【情治主義】
法の精神を無視して、ただその時の集団感情で事を決めることをいう。その典型は隣の「大韓民国」に見られる。だが、元は同じ「百済」だから、笑ってもいられない。弥生稲作が、平地の多い「百済地方」を介して北九州に伝来したことは、今や日本考古学の常識である。西日本に住む人びとの多くは「百済渡来人」の子孫だ。
3/14の「鹿鳴荘便り」に【日本病or 情治主義または逆AO入試】と題して、「広島中3・自殺」事件に関してこう書いた。
<校長の赴任はいつからなのか、担任の女性教師はいつ赴任したのか、新聞を読んでも読者にはさっぱり分からない。さりとて「STAP事件」のようにNYTを読みに行くわけにもいかない。かくてネットで情報を収集することになる。ネットを活性化させているのは、既存メディアの無力である。>
3/18夜に開かれた保護者説明会について3/18「朝日」はこう報じている。<保護者説明会「新しい話なし」 広島の中3自殺>
http://www.asahi.com/articles/ASJ3L7J0PJ3LPITB02F.html
これよりも鋭いのが、同日付「産経」の報道だ。
http://www.sankei.com/west/news/160318/wst1603180064-n1.html
地元紙「中国」がこの事件の報道で「萎縮」しているのが、よく分からない。
事件の構図は、「週刊文春」3/24号の報道(X,Y,Zは同誌による)等を合わせると、以下のようになる。
2009/4=坂本弘(現校長)「府中町立緑ヶ丘中学」に赴任
2013/4=自殺した少年A、同中学に入学、2組に編入。
ネット報道によると「1年2組」の担任は内藤博夫教諭。
この学年は「荒れた学年」となった。
2013/10/6=コンビニで同校の中学生2人が万引き行為。(A少年は無関係)
日曜日だったため、店から通報を受けた当直のY教諭が対処。親が出頭し、謝罪・賠償し警察沙汰にはならず。翌日Y教諭は生徒指導部のZ教諭に口頭で報告。
Zはパソコンにデータ入力する際に同姓の別生徒(A少年)の名前を誤入力(?)した。10/8火曜日に開かれた「生徒指導推進委員会」で、氏名の誤りが指摘されたが、Zは元データの訂正をしなかった。(指摘者と担任内藤博夫との関係は未詳)
2014/4=篠永美代子教諭(40代女性、社会科担当)同校に赴任。2年2組の担任となった。
(同教諭は2010〜2013年度、東広島市高屋中学勤務、2012/10発生の東広島市「指導死」事件は高美が丘中学校でのことで、直接の関係なし。)
http://shidou-life.net/higasi1.html)
2015/5=学級主任:3年1組担当、須賀和憲教諭(英語担当、陸上部顧問)
(2012年度まで廿日市市立大野西小学校、2013年度から安芸郡府中町立府中緑ヶ丘中学校)
2015/11=「進路指導」が始まった。このため「1・2年時」の触法行為が問題になると考えた「進路査定会議」メンバーのD教諭(3/11「朝日」の表記)が、11月12日、サーバ中の旧「生徒指導資料」を印刷し、学級主任須賀教諭に渡した。これは「誤って」の行為だと、どの新聞も書いていない。
同日、同じ資料が2組担任篠永教諭にも渡された。
「調査報告書」によれば11月12日、旧「生徒指導資料」を読んだ同教諭は、後に自殺した少年の非行記録を初めて知り「たいへん驚いた」という。
学級主任須賀が、校長に「非行」を1年時まで遡って推薦基準に入れるように進言。
2015/11/20=「校務運営会」で「校長推薦基準」を変更。従来は「3年時の触法行為」のみが問題だったのに「1年時まで遡っての触法行為」を問題とした。学級主任は陸上部の顧問でもあり、「誤記録」を含む旧「生徒指導資料」を1年時まで拡大すれば、陸上部の少年A(自殺した少年)が推薦枠から排除されることは承知していたはず。「新指導資料」には、同じ陸上部で実際に1年の時に万引きした少年Bの名前が含まれ、少年Aの名前はなかった。なぜ学級主任が誤記録に基づいて、校長に進言したのかが疑問だ。
学級主任は推薦枠からはずれる19人の生徒を選りだし、6人の担任に調査を命じた。
