【書評】エフロブ「買いたい新書」書評にNo.198: 石川啄木「新編・啄木歌集」, 岩波文庫 を取り上げました。
http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/book_review.php?id=1387589297
この歌集は 岩波書店が創業90周年を記念して企画した「読者が選んだ私の好きな岩波文庫100」に入っていて、今も多くのファンがいることがわかります。
「なつかしき冬の朝かな 湯を飲めば 湯気やわらかに顔にかかれり」。
寒い冬の朝になると、啄木のこの歌をそれこそ懐かしく思い出します。
啄木は僧侶の息子で、岩手県岩手郡日戸村曹洞宗常光寺に生まれています。本名ははじめ母の戸籍に入っていたため工藤一。
(禅宗の一派で、道元を開祖とする曹洞宗は、能登、加賀が地盤ですが、いまや日本最大の仏教宗派だそうです。肉食妻帯を禁じており、内縁関係だったのでしょう。)
小学二年生の時に父籍に入り「石川」と改名。父の転勤により渋民村の報徳寺で育ち、盛岡中学(現県立盛岡第一高校)に進みました。同級生や同窓に、野村胡堂(銭形平次の造形者)、金田一京助(日本語・アイヌ語学者)、及川古志郎(海軍大将)がいる。
「啄木」というペンネームは、文学に志し中学を中退して上京したものの、生計が立てられず、肺の病を得て帰郷。自宅療養中に寺の奥の森から聞こえて来る「啄木鳥(キツツキ)」の音に心をなぐさめられ、歌作への意欲を掻き立てられたことに因むという。(紀田順一郎「ペンネームの由来事典」)
思えばこの無謀を許した父石川一禎の判断ミスが、彼の人生を狂わせた。息子の才能に賭けた父は、「宗費滞納」事件を起こし、村人を激怒させ、僧職を解任され「石をもて追われる如く」村を追われた。
のち、貧乏にあえぐ息子の家庭に同居することに耐えきれず、この父は家出し、放浪生活を送り、高知県高知市駅前の地で78歳の生涯を終えた。
http://www.page.sannet.ne.jp/yu_iwata/kouti.html
啄木の本は、岩波文庫だけでも、久保田正文編のこの歌集、桑原武夫編「ローマ字日記」、松田道雄解説「時代閉塞の現状」とありますが、どれひとつとして、正確な年譜と索引を載せたものがない。
研究著作目録の掲載もない。これが日本の「文学」の現状です。Literature(文芸)を「文学」などと誤訳するからこういうことになる。
2.雪の結晶=1/6(月)朝7:00、外は雪の薄化粧だった。2cmほども積もっている。
「ハフィントン・ポスト日本語版」が「息を呑むほど美しい」と称してロシアの写真家による雪の結晶写真を掲載している。
http://www.huffingtonpost.jp/2013/12/30/alexey-kljatov_n_4519601.html
確かにこれは美事だ。撮影法をよく読んでおきたい。
日本で最初に雪の結晶を拡大鏡で観察・スケッチしたのが、水戸藩の隣にあった古河藩主で、老中土井利位の「雪花図譜」(1832年)だ。世界の雪の結晶研究については中谷宇吉郎「雪」(岩波文庫)に世界の雪研究の略研究史が載っているが、なんといってもカナダのW.A.ベントレーの顕微鏡写真集「Snow Crystals」(1931)であろう。(これは蔵書にあるのだが、いま、ちょっと見あたらない。)
私もこの冬、USB顕微鏡で結晶撮影に挑戦したいと思ってはいるのだが、なかなか「お遊び」の時間が取れない。
http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/book_review.php?id=1387589297
この歌集は 岩波書店が創業90周年を記念して企画した「読者が選んだ私の好きな岩波文庫100」に入っていて、今も多くのファンがいることがわかります。
「なつかしき冬の朝かな 湯を飲めば 湯気やわらかに顔にかかれり」。
寒い冬の朝になると、啄木のこの歌をそれこそ懐かしく思い出します。
啄木は僧侶の息子で、岩手県岩手郡日戸村曹洞宗常光寺に生まれています。本名ははじめ母の戸籍に入っていたため工藤一。
(禅宗の一派で、道元を開祖とする曹洞宗は、能登、加賀が地盤ですが、いまや日本最大の仏教宗派だそうです。肉食妻帯を禁じており、内縁関係だったのでしょう。)
小学二年生の時に父籍に入り「石川」と改名。父の転勤により渋民村の報徳寺で育ち、盛岡中学(現県立盛岡第一高校)に進みました。同級生や同窓に、野村胡堂(銭形平次の造形者)、金田一京助(日本語・アイヌ語学者)、及川古志郎(海軍大将)がいる。
「啄木」というペンネームは、文学に志し中学を中退して上京したものの、生計が立てられず、肺の病を得て帰郷。自宅療養中に寺の奥の森から聞こえて来る「啄木鳥(キツツキ)」の音に心をなぐさめられ、歌作への意欲を掻き立てられたことに因むという。(紀田順一郎「ペンネームの由来事典」)
思えばこの無謀を許した父石川一禎の判断ミスが、彼の人生を狂わせた。息子の才能に賭けた父は、「宗費滞納」事件を起こし、村人を激怒させ、僧職を解任され「石をもて追われる如く」村を追われた。
のち、貧乏にあえぐ息子の家庭に同居することに耐えきれず、この父は家出し、放浪生活を送り、高知県高知市駅前の地で78歳の生涯を終えた。
http://www.page.sannet.ne.jp/yu_iwata/kouti.html
啄木の本は、岩波文庫だけでも、久保田正文編のこの歌集、桑原武夫編「ローマ字日記」、松田道雄解説「時代閉塞の現状」とありますが、どれひとつとして、正確な年譜と索引を載せたものがない。
研究著作目録の掲載もない。これが日本の「文学」の現状です。Literature(文芸)を「文学」などと誤訳するからこういうことになる。
2.雪の結晶=1/6(月)朝7:00、外は雪の薄化粧だった。2cmほども積もっている。
「ハフィントン・ポスト日本語版」が「息を呑むほど美しい」と称してロシアの写真家による雪の結晶写真を掲載している。
http://www.huffingtonpost.jp/2013/12/30/alexey-kljatov_n_4519601.html
確かにこれは美事だ。撮影法をよく読んでおきたい。
日本で最初に雪の結晶を拡大鏡で観察・スケッチしたのが、水戸藩の隣にあった古河藩主で、老中土井利位の「雪花図譜」(1832年)だ。世界の雪の結晶研究については中谷宇吉郎「雪」(岩波文庫)に世界の雪研究の略研究史が載っているが、なんといってもカナダのW.A.ベントレーの顕微鏡写真集「Snow Crystals」(1931)であろう。(これは蔵書にあるのだが、いま、ちょっと見あたらない。)
私もこの冬、USB顕微鏡で結晶撮影に挑戦したいと思ってはいるのだが、なかなか「お遊び」の時間が取れない。
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