏流しは有名である。新宮はこの筏流しが遊ぶお金で栄えた町である。新宮は非差別(「路地」)出身の作家中上健次の故郷でもある。(和賀正樹:「熊野・非差別ブルース」, 現代書館, 2010)
村の西隣は奈良県十津川村で、幕末に勤王の草莽(そうもう)を輩出した村である。北山村は徳川御三家の紀州藩なので、そういうことはなかった。
今まで住民は買い物には、車で30分かかる三重県熊野市か、1時間かかる和歌山県新宮市に出かけていたという。記事が記載している村民の年齢は76歳と78歳だから、高齢化率は推して知れよう。
北山村が「廃藩置県」の時に、三重県や奈良県との合併を拒み、和歌山県の飛び地を選択した理由は、江戸時代に和歌山藩の新宮領だったという歴史にあるらしい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/北山村
「信号機と横断歩道とコンビニがない秘境」がこれまでウリだったらしいが、便利さと安全さには換えられない。
こういった背景事情まで組み込んで記事を書いてくれたら、もっと面白い読み物になっただろうに、と思う。
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