担任教諭は少年Aが「万引きをした」と頭から思い込んでおり、「あ、はい」という返答を「万引きを認めた」と誤認し、推薦ができないと指導した。3/17NHK報道によると少年Aの私立高校の推薦基準には「非行歴」の有無がふくまれていなかったという。
http://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20160317/3754781.html
(これは合法的な裁き、つまりデュープロセスの完全な無視だ。)
新推薦基準の決定は11/20に行われたので、担任による少年Aへの正式な聞き取りは3回(11/26頃、12/4、12/7=自殺前日)しかなかった。いずれも廊下での立ち話だった。
2015/12/8=「三者面談」の日。少年A出席せず、後に自宅で「自殺」が発見される。
12/9=緊急全校集会。校長はAの死を「急性心不全」と虚偽発表。Aの「冤罪」が判明。
12/22=校長、一転して「新推薦基準」を撤回。死んだAを除く15/18名に推薦を出す。
2016/2/29=坂本校長「調査報告書」を作成
2015/3/7=府中町教委が「少年Aの自殺」を公表(以後、担任は「体調不良」として欠勤)
3/8=学校と町教委が「保護者説明会」を開催。後、記者会見
3/9=緊急全校集会。校長が嘘の病名を発表したことを謝罪。
3/10=「朝日」の情報公開請求により2/29作成の「調査報告書(全48頁)」を公表。
3/11=「緑ヶ丘中学」全生徒約620人を対象に、自殺した少年Aの実名が入ったアンケート用紙を配布。自殺に関する情報提供を求める。(回収は翌3/12)
3/12=同中学の卒業式。校長少年Aに卒業証書を出す。(式後のホームルームで副担任が両親に手交。)
3/18=第2回保護者説明会の開催、「第三者委」の立ち上げ見通しも立たず。
2016/3/31=坂本弘校長(定年退職、予定)
3/19「産経」は「県教委異動5084人」の名簿をいち早くスクープした。
問題の府中町緑ヶ丘中学関係では、校長の坂本弘が「退任」となり、新任に県教委から谷川靖二が転任するとある。3年の学年主任(1組、英語、陸上部顧問)の須賀和憲教諭、自殺した少年Aの担任だった篠永美代子(2組、社会科、美術部顧問)の名前はない。もっとも、これには校長、教頭の異動しか載っていないから、少年Aの一年時担任内藤博夫(データ誤入力責任者、現府中町立府中中学校勤務)など平教諭の異動はわからない。
私見では、広島県教委は定年退職する坂本校長以外は、外部委員会の調査報告のために「異動ストップ」したはずだ。事件はある種の「学校殺人」だから、そうでないとおかしい、と思ったが3/19「産経広島版」記事によると「定年退職する校長を含め全教員の約1/3にあたる11人が異動する」とある。
<3/20追記=3/20「産経」広島版はこのスクープに対して「おわび」を掲載した。内容は<県教委と広島市教委の正式発表後の3/20に掲載すべきものを、誤って1日早く掲載した。関係者に多大な迷惑をかけたことをおわびする>というもの。だが、読者あっての新聞だ。こういう「フライイング」を私は歓迎する。
3/20「毎日」は「広島県教委の教職員異動」という名簿を特別付録として掲載した。地元紙「中国」は教職員異動リストを完全無視だ。(少なくとも一面の見出しにはない。)もう毎日コンビニ通うのは大変なので、「読売」「朝日」はチェックしていない。「毎日」と「中国」記事によると、「府中町緑ヶ丘中学」では教員34人のうち、校長、教頭、主幹教諭を含む11人が異動(定年退職を含む)するとある。3人に1人が入れ替えになるわけだ。これでは「外部調査委」の調査はほぼ絶望的だ。
一番つまらないのが、1面見出しにないから発見が遅れた、3/20「中国」の4面にわたる「広島県&広島市教職員異動」リスト。読者の関心は「府中・緑ヶ丘中学」の人事がどうなったかにあるに決まっているのに、
「府中緑ヶ丘県教委 谷川清二」、「府中緑ヶ丘坂 小山貴美」というような無神経なリストアップだ。
「毎日」のように「府中緑ヶ丘<県教委>」、「府中緑ヶ丘<坂中学>」と書かないと、読者には前任地がわからないから、何のことかわからない。「毎日」の資料は2面しかないが、「府中緑ヶ丘中学の「川口美香教諭」が広島市教委に転出した後、「広島市教委」の発令で「広島市庚午中学」に転任したことがすぐにわかるような、紙面構成になっている。「中国」とはえらい違いだ。
