【書評】エフロブ「買いたい新書」に評判のNo.197 若杉洌「原発ホワイトアウト」を取り上げました。
(の予定でしたが、会社が休みでアップされていないようです。)
冒頭にエピグラフとして「歴史は繰り返す, 一度目は悲劇として, 二度目は喜劇として」というカール・マルクスの言葉が引用されている。作者が現役キャリア官僚かどうか話題になっているが, これを上手く引用した教養から、人物は推して知るべしだろう。
いうまでもなく悲劇はF1(福島第一原発)の事故であり, 喜劇はこれから起こるであろう原発事故である。「原発再稼働」に向けて着々と陰謀をめぐらす原子力ムラ, つまり電力会社, 関係官庁, 政府与党というトライアングルの動きが、リアルに描かれている。そこにある「大盲点」を近未来に起きる大事件としてなぞったものです。
東北電力の管内に東京電力の原発がある(新潟県の柏崎刈羽原発をモデルにしている)ことで、どういう盲点が発生するか、それをテロリストが利用するとしたら、どういう手を使い、最小限の犠牲で日本に最大限の被害を与えるためにどう動くか、よくわかる小説です。
それに加えて、巨大地震により琵琶湖のところから日本列島が折れて海峡ができ、ソ連と中国が、「救援」と称して上陸し、東日本を占領してしまう話を描いた、かわぐちかいじ「太陽の黙示録」を思わすような、スケールの大きさもあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/太陽の黙示録
お正月休みの読書におすすめです。
この前、メルマガで取り上げた溝田悟士「<福音書>解読」(講談社選書メチエ)を科学史家村上陽一郎が「毎日」日曜日の書評で取り上げています。
が、毎日は前には書評が自由に読めたのに、いまはリンクできないようになっています。ダメだなあ。
(の予定でしたが、会社が休みでアップされていないようです。)
冒頭にエピグラフとして「歴史は繰り返す, 一度目は悲劇として, 二度目は喜劇として」というカール・マルクスの言葉が引用されている。作者が現役キャリア官僚かどうか話題になっているが, これを上手く引用した教養から、人物は推して知るべしだろう。
いうまでもなく悲劇はF1(福島第一原発)の事故であり, 喜劇はこれから起こるであろう原発事故である。「原発再稼働」に向けて着々と陰謀をめぐらす原子力ムラ, つまり電力会社, 関係官庁, 政府与党というトライアングルの動きが、リアルに描かれている。そこにある「大盲点」を近未来に起きる大事件としてなぞったものです。
東北電力の管内に東京電力の原発がある(新潟県の柏崎刈羽原発をモデルにしている)ことで、どういう盲点が発生するか、それをテロリストが利用するとしたら、どういう手を使い、最小限の犠牲で日本に最大限の被害を与えるためにどう動くか、よくわかる小説です。
それに加えて、巨大地震により琵琶湖のところから日本列島が折れて海峡ができ、ソ連と中国が、「救援」と称して上陸し、東日本を占領してしまう話を描いた、かわぐちかいじ「太陽の黙示録」を思わすような、スケールの大きさもあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/太陽の黙示録
お正月休みの読書におすすめです。
この前、メルマガで取り上げた溝田悟士「<福音書>解読」(講談社選書メチエ)を科学史家村上陽一郎が「毎日」日曜日の書評で取り上げています。
が、毎日は前には書評が自由に読めたのに、いまはリンクできないようになっています。ダメだなあ。
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