ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【欧語の略号】難波先生より

2018-11-05 15:23:01 | 難波紘二先生
【欧語の略号】
 11/2「朝日」記事の
<骨の難病FOPの進行抑える物質発見 病気解明に期待>
 という見出しを見て、FOPの意味がさっぱり分からなかった。
 仕方なく本文を読むと、
 「全身の筋肉に骨ができる難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」の進行を抑える新たな物質を発見したと、京都大が発表した。FOPではすでに患者のiPS細胞を使って発見した薬の効果を確かめる治験が進んでいるが、作用が異なる物質が見つかったことで、病気のメカニズムの解明に役立つ可能性があるという。」とあった。

 「進行性骨化性線維異形成症」はラテン語のFibrodysplasia Ossificans Progressivaの略号で、英語略号ではない。「骨形成不全症(Osteogenesis Imperfecta=OI)」のように、整形外科の疾患では今でもラテン語名が使われることが多い。

 この病気は昔「化骨性筋炎(Myositis Ossificans)」と呼ばれていたものと同じで、何らかの原因で線維芽細胞の過剰増加が起きると、それが化骨する。だから外傷後、筋肉内に骨ができる病気だ。
 第2染色体長腕(q)にある優性遺伝子に先天異常があり、優性遺伝する。2017年時点で、世界で約800例しか知られていない。
https://en.wikipedia.org/wiki/Fibrodysplasia_ossificans_progressiva#Epidemiology
 今は「出生前遺伝子診断」が可能だから、胎児造血が始まった妊娠5ヶ月以後なら、母体血の採血により、胎児遺伝子にFOP遺伝子があるかどうかを簡単に調べられる。
 常染色体にある優性遺伝子だから、夫婦の片方にあれは1/4、両方にあれば1/2の確率で胎児に遺伝する。
 正しい情報を夫婦に与えて、産む産まないの選択は彼らに任せたらよいだろうと私は思う。医師のパターナリズムを避けるには、それしかないだろう。

 糖尿病だって欧語ではDiabetes Mellitusといい医者はDMと略称している。(あるいは日本語で「ディアベ」ともいう。)ディアベテスは「尿崩症」(尿量が異常に増加すること)、メリトゥスは「蜜のように甘い」という意味だ。
 私は糖尿病がひどいことに、庭で立ち小便した後に、枯葉に蟻が寄ってくるので気付いた。尿を舐めてみると確かに甘かった。今は「糖質ケトン食」で完全に克服した。
 
 「朝日」記事は社会部記者が書いたものだろうが、もう少し読者にわかりやすく書けないものか… せめてWIKIの英文記事くらい読んで書け。
 これでは600万部を割ったといわれる、朝日の部数回復はむつかしいだろう、と思う。

 科学記事が横書きなら、英語用語のスペルアウトは完全に可能なのに、と思う。
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