こちらは、わざと読者を混乱させるような情報を流している。これはもう「県教委」とグルの新聞と見た方がよいのではないか…
3/20「毎日」特別付録によると、府中町「緑ヶ丘中学」では
1.校長(坂本弘)→定年退職、後任は県教委の課長谷川清二
2.教頭(小山貴美、新設)←安芸郡坂町、坂中学から異動
3.主幹教諭(久保宏孝)→安芸郡海田町、海田中学へ転任、新任は東広島市磯松中学から郷地忠幸が
その他の平教諭の異動状況:
4. 転出(教諭4、毛利優勝)→安芸郡・府中中学へ
5. 転出(教諭5、下前真理子)→安芸郡・海田中学へ
6.転出(教諭6、上田和浩)→海田中学へ
7.転出(教諭7、森昭彦)→安芸郡・坂中学へ
8.転出(教諭8、川口美香)→広島市庚午中学へ(広島市教委発令)
他方新教諭の補充状況は、
1.採用 (新教諭1)←広島大附属小学校から岡本太郎が、
2.採用(新教諭2)←広島皆実高校から松田憲二郎が
3.転入(新教諭3,小松祐之)←廿日市市・野坂中学から
4.転任(教教諭4,和田裕行)←安芸郡・府中中学から
5.転任(新教諭5, 安村由美子)←熊野東中学から
6.転任(新教諭6, 横田直美)←廿日市市・七尾中学から
7.新任(新教諭7,松浦紀江)←新卒採用
私の調べた範囲では、校長と主幹教務を含む8名の教員が「緑ヶ丘中」を去り、新たに校長と教頭を含む、9名の教員が補充されたということになる。「中国」の名簿には「栄養職員・転任」の項に、府中町・緑ヶ丘中の栄養職員2名が「転任」に記載されているが、これは通常「教育」とは関係がない。(こんなものにまで「県教委」が任命権を持っているとは知らなかった。)
3/20「中国」「産経」「毎日」の「11人が異動」という記事は、きちんと名簿をカウントしないで「官製報道」に依存したものだと思う。
幸い、2015年の学年主任の須賀和憲教諭、担任の篠永美代子教諭は異動にならなかったらしい。過失か故意かで、間違った「万引き記録」が掲載された過去の「生徒指導記録」を印刷して3年の各担任6人に配った「D教諭」(「朝日」の報道による)は、事件の真相を知るキー・パーソンだが、彼の名前が報道されないので、異動の有無は分からない。
県教委が本気で「第三者委員会」を立ち上げ、真相解明をする予定なら、これら3人の教師は異動させなかったはずだ。校長、担任と「誤記録を印刷配布した」教師Dの身柄は、引き続き「緑ヶ丘中学」に確保されているものと信じたい。
もしそうでないなら、「第三者委員会」の立ち上げはおろか、立ち上げても調査が困難になり、やがて騒ぎが治まった頃におざなりな「報告書」が出ることになろう。つまり、県教委にも町教委にも、真相を解明し、再発を防止しようという気はさらさらないといわれても仕方ない。
まるでヘルマン・ヘッセ「車輪の下」で、不審死を遂げた生徒ハンス・ギーベンラートの葬式の後、ハンスの成績が下がったことに対して「決して参ってはいけない。さもないと車輪の下敷きになってしまう」と警告した校長が、「ああやっぱり車輪の下に入ってしまったか…」とつぶやくようなものだ。そうして学校という名の列車は何ごともなかったように、出発・進行する。
「法の不遡及性」と「処罰の手続き的適正さの保証」という「日本国憲法」31条、39条が定める精神をちゃんと血肉化できていれば、教師の誰かが強烈な異議を唱え(丁度、ヘンリー・フォンダ主演の1959年日本公開・米映画「十二人の怒れる男たち」のように)「ファイル誤記」というミスがあっても、無実の生徒を死に追いやるという、この冤罪事件は起こらなかったと何度も私は強調してきた。
ヘッセが1906年に提起した諸問題を、2016年の日本はまだ解決できないでいる。「日本病」は相当進行していると思う。「フェイル・セーフ」システムのない国、あるいはそれが作動しない国、それが日本だ。
法の精神を無視して、ただその時の集団感情で事を決めることをいう。その典型は隣の「大韓民国」に見られる。だが、元は同じ「百済」だから、笑ってもいられない。弥生稲作が、平地の多い「百済地方」を介して北九州に伝来したことは、今や日本考古学の常識である。西日本に住む人びとの多くは「百済渡来人」の子孫だ。
3/14の「鹿鳴荘便り」に【日本病or 情治主義または逆AO入試】と題して、「広島中3・自殺」事件に関してこう書いた。
<校長の赴任はいつからなのか、担任の女性教師はいつ赴任したのか、新聞を読んでも読者にはさっぱり分からない。さりとて「STAP事件」のようにNYTを読みに行くわけにもいかない。かくてネットで情報を収集することになる。ネットを活性化させているのは、既存メディアの無力である。>
3/18夜に開かれた保護者説明会について3/18「朝日」はこう報じている。<保護者説明会「新しい話なし」 広島の中3自殺>
http://www.asahi.com/articles/ASJ3L7J0PJ3LPITB02F.html
これよりも鋭いのが、同日付「産経」の報道だ。
http://www.sankei.com/west/news/160318/wst1603180064-n1.html
地元紙「中国」がこの事件の報道で「萎縮」しているのが、よく分からない。
事件の構図は、「週刊文春」3/24号の報道(X,Y,Zは同誌による)等を合わせると、以下のようになる。
2009/4=坂本弘(現校長)「府中町立緑ヶ丘中学」に赴任
2013/4=自殺した少年A、同中学に入学、2組に編入。
ネット報道によると「1年2組」の担任は内藤博夫教諭。
この学年は「荒れた学年」となった。
2013/10/6=コンビニで同校の中学生2人が万引き行為。(A少年は無関係)
日曜日だったため、店から通報を受けた当直のY教諭が対処。親が出頭し、謝罪・賠償し警察沙汰にはならず。翌日Y教諭は生徒指導部のZ教諭に口頭で報告。
Zはパソコンにデータ入力する際に同姓の別生徒(A少年)の名前を誤入力(?)した。10/8火曜日に開かれた「生徒指導推進委員会」で、氏名の誤りが指摘されたが、Zは元データの訂正をしなかった。(指摘者と担任内藤博夫との関係は未詳)
2014/4=篠永美代子教諭(40代女性、社会科担当)同校に赴任。2年2組の担任となった。
(同教諭は2010〜2013年度、東広島市高屋中学勤務、2012/10発生の東広島市「指導死」事件は高美が丘中学校でのことで、直接の関係なし。)
http://shidou-life.net/higasi1.html)
2015/5=学級主任:3年1組担当、須賀和憲教諭(英語担当、陸上部顧問)
(2012年度まで廿日市市立大野西小学校、2013年度から安芸郡府中町立府中緑ヶ丘中学校)
2015/11=「進路指導」が始まった。このため「1・2年時」の触法行為が問題になると考えた「進路査定会議」メンバーのD教諭(3/11「朝日」の表記)が、11月12日、サーバ中の旧「生徒指導資料」を印刷し、学級主任須賀教諭に渡した。これは「誤って」の行為だと、どの新聞も書いていない。
同日、同じ資料が2組担任篠永教諭にも渡された。
「調査報告書」によれば11月12日、旧「生徒指導資料」を読んだ同教諭は、後に自殺した少年の非行記録を初めて知り「たいへん驚いた」という。
学級主任須賀が、校長に「非行」を1年時まで遡って推薦基準に入れるように進言。
2015/11/20=「校務運営会」で「校長推薦基準」を変更。従来は「3年時の触法行為」のみが問題だったのに「1年時まで遡っての触法行為」を問題とした。学級主任は陸上部の顧問でもあり、「誤記録」を含む旧「生徒指導資料」を1年時まで拡大すれば、陸上部の少年A(自殺した少年)が推薦枠から排除されることは承知していたはず。「新指導資料」には、同じ陸上部で実際に1年の時に万引きした少年Bの名前が含まれ、少年Aの名前はなかった。なぜ学級主任が誤記録に基づいて、校長に進言したのかが疑問だ。
学級主任は推薦枠からはずれる19人の生徒を選りだし、6人の担任に調査を命じた。
担任教諭は少年Aが「万引きをした」と頭から思い込んでおり、「あ、はい」という返答を「万引きを認めた」と誤認し、推薦ができないと指導した。3/17NHK報道によると少年Aの私立高校の推薦基準には「非行歴」の有無がふくまれていなかったという。
http://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20160317/3754781.html
(これは合法的な裁き、つまりデュープロセスの完全な無視だ。)
新推薦基準の決定は11/20に行われたので、担任による少年Aへの正式な聞き取りは3回(11/26頃、12/4、12/7=自殺前日)しかなかった。いずれも廊下での立ち話だった。
2015/12/8=「三者面談」の日。少年A出席せず、後に自宅で「自殺」が発見される。
12/9=緊急全校集会。校長はAの死を「急性心不全」と虚偽発表。Aの「冤罪」が判明。
12/22=校長、一転して「新推薦基準」を撤回。死んだAを除く15/18名に推薦を出す。
2016/2/29=坂本校長「調査報告書」を作成
2015/3/7=府中町教委が「少年Aの自殺」を公表(以後、担任は「体調不良」として欠勤)
3/8=学校と町教委が「保護者説明会」を開催。後、記者会見
3/9=緊急全校集会。校長が嘘の病名を発表したことを謝罪。
3/10=「朝日」の情報公開請求により2/29作成の「調査報告書(全48頁)」を公表。
3/11=「緑ヶ丘中学」全生徒約620人を対象に、自殺した少年Aの実名が入ったアンケート用紙を配布。自殺に関する情報提供を求める。(回収は翌3/12)
3/12=同中学の卒業式。校長少年Aに卒業証書を出す。(式後のホームルームで副担任が両親に手交。)
3/18=第2回保護者説明会の開催、「第三者委」の立ち上げ見通しも立たず。
2016/3/31=坂本弘校長(定年退職、予定)
3/19「産経」は「県教委異動5084人」の名簿をいち早くスクープした。
問題の府中町緑ヶ丘中学関係では、校長の坂本弘が「退任」となり、新任に県教委から谷川靖二が転任するとある。3年の学年主任(1組、英語、陸上部顧問)の須賀和憲教諭、自殺した少年Aの担任だった篠永美代子(2組、社会科、美術部顧問)の名前はない。もっとも、これには校長、教頭の異動しか載っていないから、少年Aの一年時担任内藤博夫(データ誤入力責任者、現府中町立府中中学校勤務)など平教諭の異動はわからない。
私見では、広島県教委は定年退職する坂本校長以外は、外部委員会の調査報告のために「異動ストップ」したはずだ。事件はある種の「学校殺人」だから、そうでないとおかしい、と思ったが3/19「産経広島版」記事によると「定年退職する校長を含め全教員の約1/3にあたる11人が異動する」とある。
<3/20追記=3/20「産経」広島版はこのスクープに対して「おわび」を掲載した。内容は<県教委と広島市教委の正式発表後の3/20に掲載すべきものを、誤って1日早く掲載した。関係者に多大な迷惑をかけたことをおわびする>というもの。だが、読者あっての新聞だ。こういう「フライイング」を私は歓迎する。
3/20「毎日」は「広島県教委の教職員異動」という名簿を特別付録として掲載した。地元紙「中国」は教職員異動リストを完全無視だ。(少なくとも一面の見出しにはない。)もう毎日コンビニ通うのは大変なので、「読売」「朝日」はチェックしていない。「毎日」と「中国」記事によると、「府中町緑ヶ丘中学」では教員34人のうち、校長、教頭、主幹教諭を含む11人が異動(定年退職を含む)するとある。3人に1人が入れ替えになるわけだ。これでは「外部調査委」の調査はほぼ絶望的だ。
一番つまらないのが、1面見出しにないから発見が遅れた、3/20「中国」の4面にわたる「広島県&広島市教職員異動」リスト。読者の関心は「府中・緑ヶ丘中学」の人事がどうなったかにあるに決まっているのに、
「府中緑ヶ丘県教委 谷川清二」、「府中緑ヶ丘坂 小山貴美」というような無神経なリストアップだ。
「毎日」のように「府中緑ヶ丘<県教委>」、「府中緑ヶ丘<坂中学>」と書かないと、読者には前任地がわからないから、何のことかわからない。「毎日」の資料は2面しかないが、「府中緑ヶ丘中学の「川口美香教諭」が広島市教委に転出した後、「広島市教委」の発令で「広島市庚午中学」に転任したことがすぐにわかるような、紙面構成になっている。「中国」とはえらい違いだ。
こちらは、わざと読者を混乱させるような情報を流している。これはもう「県教委」とグルの新聞と見た方がよいのではないか…
3/20「毎日」特別付録によると、府中町「緑ヶ丘中学」では
1.校長(坂本弘)→定年退職、後任は県教委の課長谷川清二
2.教頭(小山貴美、新設)←安芸郡坂町、坂中学から異動
3.主幹教諭(久保宏孝)→安芸郡海田町、海田中学へ転任、新任は東広島市磯松中学から郷地忠幸が
その他の平教諭の異動状況:
4. 転出(教諭4、毛利優勝)→安芸郡・府中中学へ
5. 転出(教諭5、下前真理子)→安芸郡・海田中学へ
6.転出(教諭6、上田和浩)→海田中学へ
7.転出(教諭7、森昭彦)→安芸郡・坂中学へ
8.転出(教諭8、川口美香)→広島市庚午中学へ(広島市教委発令)
他方新教諭の補充状況は、
1.採用 (新教諭1)←広島大附属小学校から岡本太郎が、
2.採用(新教諭2)←広島皆実高校から松田憲二郎が
3.転入(新教諭3,小松祐之)←廿日市市・野坂中学から
4.転任(教教諭4,和田裕行)←安芸郡・府中中学から
5.転任(新教諭5, 安村由美子)←熊野東中学から
6.転任(新教諭6, 横田直美)←廿日市市・七尾中学から
7.新任(新教諭7,松浦紀江)←新卒採用
私の調べた範囲では、校長と主幹教務を含む8名の教員が「緑ヶ丘中」を去り、新たに校長と教頭を含む、9名の教員が補充されたということになる。「中国」の名簿には「栄養職員・転任」の項に、府中町・緑ヶ丘中の栄養職員2名が「転任」に記載されているが、これは通常「教育」とは関係がない。(こんなものにまで「県教委」が任命権を持っているとは知らなかった。)
3/20「中国」「産経」「毎日」の「11人が異動」という記事は、きちんと名簿をカウントしないで「官製報道」に依存したものだと思う。
幸い、2015年の学年主任の須賀和憲教諭、担任の篠永美代子教諭は異動にならなかったらしい。過失か故意かで、間違った「万引き記録」が掲載された過去の「生徒指導記録」を印刷して3年の各担任6人に配った「D教諭」(「朝日」の報道による)は、事件の真相を知るキー・パーソンだが、彼の名前が報道されないので、異動の有無は分からない。
県教委が本気で「第三者委員会」を立ち上げ、真相解明をする予定なら、これら3人の教師は異動させなかったはずだ。校長、担任と「誤記録を印刷配布した」教師Dの身柄は、引き続き「緑ヶ丘中学」に確保されているものと信じたい。
もしそうでないなら、「第三者委員会」の立ち上げはおろか、立ち上げても調査が困難になり、やがて騒ぎが治まった頃におざなりな「報告書」が出ることになろう。つまり、県教委にも町教委にも、真相を解明し、再発を防止しようという気はさらさらないといわれても仕方ない。
まるでヘルマン・ヘッセ「車輪の下」で、不審死を遂げた生徒ハンス・ギーベンラートの葬式の後、ハンスの成績が下がったことに対して「決して参ってはいけない。さもないと車輪の下敷きになってしまう」と警告した校長が、「ああやっぱり車輪の下に入ってしまったか…」とつぶやくようなものだ。そうして学校という名の列車は何ごともなかったように、出発・進行する。
「法の不遡及性」と「処罰の手続き的適正さの保証」という「日本国憲法」31条、39条が定める精神をちゃんと血肉化できていれば、教師の誰かが強烈な異議を唱え(丁度、ヘンリー・フォンダ主演の1959年日本公開・米映画「十二人の怒れる男たち」のように)「ファイル誤記」というミスがあっても、無実の生徒を死に追いやるという、この冤罪事件は起こらなかったと何度も私は強調してきた。
ヘッセが1906年に提起した諸問題を、2016年の日本はまだ解決できないでいる。「日本病」は相当進行していると思う。「フェイル・セーフ」システムのない国、あるいはそれが作動しない国、それが日本だ。
遺伝子解析から、朝鮮半島のイネはRM1-aを中心としており、RM1-bは存在しなかったと考えられていますが、日本では、西日本を中心にRM1-bが検出されています。
また、熱帯ジャポニカ米はもっと早い時期(縄文初期)に南西諸島経由で導入されたと考えられています。登呂遺跡から温帯ジャポニカ米との交雑種が検出されています。
南方ルートの方が、夢があっていいね。柳田國男みたいで。